現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 日本じゃ60年間“不人気車!?” 今や爆売れ大ヒット「ハンターカブ」の意外な過去 始まりは海外ホンダのアイデア

ここから本文です

日本じゃ60年間“不人気車!?” 今や爆売れ大ヒット「ハンターカブ」の意外な過去 始まりは海外ホンダのアイデア

掲載 23
日本じゃ60年間“不人気車!?” 今や爆売れ大ヒット「ハンターカブ」の意外な過去 始まりは海外ホンダのアイデア

アメリカでカブを広めるべく開発されたハンターカブの始祖

 ホンダのアイコニックシリーズの中でも、CT125ハンターカブは衰え知らずの人気を続けています。その出自を辿ると、65年前の1961年にまで遡る名シリーズの末裔ですが、実は、今ほどの人気を得るまで、意外にも日本国内では「不人気車」の扱いを受け、わずか2年で姿を消したこともありました。

【60年前から“ほぼ完成形”…?】これが「ハンターカブ」の変遷です!(写真28枚)

 ハンターカブの始祖となったのは1961年、アメリカンホンダが誕生させたCA100Tトレール 50です。

 その優れた性能から、日本国内ではすでにヒットに至っていたスーパーカブですが、実はアメリカでは販売不振が続いていました。当時のアメリカでは小型オートバイの需要がほとんどなく、アメリカンホンダはなんとかしてスーパーカブを売り出すことができないかと模索していました。

 そこで思いついたのが、アメリカのアウトドア愛好家たちのライフスタイルに合わせた派生モデルの開発でした。トラックの荷台にスーパーカブを積み込み、海や野山に遊びに行き、四輪が乗り込めないエリアではスーパーカブを使って移動することができないか……そんな思惑からトレールタイプのスーパーカブの誕生を促し、日本のホンダに開発要請します。

 そして誕生したのが、スーパーカブの元祖トレールモデルであり、今日まで続くハンターカブシリーズの始祖・CA100Tトレール50だったというわけです。

 従来のスーパーカブからレッグシールド、フロントフェンダー。チェーンケース、太いマフラーなどを外す一方、悪路を走れるブロックパターンタイヤ、大型キャリア、アンダーガードなども装備し、一目でアウトドアシーンに力を発揮できる仕様としました。

 そして、CA100Tトレール50は従来のバイク専門店だけでなく、アウトドア専門店でも販売を開始します。いきなりヒットには至らなかったものの、少しずつ認知を得ていき、翌1962年には54ccモデル・C105ST TRAIL55を誕生させます。

「ハンターカブの特徴」が確立されていった時代

 1963年には、このC105ST TRAIL55にアップマフラーを装備したモデルを発売し、ここで初めて「ハンターカブ」というペットネームが命名されました。

 続く1964年には新設計の87ccのOHVエンジンを搭載した87ccモデル、CT200トレール90を発売。排気量が約1.6倍になったことに加え、パイプハンドルやマットガード付きフロントフェンダーなどが装備されました。

 さらに1966年には89ccのOHCエンジンを搭載したCT90トレール90を発売し、前期型は自動遠心クラッチの4段にリアスプロケットを採用、後期型はリアスプロケットを廃止し自動遠心クラッチの4段に加え、後のハンターカブシリーズの特徴でもあった副変速機を追加しました。

 1969年にはさらなるトレール性能を高めてモデルチェンジします。フロントサスペンションはテレスコピックとなり、フロントのフェンダーは可動式、フレームパイプはプラスチック製のシュラウドで保護されました。今日のCT125ハンターカブに続くフォルム構成は、ここで確立されたと言って良いでしょう。

 以降、CT90トレール90は1971年~1979年までの間に7回のマイナーチェンジを重ねていきます。

 前後しますが、CT90トレール90がアメリカで毎年のように進化を遂げる中、1968年には日本国内でもCT50の名で同様のモデルを発売します。山間地や不整地での配達などを想定し、アップマフラー、バーハンドル、フレームカバーなどの装備に加え、日本初の副変速機も搭載したものの、当時のバイクユーザーの目には「何用のバイクかわからん」としてヒットには至らず、わずか数年で生産終了となってしまいます。

 この苦い経験があったからか、ホンダは1970年代にアメリカでハンターカブの支持を高めていきながらも、日本国内での販売には躊躇していたきらいがあり、ようやく日本国内仕様のハンターカブ、CT110を発売したのは1981年でした。

 しかし、1980年代初頭はレジャーバイクブーム終焉期であり、市場ニーズと合わず、これもわずか2年ほどで生産終了となってしまいます。こうしてハンターカブはまたしても、日本国内で浸透せぬまま姿を消すこととなります。

アメリカでの生産終了後も、オーストラリアやニュージーランドで活躍

 一方、アメリカ向けとしては、CT110トレール110が1980年に発売され、これもまた相応のヒットに至り、1981年~1984年まで毎年のようにマイナーチェンジを重ねていきました。1986年にはアメリカ向けのCT110トレール110は生産終了となりますが、これに入れ替わるように、オーストラリアやニュージーランドでもCT110の販売がスタートします。

 特にオーストラリアでは、このCT110が郵政公社の公式郵便配達バイクとして正式採用され、2012年まで「働くバイク」として活躍しました。

 また、1990年代にはハンターカブのコンセプトを高めた派生モデルCT125、CT200などがオーストラリア市場向けに誕生します。いずれもトレッキングバイクとして相応の支持を得て、2010年代までは逆輸入のカタチで日本のバイクユーザーの間でもコアな人気を誇りました。

 オーストラリア、ニュージランドなど向けのCT110は2012年モデルをもって生産終了となりますが、ホンダは2013年にハンターカブのコンセプトを少しだけ感じさせるクロスカブCC110発売します。ハンターカブほどトレッキングに振り切った仕様ではないものの、かつてのホンダがもっていた「遊び心」を改めて投影したような1台です。後に50ccモデルもラインナップし、以降今日に至るまでのロングセラーとなります。

 クロスカブ110/50が好調の成績を収める中、満を持して2020年に発売となったのが、現在のCT125ハンターカブでした。

 これはタイホンダが開発したモデルで、かつてのCT110の細部をブラッシュアップさせた1台で、トレッキング性能などは控えめになった一方、スポーツ性能や扱いやすさはかつてのCT110をはるかに凌駕する仕様で大ヒットとなりました。従来のバイクユーザー以外をも虜にし、今日に至っているというわけです。

 ここまでの通り、今から65年前にアメリカンホンダがハンターカブの始祖を誕生させ、さらにアメリカで進化を遂げ、後にはオーストラリア、ニュージーランドなどでの手堅い評価を得続けたハンターカブシリーズが、2020年代にやっと日本国内でも認められたように感じます。

 2026年にはアステロイドブラックメタリック、マットフレスコブラウンといったシックな新色もラインナップされ、さらなるユーザーを虜にしそうな気配です。前例のない道なき道を切り開いていったハンターカブの歴史は、これから先もまだまだ続いていくことでしょう。

文:乗りものニュース 松田義人(ライター・編集者)
【キャンペーン】毎日機械洗車が50%オフ!お得に愛車をピカピカに(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

「兄弟車があまりに多い」「販売店が埋め尽くされた」その恐るべき最盛期とは? スズキ「ジスペケ」もうすぐ半世紀
「兄弟車があまりに多い」「販売店が埋め尽くされた」その恐るべき最盛期とは? スズキ「ジスペケ」もうすぐ半世紀
乗りものニュース
“2台目”だからこそ 自分の趣味に100%合わせることができるのかもね! 維持費も安いセカンドバイク 遊び心満載の「原付二種」3選
“2台目”だからこそ 自分の趣味に100%合わせることができるのかもね! 維持費も安いセカンドバイク 遊び心満載の「原付二種」3選
VAGUE
スーパーバイク世界権で勝つために生まれたホモロゲモデル 四半世紀の間ひとりのオーナーが愛したホンダVツインが米国で発見 走行1.6万キロの極上「RVT1000R」ってどんなバイク?
スーパーバイク世界権で勝つために生まれたホモロゲモデル 四半世紀の間ひとりのオーナーが愛したホンダVツインが米国で発見 走行1.6万キロの極上「RVT1000R」ってどんなバイク?
VAGUE
【2026年6月新車カレンダー】ホンダのEクラッチ旋風とヤマハの155cc大本命など注目モデル総まとめ
【2026年6月新車カレンダー】ホンダのEクラッチ旋風とヤマハの155cc大本命など注目モデル総まとめ
WEBヤングマシン
王者バイクの“独り勝ち”状態もついに終焉!? ホンダ「レブル250」のライバルとなりそうな250ccクラスの「V型2気筒クルーザー」3選
王者バイクの“独り勝ち”状態もついに終焉!? ホンダ「レブル250」のライバルとなりそうな250ccクラスの「V型2気筒クルーザー」3選
VAGUE
カブハウス謹製「FTR125」限定エディション! 日本でもシルバーバックが6月入荷予定のタイ発 モンキー125カスタムコンプリート
カブハウス謹製「FTR125」限定エディション! 日本でもシルバーバックが6月入荷予定のタイ発 モンキー125カスタムコンプリート
webオートバイ
【スズキSV650】1DAYインプレッション 程よき刺激&パワーのミドルVツインを惜別試乗・前編
【スズキSV650】1DAYインプレッション 程よき刺激&パワーのミドルVツインを惜別試乗・前編
モーサイ
注目のヤマハ新型「XSR155」まもなく発売 人気のネオレトロ「XSR125」の扱いやすさはそのままに 高速も走れちゃう“軽二輪”に進化 ネットで寄せられる声とは
注目のヤマハ新型「XSR155」まもなく発売 人気のネオレトロ「XSR125」の扱いやすさはそのままに 高速も走れちゃう“軽二輪”に進化 ネットで寄せられる声とは
VAGUE
羨望のナナハン・レプリカ(1985-1989年)【BOTY・青春バイク・カルチャー伝】
羨望のナナハン・レプリカ(1985-1989年)【BOTY・青春バイク・カルチャー伝】
webオートバイ
ひとクラス上のゆとりを追い求めた、ホンダ アコード【名車の生い立ち】
ひとクラス上のゆとりを追い求めた、ホンダ アコード【名車の生い立ち】
グーネット
「ホンダディーラーが魔改造?!」最新755ccツインをベースに独創のカスタム10選! “Wheels & Waves 2026”で世界一を決める!!
「ホンダディーラーが魔改造?!」最新755ccツインをベースに独創のカスタム10選! “Wheels & Waves 2026”で世界一を決める!!
webオートバイ
2026年に還暦を迎えるアイコンモデル アルファロメオ スパイダー、ランボルギーニ400GT、ホンダS800、その他11台を紹介!
2026年に還暦を迎えるアイコンモデル アルファロメオ スパイダー、ランボルギーニ400GT、ホンダS800、その他11台を紹介!
AutoBild Japan
【日本にも欲しい原2モデル!】ホンダ「Hoo Ride」はADV系とはひと味違うアドベンチャー・スクーター!【世界でがんばる!! 日本メーカーの珍車大図鑑 Vol.33】
【日本にも欲しい原2モデル!】ホンダ「Hoo Ride」はADV系とはひと味違うアドベンチャー・スクーター!【世界でがんばる!! 日本メーカーの珍車大図鑑 Vol.33】
webオートバイ
足つき抜群の119kgボディにABSをプラス! キャブ車なのに近代的な安心感。スズキ「GN125 ABS」に2027年モデルが登場【海外】
足つき抜群の119kgボディにABSをプラス! キャブ車なのに近代的な安心感。スズキ「GN125 ABS」に2027年モデルが登場【海外】
WEBヤングマシン
ロータス・エスプリから初代スズキ・セルボまで 巨匠ジョルジェット・ジウジアーロの傑作 50選(中編)
ロータス・エスプリから初代スズキ・セルボまで 巨匠ジョルジェット・ジウジアーロの傑作 50選(中編)
AUTOCAR JAPAN
果たして7200万円の価値を見いだせるか? フォードの庶民車「エスコート」を現代技術でレストモッドした「エスコートMk1 RS」の気になる中身
果たして7200万円の価値を見いだせるか? フォードの庶民車「エスコート」を現代技術でレストモッドした「エスコートMk1 RS」の気になる中身
WEB CARTOP
稀代の名車「40系ランクル」が完全新金型の1/64ミニカーで蘇る。トミーテックから11月発売、こだわりのサス可動ギミック搭載【LE VOLANT モデルカー俱楽部】
稀代の名車「40系ランクル」が完全新金型の1/64ミニカーで蘇る。トミーテックから11月発売、こだわりのサス可動ギミック搭載【LE VOLANT モデルカー俱楽部】
LEVOLANT
4代目『ホンダ・インサイト』に込められた作り手の思い(前編) 日本から持ち込まれた『匠の技術』
4代目『ホンダ・インサイト』に込められた作り手の思い(前編) 日本から持ち込まれた『匠の技術』
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

23件
  • wke********
    オセアニア仕様のCT110は、2012年まで大津町の本田技研で作っていました。以前、猟期に大津町の隣町のコンビニ駐車場で握り飯食べていたら年配の方が「おぉ~懐かしい、これ私が設計したんですよ、まだあったんですね」と狩猟の足だったCT110に駆け寄り感激されていました。
  • bht********
    違う、そうじゃない
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

386 . 9万円 488 . 1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

42 . 0万円 399 . 0万円

中古車を検索
レクサス CTの買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

386 . 9万円 488 . 1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

42 . 0万円 399 . 0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村