2月7~8日に岡山国際サーキットで開催されているスーパーGT GT500クラス参戦3メーカーによるメーカーテスト。トヨタ陣営の38号車TGR TEAM KeePer CERUMOには、2024年シーズンからチームに加入した大湯都史樹が参加し、メーカー移籍後初めてGRスープラをドライブした。
今季2024年はTOYOTA GAZOO Racingに移籍し、心機一転で国内トップカテゴリーを戦う大湯。すでにスーパーフォーミュラは昨年12月の合同テストにCERUMO・INGINGから参加済みの大湯だが、スーパーGTにおいては1月後半に行われたセパンテストには参加しておらず、今回の岡山メーカーテストがトヨタ陣営移籍後の完全な初参加となる。
9台のGT500車両が参加するメーカーテストが岡山国際サーキットで開催。難しい天候のなか走行を重ねる
チームのSNSにはファクトリーでのシート合わせの様子が公開されており、それを見ると新体制でも早速、雰囲気の良さが感じ取れるCERUMO陣営。改めてチームの雰囲気を大湯に聞くと「CERUMOというチームは仕事の仕方が洗練されていて、何かハプニングがあってもすぐに対応できる強さを持っています」と語った。
ファクトリーでの入念な準備作業を経て迎えた岡山メーカーテストで、大湯は初日の2セッションで38号車GRスープラのステアリングを握った。「昨年まで乗っていたNSXとは、だいぶクルマとして違います」とGRスープラの第一印象を語る大湯。
「まずはストレートの伸び方ですね。エンジン、ドラッグ(空気抵抗)という部分を含めたところの違いを感じました。コーナリング特性という部分では、NSX-GTは高速コーナーが強かったのですけど、GRスープラは低速コーナーが強いという印象です」
7日の午後はセッション開始直後に降り始めた雨と霙で完全なウエット路面での走行となった。ただ、ウエットになったことで悲観はせず、むしろ新しい課題が見えたという。
「正直、ウエットはタイヤに左右される部分が強いので、ウエットではそこまで変な違いは感じませんでした。ですが、クルマの特性として違う部分があるので、そのアジャストには若干戸惑いましたけど、38号車が課題としていた部分も見えてきているので、今後が楽しみです」
その38号車を走らせるTGR TEAM KeePer CERUMOで大湯のパートナーとなるのが、ベテランの石浦宏明だ。スーパーフォーミュラでは2014年から、スーパーGTでは2015年からCERUMOと関係がある“石浦先輩”には「いろいろと教えていただいている」と大湯。
「現段階では『チームと(ドライバーは)どうあるべきか』というところを見せてもらっている最中です。その部分を勉強しながら過ごしていますし、石浦さんはすごく優しい先輩なので、本当に和気あいあいとやっています」
また、GT500のCERUMOには新たに立場が変わった重要なキーパーソンがいる。それは1999年のチーム加入以降、昨シーズンのスーパーGTドライバー引退までをCERUMOで過ごし、スーパーフォーミュラに続いて、今季からGT500でも監督としてチームを率いる立場になった立川祐路監督だ。
「すでにスーパーフォーミュラでは監督をしているので、皆さんからの信頼は厚いと思いますし、その下で走れるのは非常に光栄です」と立川監督を称す大湯。
「チームからの信頼感をすごく感じていますし、それは『立川さんだから』という部分が大きくあると思います。そういった部分では僕にとって偉大な監督であり、ドライバー目線に立てる監督だと思っています」
また、チームとコミュニケーションを重ねていくなかで、立川監督は「すごく親しみやすい」という“新たな印象”を感じとった大湯。そんな立川監督のもとでGRスープラを走らせる2024年シーズンは「38号車はここ数年優勝やポールポジションを得られておらず、苦戦を強いられている現状を何とか打開したいです」と意気込む。
「僕がチームに加入しても『何も変わらなかった』ということにはしたくありません。しっかり着実に自分ができることを貢献していき、今年は優勝もしくはポールポジションを獲って、まず存在感を見せつけたいです」
2024年はチーム体制のみならず、メインスポンサーが変わる変革のシーズンとなるTGR TEAM KeePer CERUMO。2019年第2戦富士以来となる優勝を手にするために、チーム一丸での戦いは続く。
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