現在GASGASからMotoGPに参戦しているポル・エスパルガロは、ホンダへ移籍した時のことを振り返り、テスト漬けで“負担が大きかった”KTM時代の経験は必要なモノだったと考えられるようになったと話した。
エスパルガロはKTMがMotoGPクラスへの参戦を開始したタイミングで、それまで所属していたテック3・ヤマハから移籍。チームと共にマシン開発に邁進していた。ただマシンの戦闘力も上がってきた時期の2021年、彼はホンダへ移籍することを選んだ。
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しかしホンダに加入したエスパルガロは大苦戦。結局2023年にはKTM陣営に出戻ることになり、GASGASのライダーを務めることになった。
近年はホンダとヤマハの日本メーカーが苦戦しているため、欧州勢との比較が語られることも多く、その中では日本企業的な働き方による反応の遅さを指摘する声もある。
エスパルガロはホンダに移籍した際、KTMのテスト回数や新パーツの投入速度が恋しくなったと語る。なおKTMは当時コンセッション(優遇措置)の適用メーカーだったため、プライベートテストなどをホンダよりも多く実施できたという事情もある。
「僕がKTMを去った頃、負荷がかかりすぎていたよ」
ホンダからKTMに戻って来た時のことを聞くと、エスパルガロはそう答えた。
「特に(KTMでの)最初の3年間は狂気じみていて、レースによっては週末に2種類のシャシーをテストしていたくらいだ。つまり、僕らは信じられないほどのリスクを負っていたということだ」
「同時に、新しいことに挑戦するつもりなのに、何も答えが見つからないという週末も相当にストレスになっていた。そしてホンダへと移籍すると、たくさんのテストが僕を”生かして”くれていたことに気がついた」
「全てが遅くなり、良い結果も得られないと、テストがどれほど恋しいものか分かるんだ。そうなればお尻に火がつくよ」
なおエスパルガロは今季開幕戦でクラッシュして大怪我を負ってしまい、シーズン前半9戦を欠場することとなってしまった。この影響もありエスパルガロは、来季のシートを喪失する可能性もあると見られている。KTMが契約しているライダーの数に対し、MotoGPクラスの同陣営のシートの数が不足しているのだ。
しかし本人は来季も契約がある(エスパルガロは2023年から2年契約)ため、心配することはないと今まで通りの主張を繰り返した。
「話は分かるけど、そういうのは全部メディアが生み出しているものだよ」
エスパルガロはそう語る。
「僕はそのことについて考えてはいないし、自分の将来が危機にさらされているとは思っていない。誰も僕にそんなコトは言っていないし、僕には契約がある」
「つまり、ペッコ(フランチェスコ・バニャイヤ/ドゥカティ)のところへ向かって、『やあ、この先どうなるの?』と聞くようなものだ。ペッコは契約があるのにね」
「だから僕の場合も全く同じだ。僕らは何度もこの質問に答えてきたけど、答える必要があるのはメーカーのオーナーであり、僕らもライダーでもない」
「契約を結んでいることにとても満足しているし、それが大事なことだ」
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