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アルピナの系譜を継ぐ99台 ボーフェンジーペン・ザガート(2) 一族の哲学がMモデルと融合 伝統を重んじた未来へ

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アルピナの系譜を継ぐ99台 ボーフェンジーペン・ザガート(2) 一族の哲学がMモデルと融合 伝統を重んじた未来へ

BMW M4をベースに610psと71.2kg-m

アルピナと別れを告げたボーフェンジーペン家がリリースした、ボーフェンジーペン・ザガート。ダッシュボード上には、ベースとなったBMW M4 コンペティション・コンバーチブルと同じ、カーブを描いたモニターパネルが鎮座している。

【画像】一家の哲学がMへ融合 ボーフェンジーペン・ザガート ベースのM4 ビジョン・アルピナと05 GTも 全99枚

優美なスタイリングやインテリアと調和しにくい、その黒い平面へ立体感を与えるべく、控えめなカウルが被されている。ステアリングホイールの裏には、アルミ製のシフトパドル。ゴムで覆われたM4のアイテムより、感触は遥かに良い。

3.0L直列6気筒エンジンを始動すると、ややこもった音色のサウンドが盛大に放たれる。その音質は明らかにBMWのS58ユニットのものだが、アクラポビッチ社製のチタンエグゾーストらしい、ザラついた高音が重なる。

吸排気系と電子制御の改良で、最高出力は541psから610psへ上昇。最大トルクも、66.1kg-mから71.2kg-mへ太くなった。だが前後のトルク分配は、通常のM4 コンペティションと変わらない。Mディファレンシャルや、スタビリティ・コントロールも。

一族の哲学が融合した無二のグランドツアラー

ザガートの車重は1875kgあるが、パワーウエイトレシオは325ps/tで、ポルシェ911 カレラGTSを凌駕する。四輪駆動で、0-100km/h加速は3.3秒とのこと。少し、控えめな計測値に思える。

ダンパーはビルシュタイン・ダンプトロニックで、スプリングはアイバッハの専用開発品。スタビライザーは、細身のものへ変更されている。M4由来の3段階のダンパー・モードは継承されているが、より能力の幅を広げるべく、チューニングを受けている。

アルピナの伝統を重んじつつ、現CEOのアンドレアス・ボーヴェンジーペン氏は、Mモデルを素材に魅力を引き出したといえる。だが彼は、M4が完璧だとも表現している。ドライブトレインやシャシー、冷却系の強化は不要だったという。

果たして、一族の哲学が融合したザガートは、無二のグランドツアラー。よりリラックスした、二面性あるMモデルのように仕上がっている。

右足を傾けた瞬間に顕になる驚異的な速さ

オーストリアの、ザルツブルクリンク・サーキットへコースイン。路面は呆れるほど荒れているが、右足を傾けた瞬間に驚異的な速さが顕になる。ここを250km/h以上で疾走できるとすれば、安定性の高さも間違いないだろう。

しなやかなサスペンションは、ストロークの長さを実感させる。ホイールが受ける衝撃も、軽減されている。操縦性はよりニュートラルで、テールスライドは穏やかだ。

コーナーでは予想以上に上下動が大きく、ステアリングホイールは、より意欲的に回す必要がある。しかし加減速時の挙動は安定し、全体的な重厚感と相まって、トルクフルなグランドツアラーというコンセプトが理想的に具現化されている。

ベースはM4 クーペではなく、コンバーチブルなため、僅かにボディ剛性の限界が垣間見れる。優雅なダブルバブルルーフとの、トレードオフといえる。

フェラーリ550 マラネロの再来と表現したい

あいにく今回の試乗では、RWDモードにし、コースを思い切り攻め込むことは叶わなかった。時間は限られ、先導車に続く必要があったからだ。

それでもFR状態に切り替え、ダンパーをスポーツプラス・モードにすれば、公道で流暢な運転体験に魅了されるであろうことは想像に難くない。天候不問の、高速クルーザーになるであろうことも。

乗り心地は、確かに通常のM4より優しい。しかし、根底には同等の締りがある。それが、高い一体感と精緻な操縦性を生んでいる。より親しみを持てる体験でもあり、豊かなトルクと相まって、フェラーリ550 マラネロの再来と表現したくなる。

生産数は99台限り。いつか自由に走らせてみたいところだが、叶うだろうか。極めて美しく仕上げられ、トラッドな系譜を受け継ぐクーペを堪能できる人は、幸運といえる。ボーヴェンジーペン家は、伝統を重んじた未来へ進み始めた。

ボーフェンジーペン・ザガート(欧州仕様)のスペック

英国価格:約31万9000ポンド(約6699万円)
全長:4943mm
全幅:1913mm
全高:1394mm
最高速度:299km/h以上
0-100km/h加速:3.3秒
燃費:9.6km/L
CO2排出量:235g/km
車両重量:1875kg
パワートレイン:直列6気筒2993cc ツインターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:610ps/7200rpm
最大トルク:71.2kg-m/2500rpm
ギアボックス:8速オートマティック/四輪駆動

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
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みんなのコメント

2件
  • tos********
    見た瞬間、これ欲しい、って思った。でも値段見て、かなり遠い所に有ることを理解した。悲しい。
  • Value Creation
    BMWのデザイナーはこの車でデザインの勉強をするべきである
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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