後輪駆動の軽量化モデル
英国在住のピーター・ディーツさんが所有する右ハンドル、英国登録の『ランボルギーニ・ディアブロ』の走行距離計は8万3000を示しているが、これはマイルではなくkm(キロメートル)だ。
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奇妙なことに、1999年以前のディアブロのほとんどはスピードメーターに「MPH」と「KPH」の両方が表示されているが、走行距離計は常にkm単位だった。マイルを使う英国人には馴染みにくい。
ピーターさんにこのクルマで走った距離を尋ねると、彼は少々紛らわしいことに「2万km」と答える。しかし、英国人の筆者が電卓を取り出す間もなく、彼は親切にも「1万2000マイルですよ」と換算値を教えてくれた。
ピーターさんのディアブロはSV仕様だ。
「SVというのは『スーパー・ヴェローチェ』の頭文字です。これは、1990年に後輪駆動で発売された通常のディアブロの軽量バージョンです。ディアブロは非常に人気がありましたが、英国への供給台数は限られていました。1993年には、より高価な四輪駆動のディアブロVTが発売されています」と彼は説明する。
当時、英国の輸入代理店であるポートマン・ランボルギーニに勤めていたピーター・レナード・モーガンという人物が、ランボルギーニに対して後輪駆動のディアブロのクラブ仕様を開発するよう提案した。ランボルギーニは同意し、こうしてSVが誕生した。
イタリア製スーパーカーを乗り継ぐ
SVは軽量部品に加え、限定生産のレーシングカーであるディアブロSE30イオタで初めて採用されたルーフスクープ、スプリットリムホイール、独自のスポイラーとフロントバンパー、そして高出力のエンジンといった特徴を備えている。
「SVはVTより安かったんですが、よりスポーティな性格を持ちながらも、通常のディアブロよりも安かったんですよ!」
ピーターさんがSVを購入したのは6年余り前の2019年11月のことだが、これが人生初めてのスーパーカーというわけではない。4年間ランボルギーニ・ガヤルド・スーパーレッジェーラを所有しており、その前はフェラーリ・テスタロッサを12年間所有していた。驚くべきことに、彼はそれらを毎日乗り回していたという。テスタロッサの購入価格はわずか2万1000ポンド(約460万円)だったそうだ。
「当時、テスタロッサは人気がなかったんです。わたしのクルマは黄色い左ハンドル車でしたから、余計に人気が低かったのでしょう。元々は白でしたが、塗り替えられていました。でも、わたしは大好きでしたよ」
ピーターさんにとって幸いなことに、テスタロッサの価値は最終的に「狂ったように」高騰した。
「テスタロッサを売却し、代わりにシリーズ1のガヤルド・スーパーレッジェーラを手に入れることができました。これは史上最も過小評価されているスーパーカーの1つだと思います。驚異的なクルマでした。その後、ディアブロSVが売りに出されているのを見つけたんです。手持ちの現金を少し足して、10万5000ポンド(約2300万円)で買いました。それ以来、価値はかなり上がっています」
どんな天候でも運転する!
筆者がピーターさんにお会いした時は雨が降っていたが、雨天だからといってディアブロを運転しない理由にはならないという。
「ガレージに保管していますが、ただの飾り物ではありません。どんな天候でも運転します。もう生産から30年近く経つので、多少の手入れは必要でしたが、幸い、わたしはスーパーカーの整備、修理、修復を専門とする会社に勤めているんです。だからといって、無料で何かしてもらえるわけではありませんよ!」
今や、ピーターさんのSVは多くの注目を集めている。取材の最中にも、ある親子が、開いたシザードア越しに運転席を覗き込んでいた。息子は無表情に眺めていたが、父親の方がずっと興奮していたようだ(記事冒頭の写真)。
聞くまでもないかもしれないが、最後に1つだけ質問をしてみる。ディアブロSVの運転感覚はどんなものですか?
「サイズと視界の悪さに慣れさえすれば、完璧です」とピーターさんは答える。
「駐車は面白いですよ。まっすぐに停めることなんて到底無理ですからね! 車幅制限のある場所には停められませんし、スピードバンプも斜めに乗り越えなきゃいけません」
それが『偉大さの代償』なのだ。
*翻訳者注釈:最後のフレーズは英国のウィンストン・チャーチル元首相の発言として知られる『The price of greatness is responsibility. (偉大さの代償は責任である)』に由来する……と思われます。あくまで推測ですが。
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