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【全ドライバー独自採点&ベスト5/F1第8戦】冷静さと完璧さで母国初勝利を達成したルクレール。角田裕毅の成熟度

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【全ドライバー独自採点&ベスト5/F1第8戦】冷静さと完璧さで母国初勝利を達成したルクレール。角田裕毅の成熟度

 長年F1を取材しているベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏が、全20人のドライバーのグランプリウイークエンドの戦いを詳細にチェック、独自の視点でそれぞれを10段階で評価し、ベスト5のドライバーを選出した。今回はモナコGPの週末を振り返る。

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【全ドライバー独自採点&ベスト5/F1第7戦】初挑戦の難コースで輝いたピアストリ。1周の速さでメルセデスと競える角田

 モナコほど、ドライバーのパフォーマンスのレベルを分けるトラックは他にない。週末のどの時点でも、ちょっとしたミスが悲惨な結果を招く可能性がある。容赦のないこのトラックは、FP1の初めからレースの最後まで、一切ミスをしない者にのみ、良い結果をもたらす。

【2024年F1第8戦モナコGP ベスト5ドライバー】

■評価 10/10:完璧な週末でホームウインを達成したルクレール
シャルル・ルクレール(フェラーリ):予選1番手/決勝1位

 ホームレースで、シャルル・ルクレール(フェラーリ)はまさに完璧な週末を過ごした。FP1でミディアムタイヤで記録したラップタイムで、週末を支配する兆候を感じさせた。Q1ではマシンの下からプラスチックを取り除くためにピットインしなければならなかったが、そんな時でも動揺を見せなかった。Q3の2周はポールポジションに十分なもので、決勝では2回のスタートを完璧にこなし、レースを完全に支配して、勝利を収めた。

■評価 10/10:2度目の挑戦でチームメイトを上回ったピアストリ
オスカー・ピアストリ(マクラーレン):予選2番手/決勝2位

 ルクレールに唯一匹敵したドライバーはオスカー・ピアストリ(マクラーレン)だった。モナコをF1で走るのが2回目でありながら、常にチームメイトより速く、唯一のつまずきは、最初のスタートでカルロス・サインツからの攻撃に対してディフェンスしなければならなかったことだ。しかし2回目のスタートはうまくいき、その後、ルクレールを追い続け、ポルティエでは大胆に仕掛ける場面も見せ、ルクレールにペースを上げさせた。タイヤの温度が落ちたなかで、最後の10周、サインツの攻撃をうまく防いだ。

■評価 9/10:焦らずミスなく戦ったノリス
ランド・ノリス(マクラーレン):予選4番手/決勝4位

 ランド・ノリス(マクラーレン)は週末を通してチームメイトから少しだけ遅れていたが、それでも無理をしたり、自分の限界を超えて走ろうとすることはなかった。決勝ではサインツに前を塞がれており、フリーストップの現実的なチャンスもなく、4位でフィニッシュした。

■評価 9/10:予選と決勝でフェルスタッペンに勝ったラッセル
ジョージ・ラッセル(メルセデス):予選5番手/決勝5位

 ジョージ・ラッセル(メルセデス)は、ひとつだけの新しいフロントウイングの恩恵も受けて、チームメイトを上回り、ほぼ完璧な仕事を成し遂げた。フェラーリやマクラーレンと戦えるマシンはなかったものの、今年初めてレッドブル&マックス・フェルスタッペンに勝つチャンスが訪れ、ラッセルは予選と決勝でそれを逃さなかった。

■評価 9/10:成熟した走りを見せた角田裕毅
角田裕毅(RB):予選8番手/決勝8位

 角田裕毅(RB)は今回もミッドフィールドのリーダーであり、レースを通して成熟した戦いをし、チャンピオンシップ10位のポジションを固めた。予選Q3では、アレクサンダー・アルボンの挑戦を退けた。決勝では直接のライバルがフリーストップできないよう、レースペースをできる限り遅く保って走り続け、終盤、ペースを上げる許可を得た後は、速さを見せた。昨年終盤と比べてもはるかに成熟したドライバーになったことを、今回も示した。

【ベスト6以下のドライバーとその戦い】

アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ):予選9番手/決勝9位
=評価 9/10:週末を通してほぼ完璧。ウイリアムズに2ポイントをもたらした。

カルロス・サインツ(フェラーリ):予選3番手/決勝3位
=評価 8/10:予選でも決勝でもトップ3に入り、ミスもなかった。ただルクレールと同じレベルには達しなかった。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル):予選6番手/決勝6位
=評価 8/10:バンプと縁石を嫌うマシンで最善を尽くした。Q3最終ラップの初めにミスを犯したことで、トップ3フィニッシュを逃した。

ルイス・ハミルトン(メルセデス):予選7番手/決勝7位
=評価 8/10:週末を通して堅実なパフォーマンスを見せたものの、Q3最後のラップをうまくまとめることができず、その結果、予選と決勝でチームメイトの後塵を拝する結果になった。

ピエール・ガスリー(アルピーヌ):予選10番手/決勝10位
=評価 8/10:予選Q3でのミスがなければ、もっと高い点数をつけたいところだった。素晴らしい仕事をして、今年初めてのポイントをつかんだ。

ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース):予選失格(12番手タイム記録)/決勝リタイア
=評価 7/10:予選で良い仕事をしたが、決勝スタート直後に、ケビン・マグヌッセンとセルジオ・ペレスのミスの犠牲になり、リタイアしなければならなかった。

ダニエル・リカルド(RB):予選12番手/決勝12位
=評価 6/10:角田と比べると成績は劣るものの、決勝中、フェルナンド・アロンソに抑え続けられ、フラストレーションを募らせながらも、一切ミスを犯さなかった。

バルテリ・ボッタス(キック・ザウバー):予選17番手/決勝13位
=評価 5/10:FP3序盤のミスにより、2点減点した。マシンにはQ2に進出できる力はなかったと思われるが、不必要なクラッシュがなければ、もっと良い結果をつかむチャンスがあったかもしれない。

ローガン・サージェント(ウイリアムズ):予選15番手/決勝15位
=評価 4/10:懸命に戦い、予選でもレースでもそれなりに良い結果を出したが、アルボンと比較すると、どうしても評価は低くなる。

ランス・ストロール(アストンマーティン):予選13番手/決勝14位
=評価 4/10:予選でチームメイトを上回った。決勝ではアロンソのチームスピリットのおかげで10位を狙える状況だったが、シケインでの小さな接触により、すべてを台無しにした。

フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン):予選14番手/決勝11位
=評価 3/10:前戦に続き精彩を欠き、キャリア最悪の時期が続いている。確かにQ1終盤にはトラフィックはあったが、それでももっと良い結果を出せたはずだ。

セルジオ・ペレス(レッドブル):予選16番手/決勝リタイア
=評価 3/10:Q1敗退というのは、レッドブルのドライバーとして許されないことだ。また、決勝最初のクラッシュは、責任のほとんどがマグヌッセンにあったとはいえ、ペレスの方も、ミラーをよく見ているべきだった。

周冠宇(キック・ザウバー):予選18番手/決勝16位
=評価 2/10:週末を通してペースが悪かった。唯一チームへの貢献となったのは、ボッタスがサージェントの前に出ることができるよう、譲ったことだった。

ケビン・マグヌッセン(ハース):予選失格(15番手タイム記録)/決勝リタイア
=評価 2/10:今回もヒュルケンベルグほどのペースがなかった。さらに決勝1周目にインシデントを引き起こした。

エステバン・オコン(アルピーヌ):予選11番手/決勝リタイア
=評価 1/10:予選は悪くなかったが、決勝1周目の愚かな動きによって、チームを全滅させるところだった。オコンはそのミスの代償を支払うことになるかもしれない。

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