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「遅すぎる」通知を疑問視/ドアに妻へのメッセージ/原因特定はマラネロでetc.【第2戦イモラ予選日Topics】

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「遅すぎる」通知を疑問視/ドアに妻へのメッセージ/原因特定はマラネロでetc.【第2戦イモラ予選日Topics】

 2月下旬に中東のカタールで開幕したWEC世界耐久選手権の2025年シーズン。その第2戦が4月18日から20日にかけて、イタリアのイモラ・サーキットで開催されている。スパ、ル・マンと続いていく“ヨーロッパ3連戦”第一ラウンドの舞台となるイモラのパドックより、予選日となった19日土曜の各種トピックをお届けする。

* * * * * * *

イモラで戦略ミスに泣いたフェラーリが成長に自信。失敗から学んだ成果を示す「絶好の機会」

 イモラ6時間レースのポールシッターとなったアントニオ・ジョビナッツィ(51号車フェラーリ499P)は、予選でアタックラップを2周終えた後、トラックリミットについて「本当に恐れていた」と認めた。「予選はかなり接戦だったし、警告が出ている状態でハイパーポールに進むのは理想的とは言えなかった。でも、またやり遂げることができたよ」

 ジョビナッツィは、フェラーリ499P以外でもっとも近いタイムを記録した、ドリス・ファントールの15号車BMW MハイブリッドV8に約1秒差をつけた。ファントールは今シーズン、WECとIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の全レースで予選トップ3以内に入るという記録を維持している。

 チームWRTの代表であるヴァンサン・ボッセはSportscar365に対し、「LMDhでポールポジションを争えたのは素晴らしい。彼は信じられないほどのラップを刻んだ」と語った。

 BMW Mモータースポーツの代表であるアンドレアス・ルースは次のように付け加えた。「ドリスは無線で『持てる力のすべてを出し切った』と言っていた」

「もしかすると、ここで100分の1秒、別の場所でもう100分の1秒縮めることができたかもしれないが、それ以上タイムを縮めることはできなかっただろう。ここでの3番手が我々にできる最大限の結果だった。少なくとも2番目のメーカーになれたことに満足している」


■直前にエンジントラブルも2番手を確保

 フェラーリの広報担当者によると、AFコルセはフリープラクティス3でトラブルが発生した後、“予防措置”として83号車499Pのエンジン交換を完了したという。トラブルの根本的な原因を特定するためのさらなる分析は、跳ね馬の本拠地であるマラネロで行われる予定だ。

 この交換作業はクビサが出場する予選に間に合うように完了し、ポーランド人ドライバーは最終的に2番手を獲得した。その後、彼はポールシッターのジョビナッツィとの0.758秒差は、チームがFP3の走行時間を短縮した結果、セットアップが最適化されていなかったことが原因だと述べ、エンジントラブルのため前夜に実施した変更を評価できず、AFコルセは予選で金曜日のセットアップに戻したと明かした。

 一方、アントニオ・フォコは50号車フェラーリがハイパーポールに進出できなかった原因となったトラックリミット違反が、バリアンテ・アルタ(ターン15/シケイン)で発生したと説明した。「今日僕が犯したミスは大きなものだったので、チーム全員に謝罪したい」と彼はSportscar365に語った。

 しかし、フォコは2周目のラップが削除されたタイミングが遅すぎたことを疑問視し、フェラーリに対応する時間がなかったと述べた。「正直に言って、少しがっかりしたのは、マシンがすでにピットレーンに入っていた時にトラックリミットが通知されたことだ」と彼は語った。「コース上にいれば、プッシュラップをもう1周する時間があったが、すでにピットに戻ってきていたため再アタックができなかった」

 12号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・ハーツ・チーム・JOTA)は、FP3の開始早々にターン18でアレックス・リンがクラッシュしたことで「甚大なダメージ」を被り、マシン右側のフロントとリアサスペンション、フロア、ボディワークが影響を受けた。Sportscar365は、マシンの車高が適正でない状態でプラクティスに出ていたことを理解している。その後、チームは予選までにマシンを修理し、リンはハイパーポールに進出して9番手のグリッドを確保した。


■サッカーで膝を負傷

 JOTA WECドライバーのアール・バンバーは、アクション・エクスプレス・レーシング(AXR)の311号車キャデラックVシリーズ.Rでル・マン24時間レースのテストデーに参加する予定だ。バンバーはIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に同チームから参戦しており、テストデーと同じ週末にDTMドイツ・ツーリングカー選手権に集中しているジャック・エイトケンの代役を務めることになる。

 バンバーはSportscar365に対し次のように語った。「ル・マンのどこかで311号車に乗っている姿を見かけるかもしれない。AXRの皆と一緒にル・マン前のシミュレーションができることを嬉しく思う。ドライバーとして、彼らと一緒に仕事をするのは本当に楽しいんだ」

 ケビン・エストーレは、スチュワードの通達により膝サポーターなしでの走行許可が下りたことを受け、サポーターなしでもレースに出場できる自信があるとSportscar365に明かした。エストーレは数週間前にサッカーの試合中に左膝を負傷していた。

 エストーレは「回復は非常に早く、素晴らしいことに順調だ」と述べた。「しかし先週の時点では、特別なサポーターを装着するという決断を下し、それを装着して走行できるようにするために、サポーターの提出などあらゆる手続きを踏まなければならなかった。だが昨日、実際にサポーターを装着して走行し、何度かドライバー交代を行った結果、サポーターは必要ないことがわかった。膝の安定性は充分だ」

 ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツのマネージングディレクターであるジョナサン・ディウグイドは、ミシュランのソフトタイヤは、にわか雨の可能性のある期間の移行期でない限り、決勝では実用的ではないと考えている。「現時点でわかっている限りでは、決勝日の降雨確率は25%だが、徐々に下がっている」と彼は予報について語った。

 ディウグイドによると、金曜日にポルシェ・ペンスキーが走らせる2台のポルシェ963のうち1台がタイヤグレイニングに遭遇したが、もう1台のファクトリーカーはソフトタイヤを装着した状態で問題なかったという。さらに、「セットアップで多少は対処できると思うが、間違いなく限界がある」と付け加えた。

 ポルシェ・ペンスキーは、来月のスパ6時間レース後からル・マンまでの間にポール・リカールで行われる2026年ミシュランタイヤテストとは別に、テストを「散りばめている」と述べた。同チームは3月にモーターランド・アラゴンで行われた32時間耐久シミュレーションテストを無事に完了している。

 ディウグイドは、「(これ以上)たくさんのサーキットテストを行うつもりはない。我々は良い状態にあると感じており、現在はマシンの準備などに重点を置いている。2月と3月の早い時期に多くの耐久テストを実施した。それを前倒しして、安心できるところまで進めてきたんだ」と語った。


■“54の男”の節目となるWECイモラ

 ベン・キーティングがドライブする33号車シボレー・コルベットZ06 GT3.Rは、土曜日に妻キャスリーンの誕生日を祝うメッセージをドアに掲示したが、イースターサンデーに予定していたふたつめのメッセージは却下されたとキーティングは明かした。彼はSportscar365に対し、「He Has Risen.(彼は復活した)」という言葉をマシンに掲示する予定だったが、マシンへの宗教的または政治的なメッセージの掲示は選手権で禁止されているため、走行を許可されないと言われたと説明した。

 ビスタAFコルセのドライバーであるトーマス・フローは今週末、記念すべき節目を迎える。イモラのレースは、これまですべてのレースを54号車フェラーリで戦ってきた彼にとって、シリーズ54回目の出場となるのだ。65歳のフローは488 GTEでデビューし、その後エボに乗り換え、昨シーズンからは296 GT3をドライブしている。彼はこれまでに3回クラス優勝を誇り、直近では昨年の富士6時間レースで優勝している。

 FIA会長メダルは今週末、優勝ドライバーに授与される。これは2022年にF1で初めて導入され、現在では他のFIA世界選手権でも行われている取り組みを拡大したものだ。この取り組みは、国際自動車連盟のモハメド・ビン・スライエム会長によって実現され、成功を祝うための「よりパーソナルで永続的な方法」として構想された。

 ビン・スライエム会長は次のように述べた。「レース中、ドライバーたちは表彰台の頂点を確保するために全力を尽くす。私は、彼らの献身とスキルを反映し、彼らの勝利を形にして示すエンブレムを作りたかった。何よりも重要なのは、このメダルが、私たちの選手権全体で進められている革新と進歩を象徴する必要があるということだ」

 FIAは最近、FIAスマートドライビングチャレンジの新しいアンバサダーラインアップを発表した。WECドライバーのイェ・イーフェイと、FIA GTワールドカップ現チャンピオンのマーロ・エンゲルがアンバサダーに就任し、FIAとともに専用FIA SDCアプリ内で安全で持続可能な運転を推進する。

 WEC第2戦『イモラ6時間レース』の決勝は、20日日曜13時(日本時間20時)にスタートが切られる予定だ。

[オートスポーツweb 2025年04月20日]

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