もくじ
ー 450psと61.1kg-mの2.9ℓV6ツインターボは不変
ー アウディらしいスマートな雰囲気の車内
ー 驚異的に速いものの運転感覚は物足りない
ー 自宅にいるかのように安楽な高速移動手段
ー アウディRS5スポーツバックのスペック
450psと61.1kg-mの2.9ℓV6ツインターボは不変
このRS5スポーツバックが発表されたのは2018年3月のニューヨーク・モーターショーだったから、既に1年以上が経過している。そして英国でRS5スポーツバックが正規に発売されるのは、今回が初めて。国際的な燃費は環境負荷試験基準、WLTPに適合させたRS5の2ドアクーペと同時のリリースとなり、英国ではアウディ・スポーツ・エディション・グレードのみの提供となる。価格は2ドア、4ドアともに同じ6万8985ポンド(938万円)から。
英国では待ちわびていたひとも多いと思うが、その要望を充分には満たせないかもしれない。英国に今年導入されるRS5は、2ドアクーペと4ドアクーペのスポーツバックともに、250台のみと発表されているのだ。
今年の500台に限っては装備されていないが、来年以降は幅広いモデルに粒子状物質を除去するガソリン・パティキュレートフィルターが搭載される見込み。環境負荷を軽減する装備ながら、もしよりガソリンエンジンの生のフィーリングを味わいたい向きには、今年中に手に入れておいた方が良いかもしれない。
最新のRS5スポーツバックが上陸するということで、技術的なスペックを見てみるものの、目新しさはあまりない。ポルシェと共同開発となる2.9ℓのV6ツインターボエンジンは、クーペと同じ450psと61.1kg-mを発生。ピークパワーが発生するのは5700rpmで、極太のトルクは1900rpmから5000rpmに渡って供給される。もちろん、この圧倒的な力はアウディ自慢のクワトロ・システムを介し、タイヤ4本へと伝えられる。
はやる気持ちを抑えつつ、路上に出てみよう。
アウディらしいスマートな雰囲気の車内
しばしば反社会的な威圧感さえ漂わせる、BMW Mやメルセデス-AMGの高性能モデルとは異なり、アウディのハイパフォーマンスモデルは、それほど人目をはばからないで済む。アウディ好みの性能重視のスタイリングは、たいてい派手といえるものではないから、歩道の視線を浴びる心配はない。
しかしRS5スポーツバックは、C63やM3よりも洗練された、ドイツ御三家の1台として見られるはず。しかも今回は20インチのアルミホイールに、深い艶のブラックトリムがボディを飾り、アウディ・スポーツ・エディションの装備でもあるスポーツエグゾーストからは元気のいい排気音を響かせる。分かるひとは振り返るに違いない。
インテリアはこれまで同様にスマートなデザインでまとめられている。ふんだんにアルカンターラとレザーが用いられ、ドイツ製のプレミアムサルーンにふさわしい空間だ。アウディの新しいモデルに導入されているデュアルスクリーンのインフォテインメント・システムは備わらず、RS5のインテリア自体は若干古びて感じられるかもしれない。しかし、実際はいまだに非常に居心地がいい空間だ。なだらかに傾斜するルーフラインを持つボディながら、車内は充分に広々している。
運転して楽しいのか、という点がAUTOCARの読者の気にするところだろう。ここ数年、我々は必ずしもアウディのハイパフォーマンス、モデルに対して必ずしもすべてに楽しいという回答はしてきていない事実がある。
100%すべてのクルマが楽しいといい切れない理由のひとつに、クワトロGmbH社がアウディスポーツへと生まれ変わった際の方針にある。スーパースポーツを生み出すのではなく、日常的なドライバーへのプレミアムスポーツを届けると、ブランドの方向性を決定したのだ。
驚異的に速いものの運転感覚は物足りない
そのような背景があってか、2代目のRS5クーペは記憶に残るほどにドライバーにとって魅力あふれる、運転感覚に優れたクルマではなかった。クルマとしては間違いなく驚異的に速く、カーブが連続するワインディングでの走りは信じられないほど。しかし、エキサイティングだったかと聞かれると、それほどでもないのが本音。そしてWLTPに適合させた新しいRS5スポーツバックも、結果としては同様の印象となる。
2.9ℓV6エンジンは極めてレスポンシブで、アウディが主張する0-100km/h加速3.9秒という数字を疑うようがないほどにパワフル。低回転域から強力にボディを引っ張り、驚くほど幅広い回転域に渡ってトルクの山が続く。加速のさなか、変速はココぞというタイミングでスコンと決まり、その動作も非常に精巧だ。
ドライブトレインが響かせるサウンドトラックも、スポーティ、と表現するのすら控えめに感じるほど。ただし、かつて初代が搭載していた4.2ℓのV8の響きと比べてしまうと、どうしても迫力や陶酔感には欠けている。ステアリングフィールは、アウディの典型とも呼ぶべき、無感覚なもの。しかも時折ステアリングへの入力に対して、レスポンスが合致していないように感じる瞬間もある。
だが感覚的な部分を切り離せば、RS5スポーツバックは高次元のダイナミクス性能によって、ドライバーへの確かな自信を与えてくれる。完全に心が奪われるほどではないにしろ。だが、ペースを可能な限り高めていった時の、確実な身のこなしには、間違いなく深い感銘を覚えるだろう。
自宅にいるかのように安楽な高速移動手段
ニュルブルクリンク周辺の丘陵地帯に広がる、蛇のように曲がりくねった道でも、圧倒的に速く、破綻することなく走り回ることができた。クルマとしての表現力には乏しいかもしれないが、極めて安定しており、ポーカーフェイスな性格に変わりはない。
もしもレスポンスに優れたスリリングなスポーツカーをお探しなら、BMW M3やアルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ、メルセデス-AMG C63などを選んだほうが良いだろう。一方で、路面状態や距離を問わず、少しでも速く、心が乱されることなく走破したいのなら、RS5スポーツバックは期待通りの選択肢となるだろう。他のライバルよりも優れた長距離クルーザーだ。
ドイツから英国へ、RS5スポーツバックを運転して戻ってくる道中でも、比較的高い速度で長時間運転していたのにも関わらず、まるで自宅にいるかのように静かで快適に過ごすことができた。路面の傷んだ区間を通過したことすら、ほとんど気づくことなく。
しかし自分でRS5を選ぶかと聞かれると、今の状態だと少し悩む。もしステアリングフィールがより豊かで、自由度の高いハンドリングを備え、エンジンの個性が明確なら、という条件付きになってしまう。もしそれがすべて実現していたのなら、アウディRS5スポーツバックは心から楽しむことができるクルマとなるだろう。
アウディRS5スポーツバックのスペック
価格:6万8985ポンド(938万円)
全長×全幅×全高:4783✕1865✕1389mm
最高速度:280km/h(リミッター)
0-100km/h加速:3.9秒
燃費:10.5km/ℓ
CO2排出量:-
乾燥重量:1720kg
パワートレイン:V型6気筒2894ccツインターボ
使用燃料:ガソリン
最高出力:450ps/5700-6700rpm
最大トルク:61.1kg-m/1900-5000rpm
ギアボックス:8速オートマティック
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