現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > アウディが発表する新型ピュアEV、Q4 e-tronは小さくて広い! 小川フミオが特徴を解説

ここから本文です

アウディが発表する新型ピュアEV、Q4 e-tronは小さくて広い! 小川フミオが特徴を解説

掲載 更新
アウディが発表する新型ピュアEV、Q4 e-tronは小さくて広い! 小川フミオが特徴を解説

Audi Q4 e-tron

アウディ Q4 e-tron

ポルシェがリマック・アウトモビリに7000万ユーロを追加出資。生産車用コンポーネントも発注

先進デジタルを満載したコンパクトSUV型BEV

アウディは、ピュアEVで大攻勢をかけてきている。2021年3月9日に、全長4.6メートル、全高1.6メートルのSUV型ピュアEV「Q4 e-tron」を発表。11.6インチの大型タッチスクリーンと、AR技術をフルに使ったディスプレイも話題を呼んでいる。

「いいデザインとは、審美性にすぐれるとともに、機能的であることです」。アウディデザインを統括するマルク・リヒテ氏は、e-tron SUV、e-tronスポーツバック、e-tron GTと、立て続けに発表されたアウディのBEV(バッテリー駆動SUV)のデザインコンセプトを説明している。

「Q3」に近いボディサイズ

まずジャーナリスト向けにオンラインで公開されたQ4 e-tronのスタイリングは、まだ偽装のためのラッピングが施されている状態。なので、ボディ面の作りやキャラクターラインのハイライトなど、はっきりしたところはわかりにくい。それでも、アグレッシブな雰囲気すらもつダミーグリルに、かなりのショートノーズとショートデッキなどは特徴的だ。1.5ボックスともいえるプロポーションながら、大径タイヤでスポーティに見える大胆なスタイリングである。

ボディのディメンションは、全長4590ミリ、全幅1865ミリ、全高1613ミリ。土台はフォルクスワーゲン「ID.シリーズ」と共用のMEBプラットフォームだ。駆動用バッテリーの出力は、比較的大きな77kWhといわれており、最大航続距離は400kmだとか。

後席空間も荷室もゆったり広々

欧州で競合をさがすと、ボルボのSUVであるXC40 Rechargeがまず思いつく。78kWhのバッテリーで、航続距離が400km。全長は4425mmとボルボのほうが市街地で扱いやすそうである一方、Q4 e-tronは520リットルもの荷室容量を確保するなど、キャパシティを増やすことに重点を置いているのが特徴だ。

ドライブシャフトをもたなくてよいBEVの利点を活かして、室内は広々とデザインされている。ドアの開口部は大きく、シートの着座位置はやや高めに。後席の着座位置を前席より8cm高くする、いわゆるシアターコンセプトが採用されていて、後席にいても広い前方視界が確保されるという。大きな荷室とともに、ファミリーカーと定義されるQ4 e-tronにとって、居心地のよさは、重要な“機能”なのだ。

リサイクル材を積極的に使用

ダッシュボードの造型は、最大で11.6インチの液晶モニターを中央にすえたもので、全体に(1980年代までのBMW車のように)強くドライバーのほうに角度をつけられている。もちろん操作性のためである。一方、ブラックで統一された仕様をみると、けっこうスポーティな印象が強い。

シート表皮はレザーの用意がされる一方、あえて合成繊維を使った、いわゆるレザーフリーの内装も選べる。ほとんどの素材はリサイクルされたもので、BEVに興味をもつひとが、同時に環境問題に意識的という事実を勘案してのことだろう。

「ヘイ、アウディ」で起動する対話型音声機能も

デジタル技術は、惜しみなく採り入れられている。アウディ車でおなじみの「バーチャルコクピット」をはじめ、「MMI」タッチディスプレイ、対話型音声コントロール、それにAR(アーギュメンテッドリアリティ)が、Q4 e-tronにおける注目してほしい4つのデジタル技術、とアウディではする。加えて、タッチ操作機能をもった新デザインのステアリングホイール、さらに「ヘイ、アウディ」で起動する対話型音声コントロールシステムも用意されるのだ。

現実の風景+バーチャル情報で誘導するナビ

ウインドシールドを使ったヘッドアップディスプレイと組み合わされたAR技術は、たとえば、ナビゲーションシステムの利便性を高めている。ガイダンスを起動させていると、たとえば曲がるべき交差点10メートル手前で現れた矢印が、アニメーションのように動いてドライバーを誘導してくれる。

メルセデス・ベンツが2020年にマイナーチェンジしたEクラスや、2021年に日本発売が開始された新型Sクラスにも、同様のARナビゲーションシステムが採用されている。アウディのインターフェースは実車では未体験であるものの、おそらく使い勝手がよさそうだ。

環境施策でも「技術による先進」を

アウディAG(本社)の幹部がことあるごとに言うのは「Future is electric」という言葉である。直訳すれば、(企業の)未来は電気(自動車)にある、という意味だろう。2030年までにEVを30車種そろえ、「温室効果ガスの排出を(2015年比で)30パーセント削減します」とアウディAGでロジスティクスを担当するボードメンバーのペーター・ケスラー氏はかつて語っている。

アウディがサプライヤー(部品供給業者)とともに急ピッチで進める脱炭素政策の先にある、クリーンなクルマ生産、を意味しているように思われる。これも技術による先進をめざすアウディらしいありかたではないか。

完成車の輸送には鉄道も活用

アウディ本体では現在、ベルギーとハンガリーにもつ工場で、温室効果ガスの劇的な削減を実行。太陽光発電や地熱発電を積極的に利用するよう全体を再設計し、結果、CO2ニュートラル(排出と吸収のバランス)を達成している。ドイツの工場では、完成車を積み出し港へと運ぶのに、鉄道を使用。かつ、ドイツ鉄道と協力して温室効果ガス排出の少ない「DBエコプラス」なるものへとシフトしている。これによって年に1万3000立方mのCO2削減という結果が出ているそうだ。

電気時代にこそ期待できる「伝家の宝刀」

ただし電気のおもしろさはそれだけではないようだ。エレクトリックとは、「電気」と「刺激的」という2つの意味がある。それをアウディでは意識しているのだ。これはかつて、2019年のジュネーブ自動車ショーで、e-tron GTのプロトタイプなどを公開した際、アウディAGの幹部が私に語ってくれたことでもある。

モーターを使うことでちみつな制御が可能となり、たとえばインホイールモーター技術で、4つの車輪を個々にモーターでコントロールすれば、従来にはなかった操縦性をもつクルマが作れる。アウディでは口にしていないものの、あたらしい時代の「クワトロ」ともいえる。

REPORT/小川フミオ(Fumio OGAWA)

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

新潟~青森直結 壮大な「日本海東北道」全通まであと少し!? 約320kmの「すごい高速」最後の未開通部どこまで工事進んだ?
新潟~青森直結 壮大な「日本海東北道」全通まであと少し!? 約320kmの「すごい高速」最後の未開通部どこまで工事進んだ?
くるまのニュース
F1ラスベガスGP予選速報|ラッセルPP獲得! ガスリーが驚きの3番手。角田裕毅も7番手と好結果
F1ラスベガスGP予選速報|ラッセルPP獲得! ガスリーが驚きの3番手。角田裕毅も7番手と好結果
motorsport.com 日本版
ヒョンデ、旗艦EVの『アイオニック5』を刷新。次世代800V電源システムで航続距離は703kmに延伸
ヒョンデ、旗艦EVの『アイオニック5』を刷新。次世代800V電源システムで航続距離は703kmに延伸
AUTOSPORT web
名神ICに直結! 「彦根お城トンネル」が12月開通 高速道路から市中心部へ一気にワープ
名神ICに直結! 「彦根お城トンネル」が12月開通 高速道路から市中心部へ一気にワープ
乗りものニュース
ホンダ斬新「オデッセイSUV!?」に大反響! 「V6ワゴン」から進化の“最上級クーペSUV”に「カッコイイ」「モダンな見た目」の声も! 13年ぶりの「アヴァンシア」がスゴイ!
ホンダ斬新「オデッセイSUV!?」に大反響! 「V6ワゴン」から進化の“最上級クーペSUV”に「カッコイイ」「モダンな見た目」の声も! 13年ぶりの「アヴァンシア」がスゴイ!
くるまのニュース
ロバート・クビサ、2025年も3台目のフェラーリ499Pをドライブへ。AFコルセ残留が決定
ロバート・クビサ、2025年も3台目のフェラーリ499Pをドライブへ。AFコルセ残留が決定
AUTOSPORT web
アルファ・ロメオ・トナーレでジュリエッタ乗りに出会う【新米編集長コラム#9】
アルファ・ロメオ・トナーレでジュリエッタ乗りに出会う【新米編集長コラム#9】
AUTOCAR JAPAN
ル・マン優勝のポルシェ「917K」がなんと550万円!? ホンダエンジンを搭載した子供向けジュニアカーの大きさは実車の7割…おもちゃにしては高すぎる!?
ル・マン優勝のポルシェ「917K」がなんと550万円!? ホンダエンジンを搭載した子供向けジュニアカーの大きさは実車の7割…おもちゃにしては高すぎる!?
Auto Messe Web
ライバルかつ僚友のトヨタWRC育成ふたりがラリージャパン初参戦。お互い「負けたくない」と意識
ライバルかつ僚友のトヨタWRC育成ふたりがラリージャパン初参戦。お互い「負けたくない」と意識
AUTOSPORT web
高性能4シーターオープン、メルセデスAMG『CLE 53カブリオレ』発売、価格は1400万円
高性能4シーターオープン、メルセデスAMG『CLE 53カブリオレ』発売、価格は1400万円
レスポンス
【特許画像リーク!】来年デビュー予定の新型「BMW iX3」のリーク画像を入手!コンセプトモデルのほぼそのまま量産される
【特許画像リーク!】来年デビュー予定の新型「BMW iX3」のリーク画像を入手!コンセプトモデルのほぼそのまま量産される
AutoBild Japan
【中国メーカー初受賞】BYDシール 「Euro Car Body 2024」車体構造デザイン部門で第3位
【中国メーカー初受賞】BYDシール 「Euro Car Body 2024」車体構造デザイン部門で第3位
AUTOCAR JAPAN
アルファロメオ『33ストラダーレ』新型、「ベスト・イン・クラシック2024」の最高賞を受賞
アルファロメオ『33ストラダーレ』新型、「ベスト・イン・クラシック2024」の最高賞を受賞
レスポンス
新車77万円! ホンダ革新的「コンパクトカー」に「安くて広くて最高!」の高評価! 全長3.7mで「フィット」より小さい“街乗り最強”モデルとは! デザイン&乗り心地も大満足
新車77万円! ホンダ革新的「コンパクトカー」に「安くて広くて最高!」の高評価! 全長3.7mで「フィット」より小さい“街乗り最強”モデルとは! デザイン&乗り心地も大満足
くるまのニュース
トヨタ新型「最小級SUV」登場か!? 「ヤリスクロス」より小さい“静音モデル”に「カッコいい!」と反響アリ! 「bZ1X」かもしれない新型車に期待大!
トヨタ新型「最小級SUV」登場か!? 「ヤリスクロス」より小さい“静音モデル”に「カッコいい!」と反響アリ! 「bZ1X」かもしれない新型車に期待大!
くるまのニュース
エバンスが0.7秒リードの接戦。トヨタ2台がパンク、ヌービルに“ノーパワー”トラブル/ラリージャパン デイ2午前
エバンスが0.7秒リードの接戦。トヨタ2台がパンク、ヌービルに“ノーパワー”トラブル/ラリージャパン デイ2午前
AUTOSPORT web
ええええぇついに最後か!? 鮮明なボディカラーに思わず見とれる!!!!!!!!! 爆速2Lターボのホットハッチ[AMG A45 S]の魅力度がマシマシ
ええええぇついに最後か!? 鮮明なボディカラーに思わず見とれる!!!!!!!!! 爆速2Lターボのホットハッチ[AMG A45 S]の魅力度がマシマシ
ベストカーWeb
なんちゃってセレブ、ヒョンデ新型「アイオニック5N」の「ファーストエディション」を激オススメ! 限定50台のうち22台が「マガリガワ クラブ」に集合!
なんちゃってセレブ、ヒョンデ新型「アイオニック5N」の「ファーストエディション」を激オススメ! 限定50台のうち22台が「マガリガワ クラブ」に集合!
Auto Messe Web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村