■輸入車でも流行中な「ブラックアウト」仕様
2025年6月11日、トヨタはミドルSUV「ハリアー」を一部改良するとともに、特別仕様車」「Z レザーパッケージ・ナイトシェード」および「Z ナイトシェード」を追加しました。
【画像】超カッコいい! これがトヨタの「“新”ハリアー」です! 画像で見る(30枚以上)
7月下旬のタイミングで販売店への反響、受注状況などを首都圏のトヨタディーラーに聞いてみました。
初代ハリアーがデビューしたのは1997年12月のこと。以来、大型本格四輪駆動車とは異なる、都会的なクロスオーバーSUVが流行することになりました。
4代目となる現行モデルのフルモデルチェンジが行われたのは2020年6月のことです。
歴代ハリアーがそうであったように、4代目ハリアーもデビュー直後から高い人気を誇っています。
しかし、フルモデルチェンジのタイミングがコロナ禍と重なったこともあり、半導体不足による新規の受注停止に追い込まれたり、大幅な納期の遅延などに翻弄された時期もあります。
デザインは歴代らしさを残しつつもクーペ味をより強め、さらに高級感を向上。走行面ではTNGA GA-Kプラットフォームの採用により、基本性能を大幅に高めています。
パワートレインは2リッターガソリン、2.5リッターガソリンハイブリッド、さらに2.5リッタープラグインハイブリッド(PHEV)を設定し、駆動方式はFFと電子制御4WD「E-Four」(PHEVはE-Fourのみ)を用意します。
今回、一部改良のタイミングに合わせて特別仕様車「Z レザーパッケージ・ナイトシェード」および「Z ナイトシェード」が発売されました。
いずれも上級グレードの「Z」と「Z レザーパッケージ」をベースとしています。
特別装備として、ダーク仕様のプロジェクター式LEDヘッドランプやブラックメタリックのフロントアッパー/ロアグリル、フロント/リアバンパーロア、ロッカーモールを装備。車名エンブレムとカーボンニュートラルバッジも専用ブラックに変更。
さらに19インチアルミホイールも専用ブラックとし、ボディパーツの各部をブラックアウトすることでより精悍さを増すだけでなく、全体的に引き締まった印象を受けます。
実はこの手法、輸入車でも行われています。
その一例として、ポルシェのターボモデル向け「ターボナイト」、メルセデス AMGの「AMGナイトパッケージ」、アウディの「ブラックスタイリング」など、本来であればメッキ処理がされているパーツをブラックアウトすることで、よりシャープな印象を与えることができます。
ハリアー ナイトシェードの価格(消費税込)は、487万800円から541万900円です。
歴代のハリアーオーナーだけでなく、ライバル車のオーナーも気になっているであろうこのハリアー ナイトシェードについて、首都圏にあるトヨタディーラーの反響を聞いてみました。
「おかげさまで問い合わせならびに受注状況は好調で、大変ご好評をいただいております。
今のところ、現行モデルのオーナー様で、そろそろ2回目の車検が近いという方のお乗り替えが多いですね。
年齢層でいうと、30代後半から60代の方まで、幅広いお客様にお選びいただいております。
歴代の『カローラ』や『クラウン』などがそうであるように、ハリアーにお乗りのお客様は“浮気”をしないというか、歴代のモデルを乗り続ける方が多い印象です。
売れ筋のモデルは、Zレザーパッケージ・ナイトシェード(2WD)ですね。
せっかくボディパーツが黒く塗られているのだからと、ボディカラーもプレシャスブラックパールをお選びになるお客様がほとんどです。
ご納期ですが、現時点(7月下旬)のタイミングでご契約いただけると、10月~11月頃にはご納車できる見込みです」
また、別のトヨタディーラーでもハリアーの人気の高さを実感しました。
「当店では『ミニバンは便利だけど、生活感があるクルマは…』ということで、ハリアーをお選びいただくファミリー層のお客様が多いです。年齢層でいうと、30代後半よりうえの方たちです。
そこでよく聞かれるのが『ナイトシェードって気に入ったけど、1年とか待つんでしょ』といったお問い合わせです。
お客様の多くが『いま注文しても納車は1年後』といった具合に、どのクルマでも年単位で納期が掛かるといったイメージが浸透してしまっているようです。
事実、モデルによっては年単位の納期を要するクルマもあります。
でも、ハリアーの場合は(7月下旬の時点で)11月上旬を目処にご納車できる予定です。
ハリアーは比較的短納期でご納車できる方なので、そのことをお伝えすると『そんなに早く納車できるなら買おう』とご決断いただけるケースが増えていますね。
特に、他メーカーさんのSUVにお乗りで、2回目、3回目の車検が近いというお客様はこの傾向が強いです。
ハリアーならリセールバリューも期待できるので、残価設定ローンでご契約される方も多いです」
SUVという新たなカテゴリーを作りだし、いまや超高級車ブランドであるフェラーリやロールスロイスまでもがSUVモデルを発売する時代。
しかし、今に続くSUV人気の原点であり、元祖ともいえるのがハリアーです。デビューから5年が経過しても色あせることなく、高い人気を維持しています。
比較的納期も短いようですから、「迷ったら買い」であることは確かです。(松村透)
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