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ランボルギーニがスパ24時間初優勝を達成。中山&小高組完走も、グッドスマイルはトラブルに泣く

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ランボルギーニがスパ24時間初優勝を達成。中山&小高組完走も、グッドスマイルはトラブルに泣く

 6月29日、IGTCインターコンチネンタルGTチャレンジ第3戦/GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ第5戦『クラウドストライク・スパ24時間レース』がフィニッシュを迎え、GRTグラッサー・レーシング・チームの63号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2(ミルコ・ボルトロッティ/ジョーダン・ペッパー/ルカ・エングストラー組)が101年の歴史を持つ伝統の一戦を制した。過去6年間で総合優勝を果たした6番目のメーカーとなったランボルギーニにとって、スパ24時間での優勝は今回が初となる。

“スパ・ウェザー”で知られるベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットを舞台に開催された第78回大会は、スタートからフィニッシュまで一切雨が降ることはなく28日と29日、いずれも晴天に恵まれた。そんなレースの最初の1時間は、ポールポジションからスタートした59号車マクラーレン720S GT3エボ(ガレージ59)のマービン・キルヒホーファーが、2番手スタートの17号車メルセデスAMG GT3エボ(メルセデスAMG・チーム・ゲットスピード)に対してリードを保った。

マクラーレンが記念すべきスパ24時間初ポール獲得。グッドスマイルは中団からのスタートに

 ブランシモンでの112号車マクラーレン720S GT3エボ(CSAレーシング)と22号車ポルシェ911 GT3 R(シューマッハーCLRT)の大クラッシュなど、多数のアクシデントが続くなか、4時間経過時点でも59号車はキルヒホーファーのチームメイトであるベンジャミン・ゲーテが首位を維持する。

 しかし、日付が変わった8時間経過時には163号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2(VSR)が、5時間目にマクラーレンから首位の座を奪っていた17号車メルセデスをピットストップのタイミングで抜いてトップに浮上した。

 その後10時間目には163号車ランボルギーニの燃料補給設備の問題により、17号車のルカ・ストルツがリードを取り戻したが、このメルセデスはペナルティを受けて後退。代わって63号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2(GRTグラッサー・レーシング・チーム)が実質的なリードを得ることとなった。

 レースの折り返し地点となる12時間経過時には、フルコースイエロー(FCY)をうまく利用してピット作業を行った998号車BMW M4 GT3エボ(ROWEレーシング)がトップに立った。この頃17号車メルセデスが他車と接触してリタイアに。また、10時間目には前年の100周年記念大会を制した007号車アストンマーティン・バンテージAMR GT3エボ(コムトゥユー・レーシング)が、マシントラブルによって戦列を去っている。

 夜明けのタイミングのレースリーダーは63号車ランボルギーニだった。このクルマは13時間目のピットストップでふたたびトップに立ち、直前のリーダーである998号車BMWが2番手、3番手には51号車フェラーリ296 GT3(AFコルセ・フランコルシャン・モーターズ)が続く。

 スタートから18時間が経過すると、直前の12回目のFCY中に他車が一斉にピットインするなか、ステイアウトを選択した96号車ポルシェ911 GT3 R(ルトロニック・レーシング)が見た目上の首位に浮上する。その後、同車のルーティンピット作業中に再度FCYが入ったことで96号車は実質でも総合トップとなり、この段階では2番手の63号車ランボルギーニに約16秒差をつけていた。

 だが、ここから63号車の追い上げが始まり、ペッパーが先行する96号車ポルシェとのギャップを削り取っていく。その差は最後から3回目のピットイン前に7秒、ボルトロッティに乗り替わった残り2時間半時点で4秒、そしてその10分後には完全に追いついた。

 残り1時間35分、接近戦が続くトップ争いに動きがあり最後から2番目のピット作業を終えた63号車ランボルギーニが首位に躍り出た。これはスヴェン・ミューラーがドライブする96号車が直前のピットイン後、コース上でトラフィックに引っかかったことが影響したものだ。

 その後、トップフィニッシュに向け快調にレースを進めていったGRTランボルギーニは、ラストピットで発進に手間取るヒヤリハットを経験しつつも間一髪のところでポジションを守り、最終的に549周を走ってチェッカーフラッグを受けた。96号車ポルシェは8.703秒及ばず2位でフィニッシュしている。

 レース終盤に51号車フェラーリと表彰台をかけた争いを繰り広げた98号車BMWは、トップから約25秒おくれの総合3番手でチェッカーを受けたものの、残り30分を切った段階で科されたトラックリミット違反の30秒加算ペナルティにより5位に降格。これによって51号車が3位を獲得し、AFコルセ・フランコルシャン・モーターズの姉妹車50号車フェラーリが4位で続くリザルトとなった。ポールスタートから6位となった59号車マクラーレンまでがトップと同一周回でレースを終えている。

 7位と8位にはチームWRTの32号車と31号車BMWが並び、シングルフィニッシュ最後のスロットには、ゴールドカップ勝者となった33号車アストンマーティン・バンテージAMR GT3エボ(フェルスタッペン・ドットコム・レーシング)が入った。アストンマーティンの最上位となったこのクルマは最終盤、約8時間にわたって接近戦を繰り広げた58号車マクラーレン720S GT3エボ(ガレージ59)に逆転を許していたが、ライバルが右リヤタイヤのバーストによってチェッカーまで残り8分のところで後れを取った後、再逆転に成功した。この他の主要クラスのウイナーは下記のとおりだ。

 日本勢では、ゴールドカップエントリーの611号車メルセデスAMG GT3エボをドライブした中山唯一と小高一斗が、ノルディック・レーシングとともにレースを完走。539周を走り総合37位/クラス6位となった。一方、谷口信輝と片岡龍也、小林可夢偉のトリオを擁し6年ぶりに復帰参戦を果たしたグッドスマイル・レーシングは、00号車メルセデスAMG GT3エボがレースの70%を超える447周のラップを重ねるも、エンジントラブルのため無念のリタイアとなっている。


■2025年IGTC第3戦/GTWCヨーロッパ第5戦第78回クラウドストライク・スパ24時間レース 決勝結果



Pos./Team/Machine/Lap/Gap
プロカップ1位/総合優勝/GRTグラッサー・レーシング・チーム/63号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2/549Laps
プロカップ2位/総合2位/ルトロニック・レーシング/96号車ポルシェ911 GT3 R/+8.703
プロカップ3位/総合3位/AFコルセ・フランコルシャン・モーターズ/51号車フェラーリ296 GT3/+26.639
ゴールドカップ優勝/総合9位/フェルスタッペン・ドットコム・レーシング/33号車アストンマーティン・バンテージAMR GT3エボ/548Laps
シルバーカップ優勝/総合14位/ワーケンホルスト・モータースポーツ/35号車アストンマーティン・バンテージAMR GT3エボ/547Laps
ブロンズカップ優勝/総合16位/ライト・モータースポーツ/120号車ポルシェ911 GT3 R/546Laps
プロ・アマカップ優勝/総合31位/AVレーシング・バイ・カーコレクション/29号車ポルシェ911 GT3 R/542Laps


https://twitter.com/goodsmileracing/status/1939318347063247114

[オートスポーツweb 2025年06月30日]

文:AUTOSPORT web
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みんなのコメント

1件
  • チワ吉
    かたやセパンでは3位表彰台と何とも皮肉な結果よなぁ。そろそろ交代かなぁ。。。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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