メットガラ2025に出席する傍ら、アンドレ3000は全編ピアノを用いた新作EP『7 Piano Sketches』もサプライズ発表した。
前回アンドレ3000がメットガラに出席したとき、彼は厨房から会場に潜り込んだ。
メットガラ2025が開催! レッドカーペットのメンズルックをチェック!
「レッドカーペットを歩くことはめったにない」と語るアンドレは、2008年にメトロポリタン美術館のあの階段を通らずに会場に入り込んだことを振り返った。「それで、建物の下を通るプランを考えたんです。厨房を通り抜け、料理人たちに叫んだり、話したりしながらね。あの汚い厨房をタキシードを着て歩けるなんて、本当に嬉しかったな。メットガラに潜入するスパイのステルスミッションみたいでした」
今年、彼はそれとは正反対のことをした。
ピアノ演奏中心の新作EPも同時発表
メットガラ2025のレッドカーペットを踏んだアンドレ3000は、元アウトキャストで、木管楽器の名手で、ファッション界の風雲児で、アウトサイダーでもある彼にしか為し得ない仕方で注目を集めた。巨大なグランドピアノを背中に括り付けて現れたのである。そして、会場の美術館に向かう途中、さらに思いがけない演出として、彼はサプライズで新作EPも発表した。
新作『7 Piano Sketches』は、2023年に突如発表された木管楽器をベースにしたニューエイジ・アルバム『New Blue Sun』以来となるアンドレ3000の新たなプロジェクトだ。『New Blue Sun』同様、『7 Piano Sketches』にもラップは含まれていない。本作は、タイトルが示す通り7曲の即興的なソロピアノ曲と、スタジオエンジニアとアンドレ、振付師のファティマ・ロビンソンによる各ナンバーの冒頭の奇妙な声によるイントロダクションで構成されている(このEPのプレスリリースには「警告:小節はありません」と書かれていた)。
このリリースは『New Blue Sun』と同じくらい予期せぬものだが、これらの曲は実は長い間アンドレのハードディスクに収められていたという。アンドレがインタビューで話してくれたところによると、彼は12年から15年前にほとんどの曲をiPhoneで録音したという。そのうちの2曲、物憂げな「Blueberry Mansions」と、このアルバムで唯一ビートがある「I Spend All Day Waiting for the Night」は2000年に初めて書かれ、数年後に録音されたものだというから、アウトキャスト絶頂期の彼とビッグ・ボーイが『Stankonia』のリリースを準備していた頃の音源だ。
「家にピアノがあって、ときどき思いついたアイデアを録音したり、即興で演奏した音楽を録音して、ゼロから曲を作っていたんです」と、彼は言う。「そのようなちょっとした小品や曲の多くは、息子にメールで送ったり、エリカ(・バドゥ)や義父、Qティップやタイラー・ザ・クリエイターなどのミュージシャンにメールで送ったりして楽しむためのものでした。彼らが携帯電話の履歴を見れば、これらの作品のいくつかが見つかるでしょうね」
アンドレは最近、自身のピアノ曲のアーカイブを再発見した。長らく休止していたメンズウェアブランド、ベンジャミン ビクスビー(Benjamin Bixby)を再開させようとしている今、彼は過去の自身が手がけた作品の数々を新たな視点で見ているようだ。「これらの作品を聴き返したとき、結構面白いなと思いました。だから、それらを集めてひとつの作品を作りたかったんです。クールな音楽だから、みんなに聴いてもらいたくてね」
アンドレは、『7 Piano Sketches』をアナログでもリリースする予定だと付け加えた。「私はよく、他人の立場で物事を考えようとします。もし自分がほかの誰かだったら、これを買って自分のレコード・コレクションに入れたいと思うだろうか? とね。これなら自分でもほしいですよ!」
バーバリーとのコラボで実現したコスチューム
このメットガラでの演出は、セレブスタイリストのロー・ローチとバーバリーのチーフ・クリエイティブ・オフィサーであるダニエル・リーとのコラボレーションで実現した。これは相当な重責のはずだ。アンドレ3000は、メットガラ史上最も素晴らしいダンディなルックで我々の記憶に残っている人物なのだから。
「バーバリーからメットガラでのコラボレーションとテーブルのキュレーションを打診されたとき、真っ先に思い浮かんだのがアンドレでした」と、ローチは言う。「そこからクレイジーに転がっていきました。ダニエルはアンドレの大ファンですからね」
「アンドレは、私が一緒に育ってきた音楽の創作者であり、彼のスタイルにもいつだってインスピレーションを与えられてきました」。リーは土曜日の夕方、アンドレの最後のフィッティングでそう話してくれた。
ローチがアトランタのMCをヨークシャー出身のファッションデザイナーに紹介し、それが両者のパリでの最初の出会いにつながった。リーと打ち解けるため、アンドレは自身のルックのアイデアを描いたスケッチを彼に見せた(アンドレは最近ベンジャミン ビクスビーの新しいデザインをスケッチしており、そのなかには『GQ』グローバル・エディトリアル・ディレクターのウィル・ウェルチがメットガラで着用したタキシードも含まれている)。「これがバーバリーとベンジャミン ビクスビーの本格的なコラボレーションになることを誰もが望んでいました」と、ローチは言う。
最終的に2人のデザイナーは、フォーマルなミッドナイトネイビーのコットンギャバジンを使ったバーバリー×ベンジャミン ビクスビーのジャンプスーツに辿り着いた。
これは真のコラボレーションである。シルエットはアンドレが2014年のアウトキャストの再結成ツアーで着ていた、アイコニックなグラフィックのジャンプスーツという、彼の先鋭的なスタイルのレガシーを思い起こさせる。一方、ファブリックと傘を描いた刺繍はバーバリーのヘリテージにオマージュを捧げたものだ。
「私がバーバリーといって思い出すのはトレンチコートなんです」と、アンドレは言う。「もっと言えば、探検家のための服。それがバーバリーの歴史で本当にインスピレーションを与えてくれるものなんです」
リーによれば、アンドレの豊富なデザイン経験は目に見えて明らかだったという。「ディテールにこれほど気を配り、徹底的に考え抜く人と仕事をしたことはなかったと思います」と、彼は言う。「アンドレは素晴らしいiPadのドローイングを持ってやってきて、とても刺激的を受けました。彼は、私がほかのミュージシャンとの仕事では経験したことのないような、技術的かつ専門的な面でも服を理解し、話してくれました」
「アンドレのメットガラの装いを担当するのが私たちだと知った人は、皆羨ましがっていますよ」と、リーは付け加えた。「この街に着いてからずっとそう聞かされてきましたからね」。それに対して、アンドレはこう言った。「本当に? それは初耳だよ!」
ピアノのコスチュームがアンドレ3000のアイデアだというのは驚くことではないかもしれない。「ピアノのことを聞いたとき、そんなこと思いつくのは彼だけだって思いました」と、ローチも言う。
アンドレが最初に大きなピアノを背中に背負うというアイデアを思いついたのは、10年以上前にピアノの楽曲を録音していたときだった。そのときの彼は、いいミュージックビデオができるかもしれないと思ったという。アンドレがピアノを背負ってニューヨークの街を歩く、というものだ。
17年ぶりの出席となるメットガラで、ピアノのプロジェクト発表が目前に迫っていたこともあり、彼はピアノを背負うアイデアを今こそ実現するのはどうだろうと考えた。「ささやかなピアノのアルバムのために派手な宣伝をしているようで、自分ではそこがちょっと笑えるんですよ」と、アンドレは語った。
2008年にアンドレが美術館の厨房を通り抜けたとき、彼はビクスビーの白いディナージャケットに黒のパンツを身に着け、陽気なボーターハットを被っていた。一方、今年のメットガラのテーマであるブラック・ダンディズムを考えたとき、ジャンプスーツはまず思い浮かばないかもしれない。2008年の格好のほうがよっぽど今回のテーマに相応しかったのではないだろうか。
土曜日のフィッティングで、ダンディズムが彼とリーのクリエイティブな対話にどのような影響を与えたか尋ねると、アンドレはこう答えた。「決められた項目にチェックしていくような形で、ダンディズムを模索したわけではありません。私のダンディズムの理解とは、ファッションにおける自分自身の個性の発露、あるいはファッションにおいて自分自身が感嘆符を用いて強調したいこと。自分が普段からやっていることなら、あえて努力する必要はありません」
ピアノとサプライズEPを携えて、アンドレ3000は確かに今年のメットガラのレッドカーペットに感嘆符を打ち込んだ。
From GQ.COM
By Samuel Hine
Translated and Adapted by Yuzuru Todayama
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