ただ純粋に楽しむための機能
ヒョンデ・アイオニック5 Nの登場は、高性能EVにとって画期的な出来事だった。疑似シフトチェンジ機構を搭載した同車以前のモデルと、これ以降のモデルとの間には、明確な分水嶺が存在する。
【画像】スーパーカーを凌ぐ性能誇る新世代EV【メルセデスAMG CLA 45を詳しく見る】 全26枚
新型メルセデスAMG『CLA 45』は、ポルシェ・タイカンやホンダ・スーパーワンに続き、このトレンドに乗った最新のモデルである。今後数年間、いや、数か月のうちにさらに多くのモデルが登場しても驚くことはないだろう。
AMGの関係者は、こうした機能が少々軽薄なものであり、長期的なトレンドというよりは一過性の流行に過ぎないかもしれないと認識している。しかし、同時に、ちょっとした楽しみもあると主張する。そもそも、楽しむことができなければ、このようなクルマに何の意味があるというのか?
スタジオでCLAの実車に触れてみた結果、筆者もその意見に同意した。
運転の没入感を高める仕掛け
要約すると、このモデルでは、先代のCLA 45に搭載されていたターボチャージャー付き4気筒エンジンの音を再現している。メルセデスはそのリアリティを高めるため、音楽業界からスタッフを招き入れた。同じエンジンを搭載した『A 45 S』の車内外に13個のマイクを設置し、あらゆる走行シナリオを網羅する1600以上の音源を収録したのだ。
EVらしく静かに始動するが、ドライブモードダイヤルを「S+」に切り替えると、瞬く間に活気づく。確かに寝ている近所の人を起こしてしまうほどの大音量なので、静かなモードがあるのはありがたい。
ペダルを踏み込むと、回転数が上下するのに合わせて、シートシェーカーが腰のあたりに心地よい振動を伝えてくれる。これは、スポーツEVにしばしば欠けている「本能的なドライビングフィール」を少しばかり取り戻すものだ。
回転数そのものの変化は、筆者が数年前に運転したガソリン仕様のA 45 Sよりも速く、まるで軽量フライホイールを搭載した車両を再現しているかのようだ。
思い切り走りたい時には、こうしたシステムが運転の没入感を大いに高めてくれるだろう。とはいえ、その点に関する最終的な判断は、CLAを実際に運転してみるまで待ちたいと思う。
植物肉を食べたときの感覚
改善の余地はいくつかありそうだ。このクルマに秘められたパワーをより強く感じられるよう、ステアリングホイール、あるいはダッシュボードを通じて、もう少し振動が伝わってくると良いと思う。
また、そのサウンドには依然としてデジタル的な印象が残る。とはいえ、実際に耳にすると、動画で聞くよりもずっと良い音だ。筆者は、初めて「マックプラント(McPlant)」のビーガンバーガー(パティに肉を使わないハンバーガー)を食べた時のことを思い出した。確かに美味しく、本物に近い味だが、まだオリジナルを完全に凌駕したとは言い切れない。
「エンジン」作動状態で始動できれば、さらに良いだろう。完全な静寂の中で始動すると、由緒ある高性能車に乗り込み、スターターを押し、その内燃機関の轟音を堪能するという、あのドラマチックな雰囲気が少し失われてしまう。
CLA 45の「エンジン音」については動画が公開されているので、ひとまず確かめてみてほしい。そして機会があれば、実際に聞いてみてほしい。
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