現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > まさかの販売比率98%! スバルの全世界販売がAWDだらけなワケ

ここから本文です

まさかの販売比率98%! スバルの全世界販売がAWDだらけなワケ

掲載 15
まさかの販売比率98%! スバルの全世界販売がAWDだらけなワケ

 この記事をまとめると

■スバルの代表的な技術のひとつに「シンメトリカルAWD」がある

なんちゃってヨンクだらけの今こそ乗りたい「悪路御用達」の男前国産SUV4選

■グローバルで販売されているスバル車のじつに98%がAWD

■「スバル=AWD」のイメージが根付いた理由について解説する

 グローバルでのAWD比率は98%!

 スバルというブランドに、どんなイメージを持っているだろうか。

 現在はSUBARUという社名だが、もともとは富士重工業というお堅い名前だったこともあって質実剛健という印象も強い。また、ルーツとなるのが戦前に「隼」や「疾風」といった軍用機を作っていた中島飛行機にあることから航空機との関係性を連想するファンも多いだろう。実際、いまでもSUBARUは航空機産業に関わっている。

 自動車のテクノロジーでいえば、先進運転支援システム、衝突被害軽減ブレーキの代名詞ともいえる「アイサイト」のイメージが強い。そのほか、コアテクノロジーとして「ボクサー」と呼ばれる水平対向エンジンもスバルの伝統といえる。そしてボクサーエンジンと切っても切れない関係にあるのが左右対称のパワートレイン「シンメトリカルAWD」である。

 なにしろ、スバルのクルマはAWD(全輪駆動)比率が非常に高い。同社の発表によれば、2018年~2020年までのグローバル販売実績ベースでデータをとると、なんとスバル車の98%がAWDなのだという(OEM販売車を除く)。

 FRしか設定のないスポーツクーペ「BRZ」がなければ、スバルのAWD比率は限りなく100%に近づくことは確実だ。実際、日本で買えるスバルのFF車というのはインプレッサに用意されているくらいで、フォレスターやレヴォーグはAWDしか設定されていない。

 さて、スバルが4WD(四輪駆動)ではなく、AWDと表現しているのはカッコつけているわけではなく、技術的な意思が込められている。

 あらためて乗用車における4WDシステムを分類してみよう。もっともベーシックといえるのが、スズキ・ジムニーなどに採用されているマニュアル操作によって切り替えるパートタイム式である。コンパクトカーやミニバンなどで多いのが、普段は2WDでスリッピーなシチュエーションだけ自動的に4WDになるもので、スタンバイ式などと呼ばれている。

 こうしたシステムには、タフネスや燃費などのメリットもあるが、スバルは常に四輪を駆動させることで走りにおけるスバルらしさを表現している。そのこだわりとして常時四輪駆動はマストであり、「AWD」という表記は常時全輪駆動となっていることを示しているのだ。

 初めはパートタイム式4WDだった

 もっとも、スバルにおける最初の四輪駆動はパートタイム式だった。

 それが1972年9月にローンチされた「レオーネ4WDエステートバン」である。バン(商用車)なので、厳密には乗用車とはいえないが、レオーネワゴンのボディ形状であったことから日本初の乗用タイプの4WDといわれるエポックメーキングなモデルだ。

 この当時は、まだセンターデフや電子制御といったものはなく、トランスファーレバーでFFと4WDを切り換えるパートタイム式を採用していた。そもそも、当時のスバル車は水平対向エンジンを縦置きにしたFFアーキテクチャが基本となっていたのだ。

 水平対向エンジンの後ろにトランスミッションを置くというスバル伝統のレイアウトから、トランスミッションにプロペラシャフトを生やしてリヤデファレンシャルに駆動力を送れば4WDにできるという発想が生まれ。それがレオーネ4WDにつながったのは、スバリストと呼ばれる熱心なファンでなくともよく知られている話だろう。なお、最初のレオーネ4WDではリヤデファレンシャルの一部を日産ブルーバード(当時はFRだった)から流用していたというのも有名なエピソードだ。

 そうしてスバル独自のパワートレインが4WDと相性が良かったことで、徐々に4WD比率は高まっていったというわけだ。レガシィGTやインプレッサWRXといった2.0リッターターボモデルと4WDの組み合わせは、スバル・ブランドにオンロードで気持ちよく走れるスポーツ4WDというカテゴリーでのパフォーマンスイメージを与えるようになっていった。

 こうして4WDが欠かせないものになっていく流れにおいて、前述したように常時全輪駆動がスバル4WDのアイデンティティとなり、左右対称でバランスのよいレイアウトも含めて、シンメトリカルAWDいうコアテクノロジーにつながった。

 さらに世界的なクロスオーバーSUVムーブメントによって、レガシィアウトバック、フォレスター、XVといったSUVラインアップの存在感が増していった。こうした背景が結果としてスバルのAWD比率を高めていったのだ。

こんな記事も読まれています

もしや未来のレジェンドか!?!? 次世代電気自動車「Honda0(ゼロ)シリーズ」が衝撃 しかもほぼそのまま市販モデルになるってマジか
もしや未来のレジェンドか!?!? 次世代電気自動車「Honda0(ゼロ)シリーズ」が衝撃 しかもほぼそのまま市販モデルになるってマジか
ベストカーWeb
ガルウイングにした本当の理由は? AMG初の独自開発「SLS AMG」はメルセデス・ベンツ「300SL」の再来でした
ガルウイングにした本当の理由は? AMG初の独自開発「SLS AMG」はメルセデス・ベンツ「300SL」の再来でした
Auto Messe Web
RB、アイウェアブランド『HUGO Eyewear』とのパートナーシップ締結を発表
RB、アイウェアブランド『HUGO Eyewear』とのパートナーシップ締結を発表
AUTOSPORT web
「見た目」にビビなら買い! 日産ジューク・ハイブリッドへ試乗 内装とデジタル技術をアップデート
「見た目」にビビなら買い! 日産ジューク・ハイブリッドへ試乗 内装とデジタル技術をアップデート
AUTOCAR JAPAN
フォーミュラEが面白い! 日産とシェルの関係や過去のシーズンを知って、今期後半をもっと楽しもう
フォーミュラEが面白い! 日産とシェルの関係や過去のシーズンを知って、今期後半をもっと楽しもう
Auto Messe Web
アストンマーティン代表、ストロールへの裁定は厳しいと語る「しっかりと理解されないまま判定が下された」/F1第5戦
アストンマーティン代表、ストロールへの裁定は厳しいと語る「しっかりと理解されないまま判定が下された」/F1第5戦
AUTOSPORT web
ヨシムラSERTが転倒後に追い上げ優勝、3ART綿貫も3位。TSR、Étoileは無念のリタイア/EWC第1戦ル・マン24時間
ヨシムラSERTが転倒後に追い上げ優勝、3ART綿貫も3位。TSR、Étoileは無念のリタイア/EWC第1戦ル・マン24時間
AUTOSPORT web
ホンダの「V8スポーツカー」!? 500馬力超えの「FRマシン」! “NSX後継機”目された「HSV-010」とは
ホンダの「V8スポーツカー」!? 500馬力超えの「FRマシン」! “NSX後継機”目された「HSV-010」とは
くるまのニュース
アルファ・ロメオ 車名に "ケチ" つけた政治家へ苦言「名前より雇用守る努力をせよ」 中国企業に危機感
アルファ・ロメオ 車名に "ケチ" つけた政治家へ苦言「名前より雇用守る努力をせよ」 中国企業に危機感
AUTOCAR JAPAN
「彼は僕を見てさえいなかった」リカルド、接触時のストロールのオンボード映像を見て激怒/F1第5戦
「彼は僕を見てさえいなかった」リカルド、接触時のストロールのオンボード映像を見て激怒/F1第5戦
AUTOSPORT web
ハースのヒュルケンベルグが10位「最大限の結果を出した。重要な1点」小松代表は「完璧なレース」と喜ぶ/F1中国GP
ハースのヒュルケンベルグが10位「最大限の結果を出した。重要な1点」小松代表は「完璧なレース」と喜ぶ/F1中国GP
AUTOSPORT web
アロンソ「セーフティカーで戦略変更も、良いレースに。1周でいいからトップを走りたかったけどね」/F1中国GP
アロンソ「セーフティカーで戦略変更も、良いレースに。1周でいいからトップを走りたかったけどね」/F1中国GP
AUTOSPORT web
乗って納得の「ロープライス実力派」 ホンダWR-Vは背伸びしない、等身大のパートナー
乗って納得の「ロープライス実力派」 ホンダWR-Vは背伸びしない、等身大のパートナー
AUTOCAR JAPAN
ハミルトン「極端なセットアップ変更が、かつてないレベルのアンダーステアを引き起こした」メルセデス/F1中国GP
ハミルトン「極端なセットアップ変更が、かつてないレベルのアンダーステアを引き起こした」メルセデス/F1中国GP
AUTOSPORT web
経験を信じたWRTとリスクを避けたマンタイ。雨中のタイヤ選択がLMGT3上位の明暗分ける/WECイモラ
経験を信じたWRTとリスクを避けたマンタイ。雨中のタイヤ選択がLMGT3上位の明暗分ける/WECイモラ
AUTOSPORT web
レクサスが新たな「小さな高級車」展示! 全長4.2m級でも上質さ健在!? 「LBX」の実車見たユーザーの反響は? in 菅生
レクサスが新たな「小さな高級車」展示! 全長4.2m級でも上質さ健在!? 「LBX」の実車見たユーザーの反響は? in 菅生
くるまのニュース
【カーコーティング技術を住宅設備に】総合家庭用品メーカー「レック」と「KeePer技研」が共同企画した家庭用水まわりコーティング剤が販売開始
【カーコーティング技術を住宅設備に】総合家庭用品メーカー「レック」と「KeePer技研」が共同企画した家庭用水まわりコーティング剤が販売開始
driver@web
先行ピットインを決めたディクソンが逆転勝利。初参戦プルシェールは11位完走/インディカー第2戦
先行ピットインを決めたディクソンが逆転勝利。初参戦プルシェールは11位完走/インディカー第2戦
AUTOSPORT web

みんなのコメント

15件
  • それが売りたから。
    スバル車乗るのに2駆はあり得ない。
    なら他社に乗る。
  • GDA-Eに13年乗っていました、雨の日など悪天候での安心感はFFより高く変な挙動もなく、良くできていると思いました。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

105.6117.1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

159.0159.0万円

中古車を検索
レオーネの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

105.6117.1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

159.0159.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村