映画『Michael/マイケル』のあの結末は当初の予定とは異なるものだった。本作で語られなかったマイケル・ジャクソンの物語は、続編に引き継がれるのか?
※以下に映画『Michael/マイケル』の内容・結末に関わるネタバレがあります。
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マイケル・ジャクソンの伝記映画『Michael/マイケル』は公開早々、今年最も賛否を呼ぶ作品となった。ジャクソン批判派がこの映画を“キング・オブ・ポップ”の人生を美化した無難な伝記だと酷評する一方、好意的なファンはジャクソンと彼の遺産管理団体が長年否定してきた不名誉な疑惑を蒸し返されることなく、彼の物語とその音楽にどっぷり浸れる作品として歓迎している。本作のラストシーンとその締めくくりのメッセージに歓喜するのは、もちろん後者だ。
『Michael/マイケル』全編を通してのドラマの主軸は、マイケル(演じるのは実の甥ジャファー・ジャクソン)が父ジョー(コールマン・ドミンゴ)の支配から逃れようともがく姿にある。ソロアーティストとして大成功を収めた後も、ジョーは息子にジャクソン5(後にザ・ジャクソンズへと改名)の一員として活動を続けるよう強く求める。マイケルはしぶしぶ1984年の「ヴィクトリー・ツアー」への参加を承諾するが、全米最終公演のステージ上で突如、このツアーがザ・ジャクソンズとしての最後の共演になると告げる。
その後、映画の舞台は1988年へ。「バッド・ワールド・ツアー」の真っ最中、マイケルはロンドンのウェンブリー・スタジアムのステージに立つ(7夜連続のソールドアウト公演で計50万4000人を動員し、現在も破られていないコンサート動員数のギネス世界記録を打ち立てた)。完全にソロアーティストとしての道を歩み始めたマイケルが代表曲「バッド」のパフォーマンスを終えると、画面は暗転。「His Story Continues(彼の物語は続く)」というキャプションが映し出され、エンドクレジットが流れ始める。
これは要するに、スーパーヒーロー映画や『007』シリーズ作品と同じような終わり方である。さらなる物語の到来を予告して幕を閉じるというのはそういうことだ。しかし当然ながら、ジェームズ・ボンドやソー、キャプテン・アメリカとは違い、『Michael/マイケル』で描かれなかったその後のマイケル・ジャクソンの人生は数々の波乱に満ちており、その顛末は必ずしも「気分がアガる続編」を予感させるものとはいえない。
当初の完成版は3時間超
本作は当初からこのような結末になる予定だったわけではない。オリジナル版は、1993年に警察がマイケルの住むネバーランド・ランチを家宅捜索する場面から始まる予定だった。当時マイケルは、13歳のジョーダン・チャンドラーに対する性的虐待を告発されていた。捜査はその後、ジャクソンがチャンドラー家と和解に達したことで終了したが、ジャクソンは一貫して疑惑を否定し続けた。その後、彼は別件の児童性的虐待容疑についても2005年に無罪判決を受けている。2009年に亡くなるまで、彼が有罪判決を受けた犯罪事件はひとつもなかった。
『Michael/マイケル』の第3幕は当初、このチャンドラー訴訟と、それがジャクソンの人生にどう影を落としていったかに焦点を当てていた。しかし撮影が完了した段階になって、ジャクソン側がチャンドラー側との和解の一環として、チャンドラーや訴訟について映画などで描写・言及しない条件に同意していた事実が判明する。
「かなり信じがたい、現実離れした出来事でした」と、プロデューサーのグレアム・キングは『ウォール・ストリート・ジャーナル』に語っている。「映画を完成させた後になって、その物語を語る法的権利がなかったと知るなんて初めてのことです」
キングと監督のアントワーン・フークア、脚本家ジョン・ローガンは、再び企画を練り直すことになった。公開は1年延期され、再構成されたストーリーを完成させるために22日間に及ぶ追加撮影が実施された。その費用はジャクソンの遺産管理団体が負担した。
製作会社ライオンズゲート・フィルムズのトップであるアダム・フォーゲルソンによれば、この変更によって上映時間も3時間超から2時間強へと短縮されたという。
語るべき物語がまだある
「この第1作は、マイケル・ジャクソンの人生を最後まで描くには至っていません」とフォーゲルソンは『ハリウッド・リポーター』に語った。「彼のディスコグラフィには、この物語では拾いきれない素晴らしい音楽がまだ数多くあります。つまり続編の余地があると考えているわけですが、制作チームは第2作に向けてすでに準備を進めています。適切なタイミングが来れば正式に発表したいと思っています」
では、「彼の物語の続き」とは具体的にどのような内容になるのだろうか。報道によれば、キングはスタジオ幹部陣に対し、後期のアルバム制作の様子やネバーランド・ランチの建設、そして「動物への愛情」などを描く構想を話したという。一方、フークアは伝説的なスーパーボウルのハーフタイムショー出演や、「ネバーランドを巡る様々な出来事」を盛り込む考えを示唆している。
マイケルは続編で帰ってくる。そしてその映画は、彼の遺産管理団体の同意を得た形で「ネバーランドを巡る様々な出来事」を描きつつ、同時にマイケルが動物園さながらの施設を作り上げる話にもなる──。脚本づくりはなかなか難しいものになりそうだが、『Michael/マイケル』への反応や興行収入予測を見る限り、続編製作の正式決定もそう遠くはなさそうだ。
From GQ.COM
By Derek Lawrence
Translated and Adapted by Yuzuru Todayama
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