現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「失敗する」の声も上がる「クラウンSUV」の噂だが果たして? 大幅「方向転換」で成功を納めた国産車4台

ここから本文です

「失敗する」の声も上がる「クラウンSUV」の噂だが果たして? 大幅「方向転換」で成功を納めた国産車4台

掲載 更新 13
「失敗する」の声も上がる「クラウンSUV」の噂だが果たして? 大幅「方向転換」で成功を納めた国産車4台

 セダンからハッチバックへ大胆なイメチェンを果たしたモデルも!

「いつかはクラウン」、トヨタ乗用車のフラッグシップであり、日本のセダン市場のシンボルともいえるクラウンが、次期モデルではSUVスタイルになるというウワサが流れています。その真偽のほどは別として、はたしてクラウンをSUVに変身させるという商品企画に勝算はあるのでしょうか。

前のほうがイケメン? マイナーチェンジで理解しがたい見た目になった国産車トップ5

 たしかに、過去にクラウンは2ドアハードトップやステーションワゴンといったボディバリエーションを持っていたこともありますが、4ドアセダンが基本でした。そんなクラウンがSUVスタイルに変身しても成功するはずがないという声も聞こえてきます。

 それでは、過去に大胆なまでにコンセプトやボディスタイルのイメージチェンジをして、成功したモデルというのはあるのでしょうか? いくつかの視点から4つの例を考察してみましょう。

 1)トヨタRAV4

 最初に取り上げるのはトヨタRAV4。デビューから一貫してクロスオーバーSUVであることは変わらないように思えますが、キムタクのCMでスマッシュヒットを果たした初代モデルは3ドアだけの設定だったのです。いまでは全幅1800mmを超える大きなボディに成長していますが、当初はコンパクトなシティクロカンといったコンセプトでした。その初代モデルの途中でロングボディの5ドアを設定、北米でヒットするとしだいに巨体に成長していきました。

 また、現行モデルではグレードによっては走破性を重視した駆動系を与えられるなどSUVらしい走破能力も高めています。初代がライトクロカンというジャンルを生み出し、都市型SUVの元祖的キャラクターだったことを忘れてしまうほど、現在のRAV4はマッチョに変身しているのです。そうして世界的に成功したことはご存知の通り。ドラスティックな変化というよりはSUVとしての進化ともいえますが、シティ派からオフロード指向に方向性を変えたことはイメージチェンジの成功例といえそうです。

 2)スバル・インプレッサ

 とはいえ、RAV4はボディ形状としては変わっておらず、これではドラスティックなイメージチェンジとはいえないのも事実。そこで、次なる例として紹介したいのがスバル・インプレッサです。初代から2代目までのインプレッサは4ドアセダンを中心に、全長が短めのステーションワゴンというラインアップでした。

 しかし3代目ではWRCで勝てるクルマにするために、また世界的なトレンドにのっとって、ハッチバックを軸に据えたラインアップに変身したのです。現在でもハッチバックのスポーツ、セダンのG4という2つのボディを用意していますが、ハッチバックが中心にあることは変わりありません。3代目のフルモデルチェンジ時に、セダンからハッチバックへと大きく変身したときには、それまでのユーザーから反発もありましたが、結果的に市場はそうした変化を受け入れました。

 むしろ、このセグメントにおいてセダンを軸に展開していたら、けっしていい結果にならなかったであろうことは、セダン中心に生まれ変わったホンダ・シビックの、日本での現状(セダンボディがディスコン)を見れば一目瞭然。ハッチバックを軸にしたことは正解だったといえます。

 さらにハッチバックボディをベースにSUVスタイルの「SUBARU XV」を展開、それが大いに販売を伸ばしたことを考えれば、大きな流れとしては、セダンからSUVへコンセプトを変えて、成功した例といえるでしょう。その意味でいえば、同じくスバルのフラッグシップとしてセダンボディとして誕生したレガシィが、現在はレガシィ・アウトバックというSUVだけに集約されたのも、似たような例といえるのかもしれません。

 流行りのSUVや軽からイメチェンして成功したモデルも存在!

 3)スズキ・スイフト

 ただし、必ずしもSUVにすれば売れるというわけではありません。2020年、国内市場においてシェア第二位まで成長したスズキの主力モデルである「スイフト」は、初代モデルが日本デビューをしたときには、どちらかといえばSUVよりのハッチバックでした。軽自動車「Kei」のワイド版といったコンセプトで、ちょっと車高を上げたスタイル、フェンダーアーチを樹脂で処理したところなどは、完全にクロスオーバーSUVといえるものだったのです。

 しかし、フルモデルチェンジによりオーソドックスなハッチバックへ変身したことで、スイフトというクルマのイメージは大きく変わります。初代スイフトは軽くて安い登録車という印象が強かったのですが、2代目以降のスイフトは、本質的な走りを重視したハッチバックモデルとしてキャラクターを変えていきました。イメージチェンジは成功したのです。

 4)スズキ・ソリオ

 スズキといえば、2020年には年間で4万342台も販売され、同社のヒットモデルとなっている「ソリオ」のイメージチェンジも忘れることはできません。こちらもスイフト同様にルーツをたどるとワゴンR+と呼ばれる軽自動車のワイド版からはじまった名前でした。すなわち最初は後席ヒンジドアで、ルーフレースが備わるなど全高が高めのシルエットこそ共通していますが、今とはまるで異なる商品企画のモデルだったのです。

 はっきりいって当時は、ワゴンRのおまけ程度の認識で売上自体も今ほどではありませんでした。それが2代目へのフルモデルチェンジを機に後席スライドドアとして、いわゆる元祖プチミニバンとして認識されるようになってからは一変しました。スズキの主力モデルとなったのです。まさに商品コンセプトの変更がうまくいった好例です。

 あえて名前はあげませんが、過去には商品コンセプトを大きく変えて失敗したモデルも数多くあります。そう考えると、大胆なイメージチェンジというのは賭けに近い部分もありますが、2020年のクラウンの販売台数は2万2173台で、前年比61.4%となっています。現行クラウンのデビューは2018年6月、2020年11月にインパネを一新するほどのマイナーチェンジを実施するなど鮮度が高いことを考えると、この数字は商品コンセプト的な厳しさを感じるのも事実。ウワサされているクーペSUVスタイルへの大変身で成功するという保証はありませんが、このままの商品コンセプトではジリ貧といえそうなのも、また事実といえるのではないでしょうか。

こんな記事も読まれています

こんなクルマよく売ったな!!【愛すべき日本の珍車と珍技術】電動メタルルーフを国産車で初めて採用したシルビアヴァリエッタ!!
こんなクルマよく売ったな!!【愛すべき日本の珍車と珍技術】電動メタルルーフを国産車で初めて採用したシルビアヴァリエッタ!!
ベストカーWeb
無数の十字架が「ルート66」唯一のワインディングに…険しくも不思議と落ち着くオススメの場所です【ルート66旅_48】
無数の十字架が「ルート66」唯一のワインディングに…険しくも不思議と落ち着くオススメの場所です【ルート66旅_48】
Auto Messe Web
角田裕毅、スプリント予選19番手「今までこれほど苦労したことはない。土曜予選までに突破口を見出したい」/F1中国GP
角田裕毅、スプリント予選19番手「今までこれほど苦労したことはない。土曜予選までに突破口を見出したい」/F1中国GP
AUTOSPORT web
アストンマーティンF1の抗議棄却。サインツJr.の予選”復活”は慣例では認められると判断
アストンマーティンF1の抗議棄却。サインツJr.の予選”復活”は慣例では認められると判断
motorsport.com 日本版
嘘のように速いホットハッチ:MG 4 EV Xパワー 「まさにコレ!」な正当性:クプラ・ボーン お手頃EV 12台比較(6)
嘘のように速いホットハッチ:MG 4 EV Xパワー 「まさにコレ!」な正当性:クプラ・ボーン お手頃EV 12台比較(6)
AUTOCAR JAPAN
ポルシェ新型「パナメーラ」に試乗! 常に水平を保つ未体験の走りに驚愕…PHEVは1669万円から
ポルシェ新型「パナメーラ」に試乗! 常に水平を保つ未体験の走りに驚愕…PHEVは1669万円から
Auto Messe Web
ダニロ・ペトルッチ、トレーニング中に負傷で第3戦オランダを欠場。ニコラス・スピネッリが代役でSBKデビューへ
ダニロ・ペトルッチ、トレーニング中に負傷で第3戦オランダを欠場。ニコラス・スピネッリが代役でSBKデビューへ
AUTOSPORT web
【F1第5戦中国GP週末の要点】雨を味方につけたキック・ザウバー、2台揃ってスプリント予選SQ3進出
【F1第5戦中国GP週末の要点】雨を味方につけたキック・ザウバー、2台揃ってスプリント予選SQ3進出
AUTOSPORT web
「圏央道4車線化」鉄道またぐ橋、一夜で架設! 開通はいつ? スマートICもできる!?
「圏央道4車線化」鉄道またぐ橋、一夜で架設! 開通はいつ? スマートICもできる!?
乗りものニュース
シモーネ・テンペスティーニが初優勝。マックス・マクレーもJr.部門を制覇/ERC開幕戦
シモーネ・テンペスティーニが初優勝。マックス・マクレーもJr.部門を制覇/ERC開幕戦
AUTOSPORT web
40アルファードの静粛性が一変!調音施工で快適性が飛躍的に向上
40アルファードの静粛性が一変!調音施工で快適性が飛躍的に向上
レスポンス
小沢仁志さんの愛車はV8の「“アウトロー”スポーツカー」!? 鮮烈オレンジ光るド派手な「マスタング」 公開に「めっちゃ目立ちますね」「兄貴の愛車かっこよすぎます」の声
小沢仁志さんの愛車はV8の「“アウトロー”スポーツカー」!? 鮮烈オレンジ光るド派手な「マスタング」 公開に「めっちゃ目立ちますね」「兄貴の愛車かっこよすぎます」の声
くるまのニュース
シリンダー内の「旋回流」が鍵? アンモニアは化石燃料の代わりになるか 上智大学の研究チームが発表
シリンダー内の「旋回流」が鍵? アンモニアは化石燃料の代わりになるか 上智大学の研究チームが発表
AUTOCAR JAPAN
2024年もマツダはカーボンニュートラルでモータースポーツ! 「ENEOSスーパー耐久シリーズ2024年」にマツダ3と2台のロードスターで挑戦
2024年もマツダはカーボンニュートラルでモータースポーツ! 「ENEOSスーパー耐久シリーズ2024年」にマツダ3と2台のロードスターで挑戦
WEB CARTOP
恒例のBTCC公式シーズンラウンチ開催。最後のドニントン・テストは王者サットンが最速
恒例のBTCC公式シーズンラウンチ開催。最後のドニントン・テストは王者サットンが最速
AUTOSPORT web
無限、ホンダ・シビック・タイプR専用パーツ『グループA』を発表。新開発エアロで空力性能が大幅向上
無限、ホンダ・シビック・タイプR専用パーツ『グループA』を発表。新開発エアロで空力性能が大幅向上
AUTOSPORT web
性能調整変更でも『ポルシェが本命』とフェラーリのフォコ「僕らには少し厳しいコース」/WEC第2戦
性能調整変更でも『ポルシェが本命』とフェラーリのフォコ「僕らには少し厳しいコース」/WEC第2戦
AUTOSPORT web
“アンチ・スプリント”のフェルスタッペン、新フォーマットにはある程度満足?「前よりは良い。でも“レース”の後に予選というのがね……」
“アンチ・スプリント”のフェルスタッペン、新フォーマットにはある程度満足?「前よりは良い。でも“レース”の後に予選というのがね……」
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

13件
  • クラウンはSUV化してもダメな可能性が高い
    これ以上クラウンブランドを傷つけないように
    アルファードやハリアーに役目を譲って伝説上の存在としたほうがいいんじゃないの
  • クラウンのSUVを出しても良いだろう。
    それとは別系統でクラウンのセンチュリー寄りのデザインモデルも出してほしい。
    クラウンに求められるのは正統なセダン。子供っぽいクーペデザインじゃない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

168.0251.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

58.9590.0万円

中古車を検索
RAV4 Jの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

168.0251.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

58.9590.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村