昨年からMotoGPに導入された新たなコンセッション(優遇措置)制度により、8月からアプリリアとKTMも、ホンダやヤマハと同レベルの優遇措置を受け、エンジン開発やファクトリーライダーによるテストが解禁されるかもしれない。
MotoGPのコンセッションは、マニュファクチャラーを成績に応じてA~Dの4つのカテゴリーに分類し、Aから順に制限を緩和していくというシステムになっている。
■MotoGP、新規則が導入される2027年仕様マシンのテストを2025年シーズン終了まで禁止
アプリリアとKTMは現在カテゴリーCに分類されており、レギュラーライダーがプライベートテストを行なうことは禁止されているほか、レギュレーションによってエンジンの仕様も凍結されている。
一方、カテゴリーAのドゥカティはカテゴリーCと比べてテスト用のタイヤが50本少ない170本となり、ワイルドカード参戦も許されていない。そのため、テストライダーをワイルドカード参戦させて、新エンジンを試すこともできない。ワイルドカードはエンジン仕様の凍結対象外なのだ。
最も制限が緩いカテゴリーDには現在、ホンダとヤマハが属している。このカテゴリーでは、ファクトリーライダーによるテストも無制限に許可(テストタイヤは260本)されており、エンジンの開発も自由。空力アップデートも年に2回実施することができる。
だが現在のパフォーマンス状況とシーズン開幕から5戦の結果を見る限り、KTMとアプリリアは8月からホンダとヤマハとともにカテゴリーDに入る可能性が高い。
コンセッションのカテゴリー分けは、開幕前とサマーブレイクを節目に、1年単位で評価される。『シーズン最初のイベントから最後のイベントまで』と、『夏のテスト禁止期間後の最初のイベントから、次シーズンのサマーテスト禁止前のイベントまで』の期間で、各マニュファクチャラーの最上位ライダーが、スプリントレースとメインレースの両方でどれだけのポイントを獲得したかが計算されるのだ。
各マニュファクチャラーの獲得したポイントが、最大獲得可能ポイントの35%未満だった場合、カテゴリーDに分類されることになる。つまり次回のカテゴリー分けでは、昨年のサマーブレイク後から7月18~20日にブルノで開催される第12戦チェコGPまでの23戦で獲得できた851ポイント中、298ポイント以上を陣営最上位のライダーが獲得していればカテゴリーC、できていなければカテゴリーDだ。
なおカテゴリーBは60%以上85%未満、カテゴリーAは85%以上というポイント区分となっている。
KTMとアプリリアのうち、より危機的なのはアプリリアだ。エースとして獲得した昨季王者のホルヘ・マルティンは今季これまでのところ、怪我の影響でカタールGPにしか出場できておらず、マルティンはスプリントを16位で終えた翌日、決勝での転倒で再び長期療養を余儀なくされており、復帰はサマーブレイク後になる見通しだ。
アプリリアは残り7戦で118ポイントを集める必要があり、これは1レース平均16.8ポイントに相当する。ところが2025年これまでの5レースでの平均は1レースあたりわずか10.6ポイントに留まっている。ファクトリーのマルコ・ベッツェッキとサテライトの小椋藍(トラックハウス)が奮闘してるが、マルティンを欠いた影響は大きい。
KTMはアプリリアよりもいくらか息がしやすい状態で、2024年は好調だったこともあり、220ポイントを積み上げている。残り7戦で78ポイント、1戦で平均11.1ポイント以上獲得すれば良い計算だが、今季の5レース平均は11.6ポイントと余裕はほとんどない。
では逆に、ホンダとヤマハがカテゴリーDから脱出する可能性はあるのか?
特にヤマハは、ファビオ・クアルタラロがスペインGPで2位表彰台を獲得。ヤマハにとっては1年半ぶりのポディウム登壇となった。
シーズン序盤は不調が続いていたが、この2位獲得によりヤマハはコンストラクターズランキングで62ポイントを獲得して2番手に浮上。開幕5戦でパーフェクトな成績を収めたドゥカティ(185ポイント)とは大差ながら、ベスト・オブ・ザ・レストの位置にいるのだ。
しかし2024年後半から計算すると、ヤマハは合計139ポイント止まり。7月のブルノまでにカテゴリーをひとつ上げるには、さらに159ポイントを加算する必要がある。現在のヤマハの2025年平均が1レースあたり12.4ポイントであることを考えると、それを平均22.7ポイントまで引き上げる必要があり、これはほとんど不可能なタスクだ。
さらに、ヤマハは今後に向けてV4エンジン開発プロジェクトに多大な投資をしており、エンジン開発とファクトリーライダーとのテスト走行が唯一可能なグループDに留まることを望んでいるようだ。
ホンダは合計107ポイント。残り7戦で191ポイントを稼ぐには1戦平均27.2ポイントが必要となり、それこそドゥカティ並のパフォーマンスが要求される。しかし、昨年後半の11戦で合計51ポイントだったのに対し、今季の5戦でそれを凌ぐ56ポイントを積み上げているのはポジティブな要素であり、ホンダの改善を示していると言える。
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みんなのコメント
マルケスが大嫌いになったわ。
まー元々好きではなかったが。
何かこう、憧れとか尊敬の枠に入んないんだよね。
速けりゃ良いってモンじゃない。