アップデートで熟成深める電動サルーンのi4
BMWのバッテリーEVと聞いて、まず思い浮かべるのはiXやiX3といったSUVかもしれない。2021年に登場した、ハッチバックを背負うサルーンのi4は、やや存在感が薄いように思う。しかし数度のアップデートを経て、しっかり熟成されている。
【画像】市場の成熟で競争力が顕に BMW i4 M60 競合する電動サルーンと写真で比較 全161枚
現在の英国で売られるi4は、シングルモーターで後輪駆動のeドライブ35と40、ツインモーターで四輪駆動のM60 xドライブという3種類。トリムグレードは、スポーツとMスポーツ、Mスポーツ・プロの3段階から選べる。
i4は、4シリーズ・グランクーペの電動版として開発され、G26というコードネームも共有。プラットフォームは、高張力鋼板とアルミニウムを適材適所に用いた、クラスター・アーキテクチャーで、EV用に改良を受けている。
駆動用バッテリーは、エントリーグレードのeドライブ35では67.1kWhだが、それ以上では容量が大きい81.1kWhユニットを積む。共通して、高効率なシリコンカーバイド基盤を用いたインバーターを実装し、航続距離は仕様次第で最長611kmがうたわれる。
2モーターで601ps フロントを縦断するグリル
今回試乗したのは、最近追加されたM60 xドライブ。ブースト・モード時の最高出力は、従来のM50 xドライブの544psから、601psへ増強された。80.8kg-mという最大トルクは変わらないが、サルーンにこれ以上は必要ないだろう。
i4のサスペンションは、前がコイルスプリングで、後ろがセルフレベリング機能付きのエアスプリング。M60 xドライブでは、専用チューニングのアダプティブダンパーと可変レシオステアリングが、標準で備わる。
試乗車には、オプションのMスポーツ・ブレーキが組まれていた。車重は、実際に計測したところ2231kg。アウディ S e-トロンGTより軽い。
スタイリングは、フェイスリフト後も、4シリーズ・グランクーペと大きな違いはない。フロントマスクを縦断する、巨大なキドニーグリルは以前より見慣れたかもしれない。その内側には、運転支援システム用のセンサー類が隠れている。
スポーティな運転姿勢 より充実させたい標準装備
インテリアは、2024年半ばの大改良でリフレッシュ済み。タッチモニターのシステムがバージョン8.5へアップデートされ、カーブしたモニターパネル自体も更新されている。エアコン送風口のデザインも新しく、素材感はしっかりプレミアムだ。
センターコンソールからは、プラスチック製シフトレバーが消え、ボタン式のセレクターになった。手元を見ないと操作できないのが、少し惜しい。ステアリングホイールは握りやすいサイズで、スポーク部分には実際に押せるボタンが並ぶ。
運転姿勢は、座面が低くスポーティ。標準のスポーツシートは調整域が広く、快適な姿勢を見つけやすいはず。主要な操作系がわかりやすく配置され、メーター用モニターの視認性も良い。ヘッドアップディスプレイは、英国ではオプションとなる。
腰まわりを支えるランバーサポートを調整したい場合は、オプションのコンフォートアクセスを選ぶ必要がある。バケットシートを組むこともできる。だが、ワイヤレス充電パッドやアダプティブ・クルコンもオプション。標準装備は、もっと充実していて良い。
タッチモニターの操作性はクラス・トップレベル
後席側の空間は、このクラスのサルーンへ期待するより狭い。小柄な大人なら快適に過ごせるはずだが、アップデート前のポルシェ・タイカンの方がゆとりはある。大きなリアハッチを開いてアクセスする荷室は広く、容量は約470L。S e-トロンGTは350Lだ。
反射防止加工が施されたタッチモニターは14.9インチで、メーター用モニターは12.3インチ。オレンジ色に灯る、アナログメーターが懐かしい人はいらっしゃるはず。
とはいえ、グラフィックは鮮明でアイコンが大きく、視認性や操作性は良い。センターコンソールにはロータリーコントローラーがあり、ナビやメディア、充電状況などの設定・確認は簡単。何度か使えば、システムの全体像を把握できると思う。
スマホとの同期も、もちろん可能。タッチモニター全面が切り替わり、使い勝手は良好。インフォテインメント・システムの完成度は、同クラスではトップレベルにある。
気になる走りの印象とスペックは、BMW i4 M60 xドライブ(2)にて。
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