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神技回避も序盤のスピンに反省の23号車MOTUL千代。高星との復活コンビが警戒するGRスープラ勢の「圧倒的な強さ」

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神技回避も序盤のスピンに反省の23号車MOTUL千代。高星との復活コンビが警戒するGRスープラ勢の「圧倒的な強さ」

 今季2025年に向けてドライバーラインアップを変更し、千代勝正と高星明誠のコンビで開幕戦『OKAYAMA GT 300km RACE』に臨んだ23号車MOTUL AUTECH Z。ウエットからドライに変わる難しい路面コンディションとなった4月13日の決勝は7位フィニッシュも、上位車両がタイムペナルティを科されたため正式結果は6位となった。レース後、それぞれのスティントでの状況やライバルメーカーの印象を聞いた。

 ニッサン/ニスモ陣営の3号車をドライブし2022年に2勝、翌23年にも1勝を挙げた千代と高星のコンビが同陣営のエースカーである23号車で“復活”することになって臨んだ第1戦岡山は、第1スティントを担当した千代が7番グリッドからレースを開始。セーフティカー明けの5周目、実質的なスタート直後に発生した1コーナー立ち上がりでの38号車KeePer CERUMO GR Supraのスピンによる多重クラッシュを間一髪のところで回避したが、23号車MOTULの千代はリスタート時にスピンを喫しGT500クラスの最後尾まで順位を落としてしまった。

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「自分の位置からは38号車の動きを一番よく見ることができ、ブレーキを踏みながら(行くべき方向が)左が右というところで、最後は38号車が左側にバックしていったのでステアリングを右に切って避けました」と咄嗟の回避行動を振り返った千代。

「右に逃げたあと左側でマルチクラッシュが起きましたが、後ろから来ているクルマについては自分でどうすることもできないですから、それはただラッキーでした」

 6番手となって迎えた11周目のリスタート時、今度は23号車MOTULがアトウッドカーブ(4コーナー)の立ち上がりでスピンを喫する。5番手の19号車WedsSport ADVAN GR Supraに仕掛けていたという千代は、「トラクションをかけた際に普段ならスライドして耐えるところで、いきなりバッと回ってしまった」と状況を説明。

「タイヤの芯まで熱が入っていなかった」可能性を示唆しつつ「自分のミスです」と認めた。

 その後、千代の挽回により12番手から入賞圏内の9番手に復帰した23号車MOTULは、48周目にルーティンのピットインを行い高星にドライバーチェンジ。チームはウエットとドライの移り変わりのタイミングであるダンプ路面で、やや固めのウエットタイヤを選択して23号車をコースに送り出した。

「ダンプの路面の時はクルマとコンディションの相性が良く、周りと比べても速そうでしたし、バトルでも(ライバルより)僕らのほうがよりスピードがあったような気がします」と自身が担当したレース中盤のスティントを振り返った高星。

 その言葉どおり高星は乾きかけの路面で好タイムを連発し、次々にライバルをオーバーテイクして57周目には5番手に浮上する。しかし、終盤にかけて路面がドライアップするなか、62周目のピットインでスリック(ドライ用)タイヤを履いた23号車MOTULはふたたび順位を落とすこととなってしまった。

「ドライタイヤに変えた時にウォームアップにちょっと苦労してしまい、そこで『他車と差が出てしまったな』という印象を受けました。おそらく、(タイヤの)レンジ的にはみんな同じところだと思うのですが」と語った高星は、今季が2年目となるブリヂストンタイヤの理解とそれに対するクルマの最適化の部分の遅れを感じているようだ。


■難コンディションでも「いきなり速い」ライバル勢

 千代、高星の両名にライバルメーカーの印象を尋ねると、岡山で表彰台を独占したライバルの“強さ”を揃って第一に挙げた。

「スープラはもう安定して速いですし、どんなコンディションでも速くて圧倒されましたね」と舌を巻く千代。

「シビックも(2年目で)パフォーマンスが上がってきていると思いますし、僕らも頑張らなきゃいけないなと思います」

 高星も千代と同じく、GRスープラについて「オールマイティに速い」と評した。「ですので、コンディションが悪い時にも大外れがない。たとえコンディションが悪くても、いつもセッションのスタートからいきなり速かったり、ウエットの切り替わりやドライの切り替わりでもスピードを維持しているのを傍から見ると、すごくマイルドな印象を受けます」

「一方、僕らはどこかにピークを見出して、多少ピーキーにしてでも速さを求めないと一定のところで勝負ができないとか、そういった部分が出てきてしまうので、その部分ではもっともっといろいろと変えていかなければならないと思っています」

 そんなニッサンZニスモGT500にとって次戦の舞台である富士スピードウェイは比較的得意といえるコースだ。実際2024年の第2戦では、ニスモの3号車と23号車がワン・ツー・フィニッシュを飾っている。

 前年はロニー・クインタレッリとのコンビで姉妹車に次ぐ2位となった千代は、「ニッサン/ニスモファンもたくさん来てくれるので、皆さんの前で優勝をお見せできるように頑張りたいです」と意気込む。

「富士は比較的相性がいいコースですし、サクセスウエイトもまだそこまで重くない(10kg)ので、Zの強さを活かしていきたいと思います」

 勝てば個人として大会連覇となる高星は、「僕たちニスモチームは去年、ワン・ツーをやり遂げましたし、クルマは比較的サクセスウエイトが軽い状態なので、そういった利点を活かして良い成績を残したいと思っています」と抱負を述べた。

 岡山では難コンディションのなかで歯車がうまく噛み合わず、ライバルメーカーの圧勝を許すこととなったニッサン/ニスモ陣営は、反撃の狼煙を上げることができるのか。同陣営を含め開幕戦で悔しい思いをしたチームが挽回を期する第2戦『FUJI GT 3Hours RACE GW SPECIAL』は、ゴールデンウイーク期間中の5月3~4日に開催される。

[オートスポーツweb 2025年04月17日]

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みんなのコメント

1件
  • mas********
    日産も一強の時期はあったけど1メーカーが強いのは2年くらいなら良いけど3シーズン行くと面白味なくなるなぁ〜他がもっと頑張れ〜
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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