この記事をまとめると
■「スバルアップグレードサービス」にハードウェアのアップデートメニューが加わった
BRZを最新の「D型」同様に進化させる魔法のアップデートに試乗! より意のままに操れるスポーティさに脱帽
■「ダイナミックモーションパッケージ」と「コンフォート&クワイエットパッケージ」装着車に試乗
■クルマを買い替えることなく愛車を自分好みに「アップグレード」することができる
「スバルアップグレードサービス」に新たなパッケージを追加
クルマを買った後も、自分の好みやライフステージの変化に合わせて愛車を進化させることができたら……。そんなクルマ好きの夢を叶えるのが、スバルが展開する「スバルアップグレードサービス」だ。これまでソフトウェアのアップデートを中心に行ってきた同サービスに、いよいよ待望のハードウェア系アイテムが追加された。今回は、現行レヴォーグ向けに設定されたふたつのパッケージを装着した車両に試乗することができたので、その効果のほどをリポートしよう。
スバルアップグレードサービスは、すでにスバル車に乗っているオーナーを対象としたサービスだ。スバル車オーナーは、1台のクルマに長く愛着をもって乗り続ける傾向が強いという。しかし、長く乗っていれば「もっとスポーティに走りたい」「家族が増えたからもっと快適で静かな空間にしたい」といったように、クルマに求めるニーズは変化していくもの。そんな要望に応え、いまの愛車の価値を再認識してもらうためのメーカー主導の取り組みである。
これまで、レヴォーグやBRZ向けに「e-Tune」というソフトウェアアップデート商品を提供してきたが、今回の第3弾では、初めてハードウェアのアップデートメニューが設定された。ラインアップは、先代レヴォーグ/WRX S4向けの「ウルトラスエードパッケージ(内装リフレッシュ)」と、現行レヴォーグ向けの「ダイナミックモーションパッケージ」「コンフォート&クワイエットパッケージ」の3種類。今回は、現行レヴォーグに後者の2パッケージを両方装着したクルマのステアリングを握った。
まずは走りの質を高める「ダイナミックモーションパッケージ」から紹介しよう。コンセプトはずばり「WRX S4並みのハンドリングの追求」だ。
注目したいのは、単に足まわりをガチガチに固めるわけではないという点。S4同様のピロボールブッシュ付きロアアームで操舵のダイレクト感を高める一方で、通称「いなしタイロッド」と呼ばれる湾曲形状のタイロッドエンドを組み合わせている。一般的な真っ直ぐなタイロッドとは異なり、あえて適度なしなりを生む形状にすることで、路面からのキックバックや細かい振動を吸収・緩和(いなし)するのだ。STIのSシリーズで培った知見から、ステアリングに伝わる雑味を消し、しっとりとした質感高い操舵フィーリングを実現している。
さらに、エンジンマウントやクロスメンバーなど車体各部のボルト締結力を最適化。とくにフロントとリヤのアクスルナットは、ディーラーのメカニックの手作業により、量産ラインでは難しい「角度締め」を行うことで個体ごとの微妙なバラつきをなくし、正確な軸力を引き出している。
実際に走らせてみると、その効果は交差点をひとつ曲がるだけで明確に体感できた。ステアリングを切り始めた瞬間の応答性が、ノーマル車とは別次元なのだ。ノーマル特有のゴムブッシュがたわむような「ヨレる」感覚や、ステア操作からクルマが向きを変えるまでのタイムラグが綺麗に消え去っている。ステアリングとフロントタイヤが物理的に直結しているかのような、極めてダイレクトな操作感に生まれ変わっていた。
この恩恵は、直進時にも現れる。まっすぐ走ろうとする際の微細な修正舵に対してもクルマが正確に反応するため、無駄な操作が減り、長い直線であっても非常にリラックスして直進をキープできる。また、高速道路でのレーンチェンジでは、ステアリング操作に対して車体が遅れることなくスッと動き、狙った車線内にピタッと収まる。スポーツ走行を楽しむ層はもちろん、日常使いでの運転のしやすさを求めるドライバーにとっても、そのメリットは極めて大きいと感じた。
現行レヴォーグの魅力を大きく引き上げる
もうひとつの「コンフォート&クワイエットパッケージ」は、車体の各部(とくにリヤまわり)に吸音材と制振材を最適配置することで、車内への走行音や雨音の侵入を低減させるアイテムだ。メーカー独自のシミュレーション解析により、重量増を最小限に抑えつつ、最大の効果を発揮するポイントを見極めて施工されている。
一番体感しやすいのがルーフだろう。試乗時は晴天だったので雨音を聞くことができなかったが、ルーフを爪先でコンコンと叩き比べてみると、ノーマル車の軽くて高い音域の金属音に対して、施工車は「コツッ」という中音域で収束が早い音に変わっていたため、雨天時の静粛性向上には大いに期待がもてる。
走行中の車内では、とくに後席における恩恵が大きいと感じる。後部を中心に吸音・制振処理が施されているためか、リヤタイヤからのノイズが抑えられ、前席と後席での会話が通りやすくなっているのだ。家族を乗せて高速道路などを主に遠出される機会が多いオーナーには、ぜひおすすめしたいポイントだ。
一方で、運転席に座ってひとりで運転している状況では、全体の音が静かになったぶん、相対的に耳もとのガラス越しに入ってくる風切り音などが目立って聞こえる場面もあった。これはEVなどで起きるエンジン音がなくなったことで別の音が目立って聞こえてしまうことと同じだ。
試乗した日は非常に交通量が多く、高速道路でも80km/h以下でしか走ることができなかったが、120km/h区間などの速い区間などでは吸音材や制振材の効果はより高くなるはずだ。そうした音のモヤモヤ感がスッキリと収まり、長距離移動でも疲労感の少ない上質なツアラーとしての顔を見せてくれた。
今回試乗したふたつのパッケージは、どちらも現行レヴォーグの魅力を大きく引き上げるものだった。とくに「ダイナミックモーションパッケージ」がもたらすハンドリングの激変ぶりは、多くのスバルファンを唸らせるはずだ。
クルマを買い替えることなく、いまの愛車を自分好みに「アップグレード」するという新しいカーライフの形。スバルが提供するこの画期的なサービスは、長く愛車と付き合いたいオーナーにとって、最高の選択肢といえるだろう。
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みんなのコメント
SL買えないからしばらく乗るつもりです。