スクーデリア・フェラーリの290MMが登場
12月8日に開かれたRMサザビーズ・ピーターセン・オートモーティブ・ミュージアム・オークションの主役となったのがフェラーリ290MMだった。860モンツァをベースにV12 SOHC 3490ccのティーポ136エンジンを搭載したファクトリーカーとして、1957年にS/N:0616、0626、0628の3台が製作された。
いずれもワークスカーとして当時のトップドライバーにステアリングを託し、世界スポーツカー選手権で活躍。今回出品されたS/N:0628は、ブエノスアイレス1000kmでアルフォンソ・ポルタゴ、ウルフガング・フォン・トリップス、ピーター・コリンズらが乗り総合3位でチェッカーを受けたヒストリーを持つ。
余談だが860モンツァ時代には1956年のミッレ・ミリアでピーター・コリンズと著名なレース写真家であるルイス・クレマンタスキーが組んで参加し、総合2位を勝ち取るとともに、この時に数多くの名作が撮影されている。
1957年8月にアメリカのプライベーターに放出されるが、12月のナッソー・メモリアル・トロフィではスターリング・モスが乗り見事優勝を果たす。
それから1960年代初頭まで現役で活躍を続け、その後はコレクターのガレージに収まった。前オーナーがコレクションに加えたのは2011年のことである。
フェラーリ・クラシケでフルレストア
2015年にはフェラーリ・クラシケでフルレストレーションが行われ、1957年のセブリング12時間レースに参戦した時のスタイル/マーキングと当時そのままのスペックに戻された。完成後はフェラーリの歴史を語る上で欠かせない1台だけに、2016年から2017年にかけてマラネッロのムゼオ・フェラーリとモデナにあるエンツォ・フェラーリ・ミュージアムで展示された。
フェラーリ・ワークスカーとしての素晴らしいレーシング・ヒストリー、フェラーリ・クラシケでフルレストレーションを行い状態は完璧。こうした条件が揃い、世界中のコレクターから注目を集めたこの1台。競り合いが続き、最終的に2200.5万ドル/24億8657万円で落札された。
ここにきて沈静化しているコレクターズカ―・オークションだが、「本物」はちゃんと評価されることは変わっていないようだ。
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