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往年のメルセデス・ベンツを思わせる「極上の乗り味」 人気のミッドサイズSUV「GLC」の新グレード「コア」の存在価値とは?

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往年のメルセデス・ベンツを思わせる「極上の乗り味」 人気のミッドサイズSUV「GLC」の新グレード「コア」の存在価値とは?

日本での人気モデル「GLC」に新エントリーグレード登場

 ここ日本でも、今や日本車顔負けのスキのないラインナップを展開しているメルセデス・ベンツですが、なかでも2024年に最も売れたモデルはというと、ミッドサイズSUVの「GLC」でした。

【画像】「えっ!…」これが往年のメルセデスらしい乗り味が魅力的な「GLC 220d 4マチック コア」です(30枚以上)

 そんな人気車種も、2代目となる現行モデルの登場から早2年。今回、日本市場専用となる新グレード「GLC 220d 4マチック コア(Core)」が追加されました。

 このグレードの特徴をひと言で説明するならば、装備のスリム化。これにより、同じパワートレインを採用する「GLC 220d 4マチック」より57万円安い、819万円(消費税込)という戦略価格を実現しています。ちなみに、クーペ仕様である「GLC 220d 4マチック クーペ コア」は同866万円です。

 この新グレードの設定に関して、筆者(山本シンヤ)は、弟分である「GLA」や「GLB」との価格差を抑えることで、メルセデス・ベンツ内でよりステップアップしやすい環境を整えた……と推測しています。

 また個人的には、海外でよく目にする“素”のメルセデス・ベンツを味わえるという美点も、新グレードの裏テーマだと感じています。

「コア」のエクステリアは、ボディカラーが白、黒、シルバーという日本で売れ筋の3色に限られるという制約こそあるものの、18インチのタイヤ&アルミホイールやデジタルライトも装着され、見た目に廉価グレード特有のさびしい感じはありません。

 インテリアは黒1色のみの設定。シルバー“グレーダイヤモンドインテリアパネル”仕様で、ウッドなどの加飾は設定なし。シート表皮は“アルティコ”と呼ばれる人工レザーとなっています。ダッシュボードに革が貼られていないといった割り切りも見られますが、仕立てのよさはそのままです。

 装備面では、第3世代のインフォテインメントシステム“MBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)や「Sクラス」ゆずりのレーダーセーフティパッケージなどは装着されているものの、ヘッドアップディスプレイやシートベンチレーター(シートヒーターのみ)、プレミアムオーディオは非装着。

 ちなみに「コア」に用意されるオプションは、パノラミックスライディングルーフと、日本人が大好きな20インチのタイヤ&ホイールを組み合わせる「AMGラインパッケージ」のみに厳選されています。

 パワートレインは「GLC 220d 4マチック」と同じ2リッターの4気筒ディーゼルターボ(197ps/440Nm)で、“ISG”(23ps/205Nm)を組み合わせたマイルドハイブリッドとなっています。トランスミッションは9速AT、駆動方式は「オフロード」モードつきの4WDで、後輪駆動車の設定はありません。

 シャシーは「Cクラス」ゆずりの縦置きレイアウトを採用する“MRA IIアーキテクチャ”で、足回りにはアジリティコントロールサスペンション(メカニカルダンパー)を採用。タイヤサイズは235/60R18と、最近のクルマにしてはハイトのあるタイヤを組み合わせています。

古きよき時代のメルセデスが息づくドライブフィール

「GLC」が搭載するディーゼルターボエンジンは、元々レスポンスのよさと厚い低速トルクをウリとしています。

 最新の「GLC」である「GLC 220d 4マチック コア」に乗って改めて実感したのは、“ISG”とターボの連携が絶妙だな、ということ。とにかくシームレスなフィーリングで、2トン近い重量級の車体をストレスなく加速させます。その力強さは、スペック以上のものがあると感じます。

 遮音性が高いのに加えて、エンジン音も粒が整っているので耳ざわりに感じにくく、まさに“6気筒要らず”といってもいい好印象なユニットです。また、9速ATのワイドギアレシオも相まって、高速道路ならば20km/L超えの良好な燃費をマークします。

 フットワークは「新しいのに懐かしい」というのが素直な感想です。

 縦置きシャシーならではのバランスのよさ、カチッとしているのに突っ張った感じがない車体、位置決めがシッカリとされたサスペンション、見事なまでのボディコントロールなど、「GLC」の基本性能の高さは筆者もこれまでの試乗で体感済み。

 しかし「コア」の味つけは「姿勢変化を抑える」、「機敏に動かす」といったアジリティ重視の最新メルセデスとはちょっと異なり、「ゆったりした動き」、「車両重量以上のドッシリ感」、「無理に抑えつけない」など、どことなく古きよき時代のメルセデスに似ている特徴があるように感じました。

「コア」は可変ダンパーも4輪操舵も未装着。加えて、ハイトの高いタイヤを履くなどスペック的に特筆すべき部分はありませんが、逆にそれが“素”のシャシーのよさを引き立たせているな、と感じました。

 いうなれば、麺と出汁だけで勝負する“素うどん”のような、ピュアで素朴なうまさを味わえるセットアップ。昔のメルセデス・ベンツに乗っていた人ならば、「これだよ、これ!」と感じることでしょう。

 気になる快適性は、あまり引き締められていないサスペンションとハイトの高いタイヤの効果などで、上級グレード顔負けの出来栄え。路面からの入力に対するアタリの優しさとストロークで減衰させるしっとりとした足の動きが印象的です。

 走行中に生じるクルマの動きは、足の引き締まった上級グレードと比べると大きめですが、動くけれど動き過ぎない絶妙な塩梅。

 その動き自体も人間の波長と合っているので不快な印象はなく、フワッとしているけどフラット感は高めです。

* * *

 総じていうと、「GLC 220d 4マチック コア」は気負うことなくプレミアムの世界観を味わえるメルセデス・ベンツであると同時に、その本質が最も凝縮されたモデルだと感じました。

 リーズナブルだからではなく、あえて選びたくなる魅力を満載した「GLC」の誕生です。

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みんなのコメント

5件
  • 130クラウン230グロリア♪
    よくこれだけ忖度できるものだと感心させられました。忖度を旨とする自称モータージャーナリストの鏡のようなお方です。
  • kaz
    言うほど価格差がなく、そんなに売れない気がする。
    2~3年での値下がりが大きいと予想。
    となると、買うなら中古の方がお得感がでそう。
    新車で57万円の価格差が、中古だと120~30万差くらいまで開くんじゃないかな?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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