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【40台限定/1億円】ゲンバラJrのオフロード・スーパーカーは「911ターボS」がベース

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【40台限定/1億円】ゲンバラJrのオフロード・スーパーカーは「911ターボS」がベース

■「911ターボS」をベースにオフロード仕様へ

 マルク・フィリップ・ゲンバラが製作している「プロジェクト・サンドボックス」の詳細が判明した。

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 マルク・フィリップ・ゲンバラは、ゲンバラの創始者であるウーヴェ・ゲンバラを父に持つ。子供のころからモータースポーツやチューニングに親しんできた彼が、模倣品ではない、顧客のために特別なものをつくりたいということから開発を始めたのが、コードネーム「プロジェクト・サンドボックス」だったわけだが、今回明らかになったその正体は、ポルシェ「911ターボS(992型)」をベースとして、オンロードとオフロードの両方で究極のドライビング体験を可能とする「MARSIEN」と呼ばれるクルマだった。

●「マーシャン」という名前の意味は

 このMARSIENというネーミングは、UAE(アラブ首長国連邦)にある、アル・ファヤ砂漠の真っ赤な砂からインスパイアされたものだ。マルク・フィリップ・ゲンバラと彼のチームは、このアル・ファヤ砂漠でプロジェクト・サンドボックスの実走テストをおこなっていた。MARSIENとは、フランス語で「火星人」もしくは「火星から」を意味する。

 マルク・フィリップ・ゲンバラは次のように語っている。

「火星にいるかのような風景と、プロジェクト・サンドボックスの未来的なデザイン、そしてオフロード性能を兼ね備えていることから、私たちの最初のプロジェクトにこれ以上ふさわしい名前はないと直感しました」

●ベースの911ターボSから100psアップ「

 では、このMARSIENとは、どんな特徴を持つクルマなのだろうか。

 まずボディは、カーボンファイバー製となっている。ボディパネルは、F1チームやスーパーカーメーカーにカーボン製パーツを供給している、ドイツの大手メーカーで製造されたものだ。

 ボディデザインは、ポルシェ「908」のデザインスタディでも知られる、アラン・デロージアが担当している。サイドフラップ付きのフロントスプリッターや、リアフラップ付きカーボンディフューザーなど、そのイメージはオンロードスーパースポーツのテイストが強い。

 しかし駆動系は、オフロードでの激しい走りに耐えられる、ヘビーデューティなものだ。エンジンはポルシェのチューニングでは老舗、といっていい、RUFオートモービルが担当。

 オリジナルが478kW(650ps)/800Nmという出力は、552kW(750ps)/930Nmにまで高められている。さらに、オプションとしてRUFのセカンドステージチューニングも用意されている。これはターボやEVUセッティングに変更を受け、最高出力が830psまで向上。同時に、この大パワーを活かすため、トランスミッションの設定も変更される、とのことだ。

 また、エアフィルターは、イタリアのBMCがMARSIEN専用のアイテムを用意している。砂漠でのテストは、高温化でも冷却を確実におこなえるかどうか、という狙いがあるのとともに、ほかではありえないごく小さな砂粒も、エンジン内部に進入させないエアフィルターのテストという狙いもあって行ったものだ。

■1億円のオフロード・スーパーカー

●250mmまでリフトアップ可能

 トランスミッションは、ポルシェPDKをベースとしたものだが、強大なトルクを確実にタイヤへと伝えるため、ドライブシャフトはカイエン用のパーツを利用して強化されている。

 サスペンション形式はフロントがダブルウイッシュボーンとなっているが、これは新規につくられたもの。悪路を走行する際、ショックアブソーバーが剛性パーツとして機能するストラット形式では、剛性が足りないとの判断から採用されている。

 ショックアブソーバーはKWが新開発した、ソリッド・ピストン・ダンパーを採用。電子制御式の油圧リフトも装備されていて、オフロードでは最低地上高を250mmまで上げられるようになっている。減衰力は、DDC(ダイナミック・ダンピング・コントロール)システムによって、セッティングが可能。ポルシェの標準モードに加えて、グラベル/マッド/サンド/スノーという各モードが用意されたドライブモードを切り替えることで、ショックアブソーバーやトランスミッション、エンジン出力などを適切なものへと変更できる。

●40台限定、残りわずか

 ホイールはセンターロック式の鍛造アルミ製。オンロード用はホイールがフロント20/リア21インチで、タイヤはミシュランのウルトラハイパフォーマンスをセット。オフロード用はホイールがフロント19/リア20インチと小さくなり、最高速度210km/h制限の、オールテレーンタイヤが装着されている。

 さらに、オフロード専用車として使いたいオーナーのために、ライガーサスペンション製の、ラリー仕様サスペンションも用意されている。これを装備すると、車高はオフロード用で固定となる。

 コックピットのデザインは、エレガントなものになった。MPGイエローを基調としたなかに、「カレラGT」にインスパイアされたカーボン製のミッドコンソールが設けられていて、各部にカーボンのアクセントが配されている。

 センターコンソールには、ナンバリングが刻まれたシリアルプレートも装備。このMARSIENは、40台限定で発売されるのだが、10台限定のローンチエクスクルーシブはすでに完売。さらに、生産台数の半数もすでに売れてしまっていて、残りは数台、という状態となっている。

 価格はベースとなる911ターボSに加えて、49万5000ユーロ(邦貨換算約6400万円)だ。日本での911ターボSの車両価格が2947万円(消費税込)なので、乗り出し価格は1億円からということになりそうだ。

 最後に、MARSIENのスペックを紹介しよう。

・ベースモデル:ポルシェ911ターボS
・エンジン:RUFアップグレードツインターボ・フラット6
・最高出力:750ps(RUFステージ2:830ps)
・最大トルク:930Nm
・最高速度:330km/h(オンロードタイヤ装着時)
・0-100km/h:2.6秒
・エキゾースト:アクラポビッチ・チタンエキゾーストシステム
・サスペンション:Fダブルウイッシュボーン、Rマルチリンク KW・DDCC/HLS付きソリッド・ピストン・ダンパー
・地上高:オフロードモード250mm/オンロードモード120mm
・ディメンション:全長4714mm×全幅2030mm×全高1450mm(オフロードモード時)
・タイヤ&ホイール:センターロック式20/21インチ鍛造アルミ/ミシュラン・ウルトラハイパフォーマンスタイヤ(オンロード用)、センターロック式19/20インチMPG鍛造アルミ/オールテレーンタイヤ(オフロード用)

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