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全面刷新の新生WorldRX開幕。聖地での一戦はグロンホルムの電動モデルが完全勝利

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全面刷新の新生WorldRX開幕。聖地での一戦はグロンホルムの電動モデルが完全勝利

 プロモーターの契約満了と撤退にともない、新たにFIA国際自動車連盟がイニシアチブを執る2025年の新生WorldRX世界ラリークロス選手権が、5月31日~6月1日にラリークロスの“聖地”として認知されるポルトガルのロウサダで開幕した。

 引き続き持続可能燃料採用の内燃機関(ICE)搭載モデルと、電動最高峰のRX1eが混走する“バトル・オブ・テクノロジーズ”のコンセプトを採用する最高峰クラスでは9台の争いが繰り広げられ、電動モデルを操るニクラス・グロンホルム(PWR RX1e)が予選ヒート最速からの完勝発進を決めている。

遅れに遅れた2025年カレンダーがようやく確定。FIAが運営するWorldRXは全6戦で開催へ

 あらためて昨季終了後にラリークロス・プロモーターGmbHの運営権が切れたことで、同シリーズの新しいプロモーターを模索してきたFIAだが、実際のイベント運営を担う「サービスプロバイダーの支援」を得ながら、当のFIA自身がシリーズに投資することにより「選手権に新たな時代が到来する」としていた。

 そんなロウサダの街で木曜夜に開催されたセレモニーには、何千人もの熱狂的なファンが石畳の旧市街を埋める盛り上がりを見せ、今季2025年もCEディーラーチーム・バイ・ボルボ・コンストラクション・エクイップメントから参戦するクララ・アンダーソン(PWR RX1e)も会場の熱気に圧倒されつつ「これほど多くのファンが集まってくれたのは、本当に驚き」だったと語った。

「到着した瞬間からファンに囲まれ、サインを求められたり、話しかけられたり……本当に特別な体験になったわ」

 同じく今シーズンも家族経営のハンセン・ワールドラリークロス・チームでエントリーするケビン・ハンセン(プジョー208 RX1e)も「このローンチイベントは、ラリークロスが最高潮だった頃の記憶を蘇らせてくれた」とクララに同調した。

「2020年以降で最高のイベントのひとつと言えるだろう。会場は熱狂に包まれ、ファンはサインやセルフィーを求めて列を作っていた。スポーツへの情熱だけでなく、ハンセンファミリーへの熱意も肌で感じられた。本当に素晴らしい体験だったよ」

 明けた金曜のシェイクダウンを経て、土曜から本格的な競技がスタートすると、予選グループが抽選で決定されシーズン初のホールショットを獲得したのはそのケビン・ハンセンに。

 ただし今季より従来の順位スタイルではなく総合タイムで決まるため予選Q1とQ2のタイム結果を通じて好タイムを記録し、Q2のヒート2を最速で上がったグロンホルムが、ティミー・ハンセン(プジョー208 RX1e)とクリストファーソン・モータースポーツ(KMS)のオーレ・クリスチャン・ベイビー(フォルクスワーゲン・ポロKMS 601 RX)らを抑えてトップで初日を終えた。

「今日は最高の出来だった。まったく文句の付けようがないよ!」と順調な滑り出しに笑顔を見せたグロンホルム。

「明日も良い感触だと良いが、期待しすぎないようにしよう。フィールドは非常にタイトで、日曜は戦略が問われる。改善できる点をじっくりと検討し、あとは運を天に任せるだけさ」

 明けた日曜は、まずセミファイナル進出を懸けた最後のふたつの予選ヒートに臨んだ各車のうち、ディフェンディングチャンピオンのヨハン・クリストファーソン(フォルクスワーゲン・ポロKMS 601 RX)は、前日に失った予選ポイントを取り戻すべくスタートダッシュで好調を維持。ヒート2で最大限のポイントを獲得してみせる。

 そのまま内燃機関搭載のKMS製ポロで勢いを維持した前人未到“シリーズ7冠”を誇る絶対王者は、セミファイナルでもEVのライバルたちを抜き去り勝利を収め、決勝グリッドはフロントロウ2番手を確保。同じく前日からの好調を維持したグロンホルムもセミファイナルのもうひとつのヒートを制し、これでポールポジションからファイナルへ臨むことに。

 背後の2列目にはハンセン兄弟、最終列にオーレ・クリスチャンとクララの6台がやや低めの気温のなかミックス・サーフェイスの勝負に挑むと、ターン1でわずかに競り勝ったグロンホルムの動きによりクリストファーソンのラインがわずかに崩れ、ハンセン兄弟がその間隙を突いていく。

 そのままケビンとクリストファーソンは、ターン6のバンク付きグラベルを抜けてジョーカーラップへ突進し、兄のティミーは首位グロンホルムを追走。最終ラップでトップ3がジョーカーに向かうと、最終ヘアピンへの突入は5台による壮大なダイブ合戦となり、このエイペックスでハンセン兄弟が激突する事態に。

 この兄弟対決はティミーに軍配が上がり、フィニッシュラインまでの加速勝負で内燃機関の意地を見せたベイビーが3位に滑り込む結果に。そんな後続のバトルを尻目に、28歳のグロンホルムがWorldRX通算9勝目を飾る締め括りとなった。

「ラリークロスの完璧な展開だったね」と、絶対王者のいない表彰台で幸先良く頂点を射止めたグロンホルム。「週末を通して最高のペースだったとは言えないが、Q2以降はインサイドラインからのスタートがうまくいった」

「とくにターン2では慎重になり過ぎたかもしれないが、ところどころでレースをコントロールできた部分もあったし、今回はそれで充分だった。ここ1カ月はずっと走りっ放しだったから、息子と休暇を楽しもうと思っているよ!」

 開幕戦を終えた新生WorldRXの一行は、7月5~6日にスウェーデンの伝統的なホーリエス・モーターシュタディオンへ移動し、第2戦の開催を予定している。

[オートスポーツweb 2025年06月04日]

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