ベルトーネがデザインした初めてのマセラティ
2025年11月にスイス・チューリッヒで開催されたブロードアローオークションにて、1983年式マセラティ「カムシン」が出品され、落札されました。
【写真】カウンタックと同じガンディーニの作品! マセラティ「カムシン」を見る(29枚)
どんなクルマなのでしょうか。
1972年のトリノ・オートショーでベルトーネによるコンセプトカーとして初披露されたマセラティ・カムシンは、1974年に量産モデルとしてデビューしました。
その車名は、北アフリカの砂漠に吹く熱く激しい風「カムシン」に由来しています。このモデルはマセラティにとってベルトーネとの初めての協業であり、名エンジニア、ジュリオ・アルフィエーリ氏が手がけた最後のモデルでもあります。
デザインを担当したのは、ランボルギーニ「ミウラ」や「カウンタック」で知られるマルチェロ・ガンディーニ氏です。
カムシンは、「ギブリ」譲りのV8エンジンを搭載しつつ、より洗練されたシャシと独立懸架式リアサスペンションを採用しました。
また、当時マセラティを傘下に収めていたシトロエンの影響も色濃く、高圧油圧システムによる可変アシストステアリング、ブレーキ、クラッチ、シート調整、そしてリトラクタブルヘッドライトの制御など、革新的なメカニズムが組み込まれていました。
そのボディデザインは、シャープなウェッジシェイプのプロポーション、非対称のボンネットベント、そして“浮かぶ”ように見えるテールランプを備えたリアガラスパネルなど、ガンディーニならではのモダンで劇的な造形が特徴です。
一方で、マセラティ伝統のグランドツアラーとしての優雅さと快適性も見事に両立させていました。
1974年から1982年までの間に生産されたカムシンはわずか435台と非常に希少であり、マセラティが長年続けてきたフロントエンジンGTの伝統をいったん締めくくるモデルとなりました。その後、このレイアウトが復活するのは数十年後のことです。
今回オークションに出品されたカムシンは、スイス・チューリッヒの正規マセラティディーラー「ビャルシュAG」にて新車販売された個体です。
外装は当初指定されたロッソ・フオコ(ファイアレッド)に一度だけ再塗装されていますが、それ以外はほぼオリジナルの状態を維持しています。およそ30年間にわたりひとつのコレクションに収まり、大切に保管されてきました。走行距離は9万5000km余りで、これは実走行と考えられています。
インテリアにはオリジナルのネロ(ブラック)レザーが残され、年月を重ねた美しいパティナがそのまま残っています。近年には油圧システムの整備も行われており、機械的なコンディションも良好です。
マセラティの伝統的なフロントエンジンGTとしての最終モデルであるこのカムシン、最終的に10万6375スイスフラン(1CHF=190円換算で日本円で約2022万円)で落札されました。(VAGUE編集部)
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みんなのコメント
こういう展示ならまだいいとしても、稼働状態で維持するのはこのクラスの中でも一層大変そうね。