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デザイナーが語るBMWとアルピナの未来の姿 「近々包括的な発表」

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デザイナーが語るBMWとアルピナの未来の姿 「近々包括的な発表」

刺激よりも、価値を加えたい

昨年末にBMWに加わったデザイナー、マクシミリアン・ミッソーニ氏はこの7か月間で、同社独自のアプローチと「美しい過去」を学んできた。2035年以降の未来を左右する中級・上級モデル群を創出するためだ。

【画像】北欧デザインの本質を捉えたミッソーニ氏の作品【ポールスター4とボルボXC40を詳しく見る】 全37枚

スウェーデンのポールスター(その前はフォルクスワーゲン)から移籍したミッソーニ氏は、今やBMWの豊かなレガシーを最大限活用し、10年先のバイエルンの高級車を形にするという責務を負っている。

ミッソーニ氏は同時に、アルピナのデザインも担当している。アルピナはかつて半独立系の高性能車ブランドだったが、2022年にBMWの完全子会社となることに合意した。

オーストリアで生まれ、英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アートで学んだミッソーニ氏は今年45歳。BMWグループのデザイン総責任者エイドリアン・ファン・ホーイドンク氏が編成したデザイン「内閣」の一員となった。

ミッソーニ氏はBMW 3シリーズから上位のモデルのデザインを担当しており、アルピナの同等モデルも手掛ける見込みだ。同僚には、ロールス・ロイスのドマゴイ・デュケク氏、Mモデルとミドルサイズ車を担当するオリバー・ハイルマー氏、ミニのホルガー・ハンプフ氏がいる。

したがって、ミッソーニ氏の作品によってBMWブランドの将来の評価が築かれることになるだろう。彼自身も、ブランドの歴史と評価の重要性をよく理解している。

「入社前から、BMWが自らの価値の本質を失うことなく、時に自らを刷新してきた姿勢を深く尊敬していました。伝統を守りながら革新を起こすには勇気が必要です。それを成し遂げられる者は多くありません」と彼は語る。

「だからこそ、わたしはこの会社に加わりたいと思ったのです」

ここで1つ疑問が浮かぶ。ミッソーニ氏の就任は、ルールを壊す革新の時代、物議を醸したクリス・バングル氏の時代を彷彿とさせるものとなるのだろうか?

彼は否定する。「わたしの仕事は、深みと質が伴うものになることを願っています。しかし、わたしは刺激よりも、価値を加えるためにここにいるのです」

デザインは不足を補うものではない

アルピナ関連の成果は「間もなく」見られるというが、現時点では詳細は明かされない。ミッソーニ氏と筆者がビデオ通話でやり取りする傍らで、画面外に「監視役」が2人控えていることも一因だ。

「ブランドは今やBMW傘下になりました。そのため、最初の構想を近々発表したいと考えています。現在準備を進めており、きっとワクワクするようなものを示せるだろうと確信しています」

アルピナは従来、独特のエンジン音やレスポンスといった要素でBMWの標準車と差別化してきた。電動化時代においては、そうしたチューニングメーカーらしいエンジニアリング的要素を新たに特別な外観などで代替する必要性があるのではないか。そうした筆者の提案に対し、ミッソーニ氏は少し反発するように、こう答えた。

「わたし達は常にデザインで特別なことを成し遂げたいと考えています。デザインは、足りない何かを補うためのものではありません。常に卓越したものであるべきです。アルピナブランドについては、近々包括的な発表を行い、すべてを説明いたします。もう少しお待ちください」

ミッソーニ氏の最も重要な課題である大型車に話題を移す。彼は、大型車カテゴリーにおける他社ブランドとの競争の激しさを熟知しており、ライバルの欧州メーカーはさらに高級路線を推し進める傾向にあると指摘する。

「それは正しいことだと思います。多くのブランドで、フィーチャー・コンテンツを通じたラグジュアリーの民主化がすでに始まっています。中国でも同様です。しかし、真のラグジュアリーは、ストーリーテリングと、数十年にわたる信頼と実績がますます重要になってきているとわたしは思います。こうした価値観のルネッサンスは、まだ始まったばかりです」

デザイナーとしての仕事とは?

究極の目標は、言うまでもなくアイコンとなるクルマを定期的に生み出すことであり、BMWはまさにそれを成し遂げてきた。ミッソーニ氏は、その秘訣を突き止めたと確信しているようだ。BMWが自社のデザイン価値観をこれほど効果的に再定義できたことに、筆者自身も安堵の念を覚えている。

「人々がクラシックとして記憶するクルマは、デザインとテクノロジーの二大要素が見事に調和した時に生まれることが多い。漸進的なデザインの集大成として真のクラシックカーが生まれることは稀です」

「アイコンになるには確かな根拠が必要です。デザイナーとしてのわたし達の仕事は『先見の明を持つ者』となり、新たな形式や次元を提案し、その空白を埋めるテクノロジーを探求することです。それを見つけられれば、アイコンを生み出すための条件が整います」

今後量産体制に入るノイエ・クラッセ車(少なくともその一部)はBMWの「クラシック」となるだけの強い根拠があると、ミッソーニ氏は言う。

「ノイエ・クラッセ車はブランドの本質に大きく焦点を当てています。同時に、まったく新しいパワートレインを備えています。プロポーションは電動化の影響を強く受けていますが、デザインはBMWの本質に立ち返っています」

「おそらく、それがあなたに安堵感を与えたのでしょう」

BMWにおける自身の役割を語るミッソーニ氏は、自動車デザイナーの仕事が創造性だけでなく哲学にも深く根ざしたものであることを明確に示している。

「かつてのクルマは、ある種シンプルでした。欲しいものがすべて揃っていたわけではありませんが、必要なものは簡単に見つけられました。それがユーザーに充足感を与えていたのです。ここしばらくは過剰な複雑化が進んでいます。ソフトウェアによって車載機能を調整できるようになったため、そうする方が賢明かもしれません。一度操作方法を覚えれば、ユーザーエクスペリエンスが向上する可能性が高いからです」

「わたしが非常に興味深いと思うのは、人工知能(AI)が内部システムの深い複雑さと、わたし達の求めるミニマルなインターフェースの間のレイヤーになり始めていることです。このAIレイヤーは、ユーザーの行動を予測でき、何が必要かを理解します。ユーザーがシステムを理解する必要はなく、システムはユーザーを助けてくれます。これは、わたし達が求めるシンプルさと、現代的な機能の深みを両立させる素晴らしい方法です」

ミニマリズムと洗練

建築家の両親を持つミッソーニ氏は、モダンデザイン思考に満ちた家庭で育った。はじめはボートのデザインに興味を持ったが、海に縁のない十代の少年には少し変わった趣味だったと彼自身も認めている。ボート雑誌で、1989年のフェラーリのコンセプトカー『ミトス』が掲載されたピニンファリーナの広告を目にした時、動くモダンデザインを創造する仕事に興味を持った。

今でもボートは好きだが、ボートよりクルマの方が多くの人々の生活に身近であり、それがクルマの魅力だという。ミッソーニ氏はオーストリアのリンツの大学で学士号を取得後、ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートで自動車デザインを専攻。卒業後はヴォルフスブルクのフォルクスワーゲンで働き、2015年に発表された『XL1』のコンセプトの設計を主導した。

このXL1と、その後に手掛けたボルボやポールスターのデザインはスカンジナビアンデザインの本質を巧みに捉えたとして、いずれも高く評価され、ミッソーニ氏は現代車のミニマリズムと洗練性を熟知したデザイナーとしての名声を確立した。ミニマリズムと洗練、これらは彼の作品を形容する際に最もよく使われる言葉である。

しかし、2018年にポールスターに移ってから、ミッソーニ氏は理想的なデザインの目標として「純粋さ」を好むようになった。

「わたしは『純粋さ』を好みます。『ミニマリズム』という言葉は、何かが省かれたり削られたりしている印象を与えがちですが、実際にはそうではありません」

「未来のデザインについて、わたし達が伝えたいのは『必要な時に必要なものを提供でき、何も不足しない』という概念です。これはミニマリズムではありますが、言葉の真の意味ではそうではありません」

自動車デザイナーの世界へようこそ。

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
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みんなのコメント

2件
  • sho********
    豚鼻は嫌いです。むかしの8とかの控えめの腎臓が良いなぁ。今のは腎嚢胞肥大ですね
  • vsp********
    お前が戦犯か!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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