現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > みんなが「ガードレール」だと思ってるもの 実は違った!? じゃあ一体何? 道路脇に設置される“柵”の正体とは?

ここから本文です

みんなが「ガードレール」だと思ってるもの 実は違った!? じゃあ一体何? 道路脇に設置される“柵”の正体とは?

掲載 更新 10
みんなが「ガードレール」だと思ってるもの 実は違った!? じゃあ一体何? 道路脇に設置される“柵”の正体とは?

■「ガードレール」は「防護柵」の一種だった!

 車道と歩道のあいだに設置されていたり、あるいは車道の上下線を隔てるように設置されている鉄製の柵などを、十把一絡げに「ガードレール」と呼んでいます。
 
 しかし、実はこれらの総称は「防護柵」といい、ガードレールは数ある防護柵のひとつでしかありません。
 
 そもそも防護柵とはどういう目的で設置され、そのなかのどういったものがガードレールと呼ばれるのでしょうか。

知らなかった! 車の「スマートキー」でできる「めちゃ便利」なプラス機能に「それ欲しい!」と反響続々

 防護柵は、車両を対象とする「車両用防護柵」と、歩行者などを対象とする「歩行者自転車用柵」に区分されます。

 国土交通省は、車両用防護柵について「進行方向を誤った車両が路外、対向車線または歩道等に逸脱するのを防ぐとともに、車両乗員の傷害および車両の破損を最小限にとどめ、車両を正常な進行方向に復元させることを目的とした施設」と定義しています。

 一方の歩行者自転車用柵は、歩行者や自転車の転落、もしくはみだりな横断を抑制する目的で設置されています。

 また、車両用防護柵は「剛性防護柵」と「たわみ性防護柵」に大別され、前者は主たる部材を変形させない構造で車両逸脱防止性能に優れるのが特徴です。簡単にいうとコンクリート製の壁で、形状の違いにより「単スロープ型」「フロリダ型」「直壁型」などがあります。

 後者のたわみ性防護柵は支柱と水平材から構成され、部材が変形することで車両衝突時の衝撃を和らげる防護柵です。

 水平材の種類により4つのタイプがあるのですが、波形断面の横長な鋼板を使用しているタイプがガードレールになります。ちなみに鋼板が平面でないのは、強度を高めるためだといいます。

 そのほか、複数のパイプを水平に配置する「ガードパイプ」、鋼製ロープを使用した「ガードケーブル」、そして大きめの角パイプがいかにも堅牢そうな「ボックスビーム」があります。

 また、近年増えてきているのが、弱めの支柱と張ったワイヤーロープを組み合わせた「ワイヤーロープ式」です。これは、車両がぶつかったときに支柱は折れるものの、残ったワイヤーでクルマを受け止め反対車線への逸脱を防ぐ仕組みになっています。

 それぞれの使い分けは、設置箇所、つまり道路の区分や幅(路側の余裕)、設計速度、交通量、気象条件などが考慮されます。たとえば、高速道路の分離帯には強度の高いボックスビームが、降雪地帯では雪の積もりにくいガードケーブルが採用されることが一般的です。

■車両用防護柵の課題とは?

 万一の際に車両の逸脱を防ぎ、乗員の安全を確保し、車両を誘導するなどして被害を最小限に食い止める優秀な車両用防護柵ですが、問題点がまったくないワケではありません。

 なかでも、かねてから課題とされていたのが「防護柵が景観に与える影響」についてです。

 道路に沿って連続的に設置される防護柵は、道路景観を構成する要素のひとつといえます。しかし、被視認性や視線誘導性の観点からガードレールは白色が標準とされていたため、景色に溶け込まず悪目立ちしてしまっていたのも事実です。

 21世紀に入り「美しい国づくり」を進める日本としては、防護柵も景観に配慮していくことが必要と景観法が施行されました。それと同じ2004年には、国土交通省が「景観に配慮した防護柵の整備ガイドライン」を策定しました。

 白色以外にダークグレー(濃灰色)、ダークブラウン(こげ茶色)、グレーベージュ(薄灰茶色)なども選べるようになり、現在は景色が見やすいガードパイプやガードケーブルの設置数も増加中です。

 そのほかでは、たわみ性防護柵の特性なので問題とまではいえませんが、クルマが衝突すると変形して壊れてしまう、緩衝材としての役目を終えてしまうのも一考の余地がありそうです。

 鋼製ガードレールの耐用年数は20年から40年とされていますが、少しの変形でも機能を果たせない可能性があるため交換しなければいけません。

 また、防護柵は長い距離でつながっているため、ぶつけた所だけでなく離れている所まで被害が及んでしまうのも難しいところです。

※ ※ ※

 少しの衝突でも広範囲にわたる交換が必要になる防護柵に万が一クルマをぶつけてしまったら、当然ながら弁償しなければなりません。

 代金は防護柵の種類や強度により異なりますが、1mあたり5000円から4万円程度。もちろん1mだけで済むことは少なく、さらには支柱やその基礎、工事の人件費や通行止めにする必要があればその費用も加算され、ちょっと当てただけなのに数十万円の請求なんていう話もザラにあるようです。

 ただ幸いなことに、ほとんどの自動車保険(任意保険)の対物賠償保険で補償の対象になっているので、加入していれば個人で支払うことはありません。しかし、翌年以降の保険料を考えたら気を付けるに越したことはありません。

 なお、防護柵に車両をぶつけてしまったら、運転者は警察と道路管理者に報告する義務があります。もしそのまま走り去ってしまうと当て逃げになり、違反点数と罰則が科せられますので、くれぐれもご注意ください。

関連タグ

こんな記事も読まれています

最近、街のあちこちで「色のついた道路」を見かけるワケ
最近、街のあちこちで「色のついた道路」を見かけるワケ
Merkmal
走行中に飛んでくる「謎の石」!? ガラスも割れる恐怖の「飛び石」なぜ発生!? 実際に被害を受けたらどうすれば良いの?
走行中に飛んでくる「謎の石」!? ガラスも割れる恐怖の「飛び石」なぜ発生!? 実際に被害を受けたらどうすれば良いの?
くるまのニュース
なんで教えてくれないの? 「給油の方法」「パッシング」… 教習所で習わないドライバー間の「暗黙のルール」 指導しない理由とは
なんで教えてくれないの? 「給油の方法」「パッシング」… 教習所で習わないドライバー間の「暗黙のルール」 指導しない理由とは
くるまのニュース
違反になるかも? 軽く押すと「自動でチカチカ」 3回は不十分? 普及進む「ワンタッチウインカー」とは
違反になるかも? 軽く押すと「自動でチカチカ」 3回は不十分? 普及進む「ワンタッチウインカー」とは
くるまのニュース
交差点右左折後の「シレっと車線移動」はルール違反!? 曲がった先の“進路”には「決まり」あり! 注意したい「交差点の曲がり方」とは
交差点右左折後の「シレっと車線移動」はルール違反!? 曲がった先の“進路”には「決まり」あり! 注意したい「交差点の曲がり方」とは
くるまのニュース
えっ…? 駐めちゃダメなの? 禁止の標識は無いけど… 免許あれば分かる交通ルールとは
えっ…? 駐めちゃダメなの? 禁止の標識は無いけど… 免許あれば分かる交通ルールとは
くるまのニュース
「眩しいライト」は点けるべき! でも「条件次第」では違反になる? 原則点灯の「ハイビーム」 正しい使い方は?
「眩しいライト」は点けるべき! でも「条件次第」では違反になる? 原則点灯の「ハイビーム」 正しい使い方は?
くるまのニュース
9年ぶりに新型「ランクル70」発売! 既存モデルは全国で活躍してた? トラブル時にやってくる「JAF70」、新型採用はあるのか
9年ぶりに新型「ランクル70」発売! 既存モデルは全国で活躍してた? トラブル時にやってくる「JAF70」、新型採用はあるのか
くるまのニュース
クルマに備わる「謎のNシフト」って何のため? AT車のDは前進、Rは後進だけど…Nは何?
クルマに備わる「謎のNシフト」って何のため? AT車のDは前進、Rは後進だけど…Nは何?
くるまのニュース
なぜ地域によって「教習内容」違う? 学科は同じも「技能」は地域差あり! 自動車教習所「特別項目教習」設定の理由は?
なぜ地域によって「教習内容」違う? 学科は同じも「技能」は地域差あり! 自動車教習所「特別項目教習」設定の理由は?
くるまのニュース
元警察官が大まじめに教える!「オカルトかもしれないけど、無事故・無違反の秘訣とは!?」
元警察官が大まじめに教える!「オカルトかもしれないけど、無事故・無違反の秘訣とは!?」
モーサイ
タイヤの空気圧「ちょっと高め」なぜ推奨される? どれくらい高めがベスト? 高めのメリット・デメリットは?
タイヤの空気圧「ちょっと高め」なぜ推奨される? どれくらい高めがベスト? 高めのメリット・デメリットは?
くるまのニュース
凍ったガラスに「お湯」はNG! クルマの窓ガラスが凍結どう対処? 事前事後の対応方法とは
凍ったガラスに「お湯」はNG! クルマの窓ガラスが凍結どう対処? 事前事後の対応方法とは
くるまのニュース
タイヤ脱落事故はなぜ起こる? タイヤ交換1か月後には必ず締め具合の点検を!
タイヤ脱落事故はなぜ起こる? タイヤ交換1か月後には必ず締め具合の点検を!
くるくら
なぜ「真っ直ぐ」じゃない? 斜めの横断歩道が愛知県に存在! あえて斜めにしている理由とは
なぜ「真っ直ぐ」じゃない? 斜めの横断歩道が愛知県に存在! あえて斜めにしている理由とは
くるまのニュース
「ガス欠」が「交通違反」に!? 「ついうっかり」じゃ済まない! 不慣れな「週末ドライバー」の注意ポイントとは
「ガス欠」が「交通違反」に!? 「ついうっかり」じゃ済まない! 不慣れな「週末ドライバー」の注意ポイントとは
くるまのニュース
「黄色」は“注意して進め”「じゃない」!? 実は間違って覚えてた? 再認識したい「黄色信号の原理原則」とは
「黄色」は“注意して進め”「じゃない」!? 実は間違って覚えてた? 再認識したい「黄色信号の原理原則」とは
くるまのニュース
一体なんのためにある? 最近高速道路でよく見る「重量超過警告板」の意味とは
一体なんのためにある? 最近高速道路でよく見る「重量超過警告板」の意味とは
バイクのニュース

みんなのコメント

10件
  • 数ある「防護柵」の中の一つが「ガードレール」。  承知しました・・。

    仰々しいタイトルと、難解な書き出しで、面白味をだそうとしたのが、完全にすべった記事ですね。
  • >「ガードレール」は「防護柵」の一種だった!

    他のなんだと言うのか?
    アタマダイジョブデスカ?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?

あなたの愛車いまいくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで! 登録してお得なクーポンを獲得しよう
マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

ログイン

中古車探しをもっと便利に

  • 中古車お気に入り管理
  • おすすめ中古車の表示

あなたにおすすめのサービス

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車いまいくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村