現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > スライドドアの広さだけを見ても使い勝手はわからなかった! ノアヴォク・ステップワゴン・セレナの後席乗降性をプロがズバリ判定

ここから本文です

スライドドアの広さだけを見ても使い勝手はわからなかった! ノアヴォク・ステップワゴン・セレナの後席乗降性をプロがズバリ判定

掲載 12
スライドドアの広さだけを見ても使い勝手はわからなかった! ノアヴォク・ステップワゴン・セレナの後席乗降性をプロがズバリ判定

 この記事をまとめると

■Mクラスミニバンの後席環境を比較

新型ステップワゴンは先代の秘密兵器「わくわくゲート」が廃止! ものすごーく便利なのに「不評」だった理由とは

■新型ノア&ヴォクシーと新型ステップワゴンはどちらも先代より使い勝手がいい

■オプション費用の差額が結構あり、消費者には悩みの種になると予想される

 Mクラスミニバンたちの後席環境をチェックしてみた

 2022年1月に4代目ノア&ヴォクシー、5月に6代目ステップワゴンが登場し、国産Mクラスボックス型ミニバンの熾烈な争いが再燃。先代同士ではノア&ヴォクシーに圧倒的な差を付けられていたステップワゴンがどう戦いを繰り広げるかも見モノである。

 で、ここでは多人数乗用車であるミニバンの大きな特徴、使い勝手の良否にかかわる、特等席の2列目席のスライドドアからの乗降性を対決させてみたい。ただ、ステップ高、スライドドア開口部だけを見るのではなく、乗り込んでからの着座性、立ち上がり性(シート位置)、そしてアシストグリップ、補助ステップについてもチェックすることにした。

 まずは3車のスライドドアまわりの寸法から(筆者の実測値)。ノア&ヴォクシーはスライドドア開口部の地上高370mm。かつ、いわゆる段差のない掃き出しフロアのワンステップフロアを採用。スライドドアの開口部は幅780mm、高さ1250mm。

 ステップワゴンはスライドドア開口部の地上高380mm。かつ、いわゆる段差のない掃き出しフロアのワンステップフロア。スライドドアの開口部は幅770mm、高さ1260mm。

 セレナはスライドドア開口部の地上高が1段目360mm。フロアはそこから1段高い(60mm)地上420mmの高さにある二重フロアとなる。

 スライドドアの開口部は幅800mm、高さ1305mm。スライドドアの幅はともかく、高さ方向の数値が大きいのは、1段目のステップから計っているから。

 実際の乗降高(フロア基準)は、1305mm-60mmの1245mmと見ることもできる。

 後席の乗降性はどちらも優秀! しかし問題点も……

 よって、まず言えることは、高齢者や足腰の弱い人にとっては、ノア&ヴォクシーとステップワゴンのワンステップフロアが乗降に有利なことは間違いないところだろう。スライドドア開口部の寸法差は微小で、そこだけを見れば、乗降性に大きな違いはないと思える。

 が、ノア&ヴォクシーにはスライドドアからの乗降に、先代以上の秘策があった。

 まずはセンターピラーにあるアシストグリップだ。ステップワゴン、セレナは横U字デザインのアシストグリップが比較的高めの位置にセットされている。

 一方、ノア&ヴォクシーは縦長かつ、下ほぼ半分が、子供の小さな手や握力の弱った高齢者でも握りやすいように、小学生用の自転車のハンドルグリップ径を参考に、細めに作られているのである。家族全員が乗るファミリーミニバンとしては、なかなかの配慮、アイディアと言える。

 パワースライドドアに連動して展開する補助ステップは、先代同様、ノア&ヴォクシーとステップワゴンに用意されている。が、先代ノア&ヴォクシー、新型ステップワゴンの純正アクセサリー価格は、電動ということもあり20万円近い。ちょっと抵抗がありすぎる価格ではないか。

 しかし、新型ノア&ヴォクシーは、カラクリを使った非パワーとし、3万3000円のオプション価格を実現。小さな子供や足腰の弱った高齢者のいるファミリーにはもってこいの配慮、装備となりうる。ちなみにセレナは1段目のステップが地上360mmと低いことから、純正補助ステップは用意していないのだろう。

 と、ここまでは比較的わかりやすいスペックを用いた各車の乗降性比較になるのだが、じつは、実際の乗降はシートに座り、立ち上がるまでの一連の動作と考えるのが正しい。乗り込みはラクでも、座るのが、そして立ち上がるのが大変……では、乗降性に優れているとは言えないからだ。

 そこで、2列目席の座りやすさ、立ち上がりやすさのポイントになるのが、2列目席のフロアからシート先端までの高さ=ヒール段差。これが高いと腰の移動量が少な目で座ることができ、一方、立ち上がる際も、ローソファより座面が高めのダイニングの椅子のほうが立ち上がりやすいのと同じで、着座性、立ち上がり性で有利になるのである。

 3車の2列目席ヒール段差は、ノア&ヴォクシーが370mmとかなり優秀。ステップワゴンとセレナは340mmとまずまずの合格点となるが、少なくとも2列目席に乗り込んでからの座りやすさ、立ち上がり性の良さを含め、後席スライドドアからの乗降性では、新型ノア&ヴォクシーがほんの少しリードしていると言っていいだろう。

 ちなみに新型ステップワゴンの7人乗りとセレナの2列目席は、キャプテンタイプながら中寄せスライド機構によってセミベンチシート化が可能(ノア&ヴォクシーの先代も)。

 しかし、新型ノア&ヴォクシーの2列目キャプテンシートはストレート超ロングスライド機構を備えた代わりに、2列目キャプテンシートの中寄せ機構は付かなくなっている。

 家族に小さな子供や、足腰の弱った高齢者がいる場合は、そうした各部のスペックを参考にして、最適なMクラスボックス型ミニバンを選んでいただきたい。なお、Sクラスミニバン&プチバンの後席乗降性選手権については、改めて紹介、報告したい。

こんな記事も読まれています

運転免許証「12桁の数字」どんな意味? 個人情報はドコまで分かる?最後の“1桁“に隠れているコトとは
運転免許証「12桁の数字」どんな意味? 個人情報はドコまで分かる?最後の“1桁“に隠れているコトとは
くるまのニュース
バイクのタイヤ交換した! 交換したタイヤのベストな保管方法とは
バイクのタイヤ交換した! 交換したタイヤのベストな保管方法とは
バイクのニュース
レンジローバー最初のEV、プロトタイプの写真を公開
レンジローバー最初のEV、プロトタイプの写真を公開
レスポンス
東京ディズニーの新ホテル、1泊34万円超の豪華客室も[新聞ウォッチ]
東京ディズニーの新ホテル、1泊34万円超の豪華客室も[新聞ウォッチ]
レスポンス
遂に試乗!原点回帰のランクル新型「250シリーズ」。「300」、「70(ナナマル)」、先代もイッキ乗り!!
遂に試乗!原点回帰のランクル新型「250シリーズ」。「300」、「70(ナナマル)」、先代もイッキ乗り!!
月刊自家用車WEB
フェラーリが大型スポンサー契約締結! 米テクノロジー大手とのタッグでチーム名も『スクーデリア・フェラーリ HP』に
フェラーリが大型スポンサー契約締結! 米テクノロジー大手とのタッグでチーム名も『スクーデリア・フェラーリ HP』に
motorsport.com 日本版
渋滞40kmも!? 関越道「イライラGW渋滞」今年はいつが酷いのか 「穴場の時間帯」知ればストレス全然違う!? 鬼門の「高坂SA」の状況は
渋滞40kmも!? 関越道「イライラGW渋滞」今年はいつが酷いのか 「穴場の時間帯」知ればストレス全然違う!? 鬼門の「高坂SA」の状況は
くるまのニュース
あの「ハチハチ」を再現!! ホンダ「NSR250R」が1/12スケール完成品モデルで新登場
あの「ハチハチ」を再現!! ホンダ「NSR250R」が1/12スケール完成品モデルで新登場
バイクのニュース
アストンマーティン『DBX』に改良新型、内装一新…707馬力仕様に一本化
アストンマーティン『DBX』に改良新型、内装一新…707馬力仕様に一本化
レスポンス
スバル、レガシィセダンの生産を2025年春に終了 セダンはWRXのみのラインアップへ
スバル、レガシィセダンの生産を2025年春に終了 セダンはWRXのみのラインアップへ
日刊自動車新聞
三菱ふそう、キャリアカー仕様のeキャンター新型など展示予定…ジャパントラックショー2024
三菱ふそう、キャリアカー仕様のeキャンター新型など展示予定…ジャパントラックショー2024
レスポンス
フェイスリフトされた新型「アウディ A3」をテスト&徹底チェック!第4世代A3の性能と評価は?
フェイスリフトされた新型「アウディ A3」をテスト&徹底チェック!第4世代A3の性能と評価は?
AutoBild Japan
いすゞとUDトラックス、ジャパントラックショー2024に共同で出展へ
いすゞとUDトラックス、ジャパントラックショー2024に共同で出展へ
レスポンス
新型ヴェゼルがビッグマイナー! 新グレードも!
新型ヴェゼルがビッグマイナー! 新グレードも!
グーネット
やっぱりダイハツ不正の影響は大きい! 2023年度の新車販売台数ランキング「盤石のクルマ」と「急落したクルマ」
やっぱりダイハツ不正の影響は大きい! 2023年度の新車販売台数ランキング「盤石のクルマ」と「急落したクルマ」
WEB CARTOP
レッドブルF1、注目集まる2025年ドライバーラインアップ決定は”シーズン終盤”に「我々は今のペアで満足」
レッドブルF1、注目集まる2025年ドライバーラインアップ決定は”シーズン終盤”に「我々は今のペアで満足」
motorsport.com 日本版
ダイハツの「軽バン」は何に使える? 「車中泊好き」オジサンにピッタリ!? フラットフロアできる「アトレー」とは
ダイハツの「軽バン」は何に使える? 「車中泊好き」オジサンにピッタリ!? フラットフロアできる「アトレー」とは
くるまのニュース
最高に便利なアイデア! 大事なギアを保護して、スッキリ収納にも役立つ b/c 「CRUMM CR」【車に積みたいアウトドアアイテム】
最高に便利なアイデア! 大事なギアを保護して、スッキリ収納にも役立つ b/c 「CRUMM CR」【車に積みたいアウトドアアイテム】
月刊自家用車WEB

みんなのコメント

12件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

276.9479.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

5.8499.9万円

中古車を検索
セレナの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

276.9479.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

5.8499.9万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村