7月19日午前、静岡県の富士スピードウェイで全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦の決勝レースが行われ、接触やペナルティなどで荒れ模様となるなか、9番手からスタートしたイゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)が自身2勝目を挙げた。
■「グリッド上での路面改変行為」で太田ら2台にペナルティ
「迷わず飛び込んだ」フラガが3ワイドを制し逆転勝利。野尻はスリップの威力に驚き、坪井はセット変更で復調の兆し【第3戦決勝会見】
本来4月末に大分県のオートポリスで開催予定だった第3戦は、土曜に公式予選までを終えていたものの、日曜の悪天候によってオートポリスで決勝を実施できなくなった結果、第6・7戦が行われる富士の週末での代替開催が決定されていた。
この代替第3戦決勝はオートポリスでの予選結果によりスターティンググリッドを決定。レース距離は25周または50分間となり、ドライタイヤでスタートした場合の交換義務がないスプリントレースとなる。レース距離150km未満(114.075km)となるため、この決勝レース結果に対する選手権ポイントは1位12、2位9、3位7、4位6、5位5、6位4、7位3、8位2、9位1ポイントが与えられる。
なお、6月30~7月1日に行われた富士公式テスト、ならびに第6戦以降でジュリアーノ・アレジがドライバーに起用されているKCMGの9号車だが、第5戦までこのシートに座り、オートポリスで開催された予選を15番手で通過している野中誠太が、第3戦代替レースの決勝に出走。野中は金曜日の専有走行にも出走しておらず、完全にぶっつけ本番で第3戦決勝に臨んでいる。
4月25日にオートポリスで実施された公式予選は、今季初めてQ3まで3段階のノックアウト式で行われ、岩佐歩夢(TEAM MUGEN AUTOBACS)がポールポジションを獲得。2番手にはポイントリーダーの太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がつけていた。3番手には岩佐のチームメイトである野尻智紀、以下、サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)、阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)というトップ6のスターティングオーダーとなった。
気温29度/路面温度34度という曇りのコンディションのなか、10時05分にフォーメーションラップが開始。スタートではポールポジションの岩佐が出遅れ、太田が先頭でTGR(1)コーナーへと進入していく。その後方では好スタートを見せた阪口がTGRコーナーアウト側から2番手を奪い、野尻、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がこれに続いた。
大きく出遅れた岩佐は、中団に飲み込まれるようにTGRコーナーにアプローチするが、混戦のなかで行き場を失った数台が接触し、これに岩佐も巻き込まれる形となってしまう。岩佐は2コーナー先でマシンを止め、ポールシッターが早々にリタイアすることとなった。
接触のあったとみられるロマン・スタネック(Buzz MK RACING)、福住仁嶺(NTT docomo Business ROOKIE)、ザック・オサリバン(TEAM IMPUL)らはポジションを落としながらも走行を継続。そして前方では9番手から一気にポジションを上げたフラガがダンロップコーナーへの進入で牧野をパスして4番手にまで浮上した直後、TGRコーナーでのアクシンデントの処理のためセーフティカー(SC)が導入されることとなった。
SCランは9周終了時点まで続き、10周目から競技が再開されることに。ここで4番手のフラガがオーバーテイクを試みてTGRコーナーに向けて野尻・阪口と3ワイドになると、その前を行く太田、そして阪口がコース外までオーバーランを喫しポジションを失うなか、フラガが首位奪取に成功。以下、野尻、阪口、太田、牧野というオーダーのトップ5へと局面が変わった。
この再開周、13コーナーでJuju(HAZAMA ANDO Triple Tree Racing)と野村勇斗(San-Ei Gen with B-Max)が接触。右リヤを壊したJujuがコース脇にマシンを止めたことにより、再びSC導入となった。
14周終了時点でレースが再開すると、このタイミングで太田と笹原右京(REALIZE KONDO RACING)に、グリッド上の路面改変行為により10秒のタイムペナルティ加算という裁定が下った。ブロワーを使って濡れた路面を乾かす行為があったものとみられ、これがスーパーフォーミュラ統一規則26.18条(コースを走行したことによる場合を除き、競技参加者はコース路面のいかなる部分も改変するよう試みてはならない)に違反したとの判定となった。
■上位を走る阪口に悲劇
再開直後、TGRコーナーでは阪口が野尻に仕掛けるが、コカ・コーラコーナーまでに野尻が防御に成功。翌16周目には、ダンロップ進入で太田が阪口を攻略し3番手へとポジションを上げたほか、17周目のTGRコーナーでは坪井が牧野をオーバーテイクするなど、上位勢にも動きがみられる後半戦となった。
そして、太田にかわされた直後の4番手阪口には悲劇が。マシントラブルが起きたかスローダウンを喫し、無念のピットイン。阪口がコクピットで悔しさを爆発させるなか、マシンはガレージへと入れられた。
首位に立ったフラガは終盤まで危なげない走りで2番手以下とのマージンをキープ、トップチェッカーを受けた。2秒差の2位には野尻。3番目にチェッカーを受けた太田は10秒加算により8位へと降格し、代わって坪井が表彰台の最後の一角を手に入れた。
4位以下は牧野、フェネストラズ、大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)というオーダーとなり、終盤にスタネックをオーバーテイクしたルーキーの小林利徠斗(KDDI TGMGP TGR-DC)が7位に入って初ポイントを獲得している。8位は太田、9番目でチェッカーを受けたスタネックはリスタート時の追い越しにより30秒加算のペナルティを受け、代わって9位に入った佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)までが入賞という結果となった。
昨年ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得したフラガは、これがスーパーフォーミュラ2勝目。2026シーズンでは初表彰台となった。「すべてがうまく行って、気づいたら4番手でリスタートすることができて、そこから運も重なったんですけど、いい位置にいいタイミングでいることができた。めちゃくちゃ嬉しいです」と2025年第10戦(本来富士で予定、悪天候により鈴鹿で決勝を実施)以来の勝利を喜んだ。
富士ではこのあと15時35分から、第7戦の決勝レース(41周または75分)が予定されている。
[オートスポーツweb 2026年07月19日]
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スペースある場所はレッカー要らないでしょ