11月5日、モビリティリゾートもてぎを舞台に開催されたスーパーGT第8戦。シーズン締めくくりとなるこの一戦でGT300クラスを制したのは、88号車JLOCランボルギーニGT3の小暮卓史、元嶋佑弥組だった。
小暮と元嶋のコンビは、2023年で結成5年目。苦しみ続けた先のGT300クラス初勝利に、喜びと共に結果をまずひとつ残せたという安堵の気持ちが大きいとふたりは振り返った。
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前日に行なわれた予選では、元嶋がQ1のA組でトップ通過を果たすと、バトンを引き継いだ小暮がQ2で2番手タイムをマーク。好位置から決勝に挑むことができた。
決勝では、前半を担当した元嶋がポールスタートの2号車muta Racing GR86 GTを15周目の3コーナーで交わしてトップで小暮にドライバー交代。レース後半には雨が路面を濡らすこともあったものの、チェッカーまで小暮がマシンを運んでJLOCに嬉しい勝利を届けた。
88号車としては今季第4戦からランボルギーニ・ウラカンGT3の“Evo2”にアップデートしており、マシン成熟をゼロから行ないながらのシーズン後半戦になった。前戦オートポリスからは、イタリア本国からランボルギーニのエンジニアが来日し、強力なバックアップ体制を敷くこともできていたという。
「走り始めからスピードがあることは分かっていました」と元嶋は振り返った。
「今年ウラカンEvo2を投入してからなかなか苦しんでいましたが、前回のレースからイタリア本国のエンジニアがサポートに来てくれて、僕らをサポートしてくれました」
「そのおかげもあり、今回がようやくウラカンEvo2のポテンシャルを引き出すことができた最初のレースになったと思っています」
「正直、決勝レースにはものすごく自信があったので、ファーストスティントはまずミスをしない、ぶつからないということを考えていましたが、今日は攻めるべきレースだとも分かっていました。2号車mutaの平良(響)選手をオーバーテイクしてからは、とにかくタイヤやクルマを大事にしつつ、小暮選手のために少しでもマージンを作るために必死にプッシュしました」
「皆さんの色んな力が組み合わさって、いいレースができたと個人的には思っています」
元嶋だけでなく、GT500クラスで名を馳せたベテランの小暮としても、これがGT300クラスでの初優勝。チーム全体としても今回の優勝で心持ちも変わってくるとして、来季以降に向けた転機になると語った。
「結果が出ない時期は苦しかったですが、今回最終戦もてぎで優勝したという事実によって、僕だけではく元嶋選手もチームも気分が楽になったところがあります」
「レースには流れがあると思いますし、来シーズンに向けて僕らは良い流れに乗りつつあると思っています」
「もちろん、決して簡単にはいかないと思っていますし、厳しいレースが沢山待っているはずです。しかし6年間(編注:実際には今年で5年目)やってきて、まずここで勝てたというのは、ただの優勝よりも想像以上に意味のある優勝だったと思っています」
そして元嶋も、小暮の意見に賛同した。
「苦しい中でチームの雰囲気が悪い時期もありましたが、最終戦で優勝してシーズンを終えられたことで、僕も含めチームみんなの気持ちが一気に解放されたような、独特な安堵感があります」
「終わりよければ全てよしではありませんが、来年に向けてさらに期待が持てる終わり方でシーズンを締めくくることができたので、2023年シーズンは僕がスーパーGTを戦ってきた中でのベストシーズンです」
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