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トヨタ秘蔵のミッドシップスーパーカーコンセプト、写真公開…米西海岸CALTYデザインが50周年

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トヨタ秘蔵のミッドシップスーパーカーコンセプト、写真公開…米西海岸CALTYデザインが50周年

トヨタ自動車の米国デザインスタジオの「CALTYデザインリサーチ」は10月5日、設立50周年を記念して、秘蔵のコンセプトスーパーカー2台の写真を初公開した。1973年、米国カリフォルニア州に設立されたのがCALTYだ。

当時のCALTYでは、複数のデザイナーが高性能スポーツカーに目を向けており、その最初のモデルとして1983年、『MX-1』が製作された。MX-1は、プレミアムなミッドエンジンスーパーカーの提案で、上方に開くシザースタイルドアが特長だった。

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その数年後、2番目のミッドエンジンのコンセプトスーパーカーとして、『MX-2』が製作された。車体は、CALTYが自社開発した軽量なFRP製。ガルウィングドアと、左ハンドルにも右ハンドルにも対応するスイングアーム式ステアリングホイールを備えていた。MX-2では空力性能の最適化により、レーシングカーに匹敵するパフォーマンスが想定されていたという。

◆トヨタのイノベーション:CALTYの50年
CALTYは1973年、アメリカ・カリフォルニア州のエルセグンドに設立された。大手自動車メーカーが、米国西海岸にデザイン拠点を置いたのは、CALTYが初めてだった。「カリフォルニアは新しいアイディアやクールなカーカルチャー、映画業界が集まる場所だった」と、CALTYのケビン・ハンター現社長は立地について説明する。

この新しいスタジオは、当初、表だって行動はしていなかった。独自のアイデンティティを確立し、日本のトヨタ自動車のグローバルデザイン本部に新風を吹き込むのが狙いだった。そして1978年、CALTYは同じカリフォルニアのニューポートビーチに移転。同年、CALTYがデザインした最初の量産車、2代目『セリカ』が大ヒットした。

CALTYはトヨタ自動車本体の成長とともに発展していく。70年代のCALTYは未来のデザイントレンドを研究することに重点を置いていた。ランドクルーザーをベースにしたオフロード車の提案など、1/5スケールモデルがトヨタ自動車の役員にプレゼンテーションされた。このころ南カリフォルニアとその周辺の市場調査も手がけるようになる。

CALTYの活動は1980年代に入ると、革新的なデザイン言語とテクニックを探求する方向にシフトしていった。デザインチームには、当時の大手スタジオでは許されなかったような芸術的プロセスや、純粋な創造性の限界を押し広げる自由が与えられていた。そういった中で、MX-1やMX-2がデザインされた。

90年代のCALTYは、『タコマ』(1995年)、『プリウス』(1997年)、『アヴァロン』(2000年)など、北米市場向けの生産車のデザインに大きく貢献。特にA80として知られる4代目『スープラ』のデザインでは、社内コンペで破れたものの、CALTY案は純粋なスポーツカーとしての方向性を追求していた。

2010年代は、当時の豊田章男CEOの「もうつまらない車は造らない」という情熱のもと、楽しさとドライビングの興奮を追求した車が登場した。例をあげると、“車輪のついたスマホ”にたとえられる『Fun-vii』コンセプト、後にレクサス『LC』(2018年)として量産化される『LF-LC』、スープラ(2020年)に発展する『FT-1』コンセプトなどだ。パーソナルなスポーツカーはCALTYお気に入りのテーマだが、サイオン『NYC』コンセプトのような大都市向けのトランスポーテーションも考察している。

自動車が電動化されるのに合わせてCALTYは、レクサス『エレクトリファイド・スポーツ』コンセプト(2021年)を提案している。最新作は『ランドクルーザー』(2024年)だ。そして現在、CALTYは様々な専門家たちのグループで構成されており、次世代のモビリティを創造している。新しい技術を取り入れつつも、ブランドの伝統を尊重しているという。

トヨタ自動車のチーフブランディングオフィサーで、デザイン統括のサイモン・ハンフリーズ役員は「我々は自動車の時代からモビリティの時代への旅を続けている。ひとつ、確かだと思えることは、CALTYがその動きの先頭に立っているだろう、ということだ」と宣言する。

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みんなのコメント

6件
  • 結局、なんなの?写真がバラバラ、。
  • 初代プリウスは、そもそも「21世紀を見据えたセダン」として開発がスタートしたこともあり、これまでのセダンとは一線を画す画期的かつ優れたパッケージングで構築されているが、それを可能にしたのが北米トヨタのデザイン拠点たるカリフォルニアにある、ここ『CALTY(キャルティ)』の案を採用したからだった。

    キャルティのチーフデザイナーは言う、
    「世界初のHV車を買った満足感が将来にわたって続くように、アイデンティティの強い大胆なデザインを採用しました。もしもっとトラディショナルなデザインだったら、ジャーナリストは怒ったでしょう、なぜこんな素晴らしい技術を包むものがこんなデザインなんだ…と」。

    そしてあのデザインを形作ったパッケージングでは、乗降性の問題をヒップポイントを上げ解消、2クラス上のビックキャビンを生み出すと共に、前後オーバーハングを極端に短くするなど、当時考えうる最高のセダン像に仕上げている。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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