現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > サーブ最後のフルオープンモデル!爽やかなイエローが印象的なサーブ9-3コンバーチブルをご紹介

ここから本文です

サーブ最後のフルオープンモデル!爽やかなイエローが印象的なサーブ9-3コンバーチブルをご紹介

掲載 更新
サーブ最後のフルオープンモデル!爽やかなイエローが印象的なサーブ9-3コンバーチブルをご紹介

みなさん、新年はいかがお過ごしだったでしょうか。ドイツでは、新年が明けた瞬間を盛大に花火の打ち上げでお祝いします。除夜の鐘を聞きながら静かに過ごす日本とは対照的に、子供たちやご年配の方も揃って花火をドカドカ打ち上げる様子は、なかなか他の国では見られない光景ではないでしょうか。

一方、ドイツの正月休みは非常に短く、1月2日はなんと「平日」。学校や会社も平常に戻ります。ドイツの人々にとって大切なのは、お正月ではなくクリスマスなのです。そんな賑やかな年末年始のベルリンで、爽やかなイエローが印象的なコンバーチブルに出会いました。今回は、思わず春が待ち遠しくなってしまうクルマ、サーブ9-3コンバーチブルをご紹介します。

世代の人にはたまらない映画やアニメのワンシーン再現ジオラマも?オートモデラーの集いin名古屋2018

スウェーデン生まれの名門

スウェーデン生まれの自動車ブランド、サーブ。航空機・軍需品メーカーであるサーブの自動車部門として1947年に設立されました。

航空機メーカーらしい空力にこだわったクルマやモノコック構造のボディ、航空機エンジンの技術を引き継いだターボエンジンなど、独創的な設計を特徴としていて、日本でも独特のスタイリングやメカニズムが好評を博し、バブル期には多くのクルマが日本に輸入されました。

ドイツでも、サーブのクルマは「寒さに強く、丈夫で長持ち」ということで人気が高く、同じくスウェーデン製のボルボと並んで、耐久性を重視するユーザーに選ばれています。ドイツでは、気に入ったクルマをあまり買い換えずに長く乗ることが多いため、日本に比べて古いサーブ車を見かける機会は多いといえるでしょう。

2代目以降、伝統のハッチバックが消滅

サーブ9-3は、1998年に初代モデルが登場。それまで生産されていたサーブ900のマイナーチェンジ版で、3ドアと5ドアのハッチバックと2ドアコンバーチブルがラインナップされていました。2002年には早くも2代目にバトンタッチ。サーブ伝統のハッチバックスタイルがついに消滅し、4ドアセダンがベースモデルとなります。2005年には、5ドアハッチバックの穴を埋める5ドアワゴンと、新型のコンバーチブルが追加されました。

2代目9-3の最大の変更点はエンジンです。もともとサーブの自社設計で、長年にわたり改良を続けてきた直列4気筒エンジンを廃止し、当時の親会社であったゼネラルモーターズ系列のエコテック系エンジンを採用。同時期に新型にモデルチェンジを果たしたオペル・ベクトラとプラットフォームを共用しています。

2008年には大規模なマイナーチェンジを敢行。変更箇所は2000箇所にも及び、外観面でもフロントマスク、ボンネット、テールランプなどが大幅に変更されました。今回撮影したクルマは、まさにこのマイナーチェンジ後のモデルで、大胆なハイデッキスタイルの流麗なスタイリングが目をひきます。コンバーチブルらしからぬ大きなラゲッジスペースやゆったりとしたサイズのシート、優れた直進安定性はドイツでも高い評価を受けました。

「サーブ」ブランドはどこへ?

しかし、サーブはここから苦難の連続となります。2009年に親会社のゼネラルモーターズが経営破綻。紆余曲折の後、オランダのスパイカー・カーズの傘下に入ります。その後も経営状態は回復せず、2011年に破産申請することに。

2012年には、中国系スウェーデン企業のNEVS(ナショナル・エレクトリック・ビークル・スウェーデン)がサーブの自動車事業を獲得。電気自動車として復活させた「9-3」の生産を、中国で2017年から開始するとの発表がありました。ところが、NEVSは「サーブ」のブランド名を現在使用することができません。もともとの親会社で、現在は航空機・軍需品メーカーのサーブが、数年前にNEVSが経営危機に陥った際、「サーブ」のブランド名の使用権を撤回してしまったからです。

結局、現段階での「サーブ」のブランド名が復活する可能性は、残念ながらあまり高くないと言えるでしょう。電気自動車に生まれ変わった9-3も気になるところではありますが、現段階ではコンバーチブルの設定はなく、また追加されるというアナウンスもありません。

事実上、サーブ最後のコンバーチブルとして、今後ますます希少な存在になっていくであろう9-3カブリオレ。いつまでも元気な姿を見せてほしいですね!

[ライター・カメラ/守屋健]

こんな記事も読まれています

愛犬家は要チェック!?ルノー「カングー」最長1年間貸与!モニターキャンペーン実施
愛犬家は要チェック!?ルノー「カングー」最長1年間貸与!モニターキャンペーン実施
グーネット
軽からミニバンまで!車中泊にぴったりの厚さ8cmマット、新デザイン登場 ベアーズロック
軽からミニバンまで!車中泊にぴったりの厚さ8cmマット、新デザイン登場 ベアーズロック
グーネット
BMW 燃料電池車「iX5 ハイドロジェン」 日本での実証実験を2024年も継続
BMW 燃料電池車「iX5 ハイドロジェン」 日本での実証実験を2024年も継続
グーネット
【24’ 4/22最新】レギュラーガソリン平均価格、再び175.0円に値上がり
【24’ 4/22最新】レギュラーガソリン平均価格、再び175.0円に値上がり
グーネット
代役スピネッリ、SBK初陣でギャンブル大成功「これがレース!信じられないような勝利で嬉しい」/第3戦オランダ
代役スピネッリ、SBK初陣でギャンブル大成功「これがレース!信じられないような勝利で嬉しい」/第3戦オランダ
AUTOSPORT web
「盗まれた」県が怒りの声明 県道の工事現場から“かなり重い資材”が複数 被害総額300万円超
「盗まれた」県が怒りの声明 県道の工事現場から“かなり重い資材”が複数 被害総額300万円超
乗りものニュース
さよなら「ゾエ」! ルノーのEV先駆者を振り返る 後継は「5」 楽しい走りで電費は優秀
さよなら「ゾエ」! ルノーのEV先駆者を振り返る 後継は「5」 楽しい走りで電費は優秀
AUTOCAR JAPAN
「911ターボ」登場から50年! 「911ダカール」と「タイカンGTS」と並んでポルシェの過去・現在・未来を表現したブースがおしゃれ
「911ターボ」登場から50年! 「911ダカール」と「タイカンGTS」と並んでポルシェの過去・現在・未来を表現したブースがおしゃれ
Auto Messe Web
王者ミケリスが貫禄のポール・トゥ・ウイン。新たな僚友ジロラミも初勝利/TCRワールドツアー開幕戦
王者ミケリスが貫禄のポール・トゥ・ウイン。新たな僚友ジロラミも初勝利/TCRワールドツアー開幕戦
AUTOSPORT web
羽付き9X8のデビュー戦9位は「最大限の結果」とプジョー技術ボス。1周目の事故で損傷の94号車も完走
羽付き9X8のデビュー戦9位は「最大限の結果」とプジョー技術ボス。1周目の事故で損傷の94号車も完走
AUTOSPORT web
もはやガソリン車より便利に…? 高速道の「EV充電器」怒涛の増設! 魔の空白区間?―“出ていいよ”
もはやガソリン車より便利に…? 高速道の「EV充電器」怒涛の増設! 魔の空白区間?―“出ていいよ”
乗りものニュース
全長5.7m級の「斬新トラック」実車公開! ド迫力“カクカク”デザイン×「全面ステンレス」ボディ採用! 「サイバートラック」を披露
全長5.7m級の「斬新トラック」実車公開! ド迫力“カクカク”デザイン×「全面ステンレス」ボディ採用! 「サイバートラック」を披露
くるまのニュース
1225馬力の新「ハイパーカー」欧州初上陸! 中国アイオン(AION)新型EV導入へ
1225馬力の新「ハイパーカー」欧州初上陸! 中国アイオン(AION)新型EV導入へ
AUTOCAR JAPAN
ランボルギーニ、新型車を間もなく発表へ…電動『ウルス』の可能性も
ランボルギーニ、新型車を間もなく発表へ…電動『ウルス』の可能性も
レスポンス
タイヤ装着前に信号が変わるミスが発生、クルーは転倒。ガスリーはピットストップの改善を誓う/F1第5戦
タイヤ装着前に信号が変わるミスが発生、クルーは転倒。ガスリーはピットストップの改善を誓う/F1第5戦
AUTOSPORT web
BYDが輸入車の聖地に新店舗オープン! EVバスも運行予定の目黒通りはBYD率が高まること必至です
BYDが輸入車の聖地に新店舗オープン! EVバスも運行予定の目黒通りはBYD率が高まること必至です
Auto Messe Web
「フェラーリは戦略以外のすべてで強い」と逆転勝利のトヨタ技術首脳。改善傾向のタイヤ摩耗も警戒
「フェラーリは戦略以外のすべてで強い」と逆転勝利のトヨタ技術首脳。改善傾向のタイヤ摩耗も警戒
AUTOSPORT web
新しくもどこか懐かしい? 「愉しむためのBEV、時代が変わる予感」 ヒョンデ・アイオニック5N
新しくもどこか懐かしい? 「愉しむためのBEV、時代が変わる予感」 ヒョンデ・アイオニック5N
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

654.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

148.8179.9万円

中古車を検索
9-3 カブリオレの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

654.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

148.8179.9万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村