ベンツ純正バンパーを移植した唯一無二のマツダ「CX-8」! 30年貫くヨーロピアンスタイルの現在形
近年のクルマは先進運転支援システムの搭載により、カスタムの自由度にも変化が生まれている。マツダ「CX-8」もMRCC(マツダ・レーダークルーズコントロール)を備えるため、フロントまわりの変更にはセンサー類への配慮が欠かせない。そんな時代に、メルセデス・ベンツ純正バンパーをベースに前後ともワンオフ加工し、まるで純正設定かのような完成度で仕上げた1台が登場した。そこに込められたのは、約30年にわたりヨーロピアンスタイルを追求してきたオーナーの美学だった。
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「交換できないなら、作ってしまう」。CX-8で挑んだベンツルック
近年のクルマには、前走車との車間距離を保ちながら走行するアダプティブクルーズコントロールなど、さまざまな運転支援機能が採用されている。マツダ CX-8にもMRCC(Mazda Radar Cruise Control)が搭載されており、フロントまわりを変更する場合にはレーダーセンサーへの影響を考慮する必要がある。そのため、かつてのように社外バンパーへ交換して大胆にイメージチェンジするカスタムは、以前よりハードルが高くなっている。
そんな状況のなかで完成したのが、今回紹介する“よしま”さんのCX-8だ。一見するとフルエアロを装着したように見えるが、その正体はメルセデス・ベンツ純正バンパーを加工したワンオフ仕様である。前後ともウレタン加工によってCX-8のボディへ違和感なく融合させている。
「基本的にメルセデスルックをイメージしながら作っています」
そう語る“よしま”さんが目指したのは、単なる輸入車風ではない。30年近く追い求めてきたヨーロピアンスタイルを、現代のCX-8で表現することだった。
フロントにはC238型「Eクラスクーペ」用バンパーを採用した。CX-8のボディサイズとの相性を考えながら、センサー下側からウレタンを加工している。リアにはW205型「Cクラスセダン」用バンパーを使用し、ディフューザーやサイドダクトまわりまで自然につなげた。
どちらも既製品をそのまま装着したわけではない。純正パーツをベースに、車体とのバランスを見ながら加工を重ねた結果、まるで最初から設定されていたかのような仕上がりを実現している。
ルーツは28年以上前のホンダ「アコード」から始まった
現在のCX-8へとつながるヨーロピアンスタイルへのこだわり。その原点は、約28年以上前に所有していたホンダのCE1型「アコードワゴン」まで遡る。
「当時通っていたショップの店長が日産『プリメーラ』をチューナーズルックにカスタムしていて。いつからか自然とそちらに目が向いていましたね」
当時、“よしま”さんが影響を受けたのは、『オートファッション』や『オートファッション・ザ・ステージ』といったヨーロピアンカスタムを扱う雑誌だった。
そこに登場していたのは、派手なエアロをまとった車両ではなく、内巻きタイプのエアロやスポーク、カップ系ホイールを組み合わせたシンプルながら存在感のある国産ワゴンたちである。そのスタイルに魅了され、愛車はホンダ「オデッセイ」へと変わっても方向性はブレなかった。
「オデッセイに乗り換えていて、1998年に立ち上げたカークラブ・リバティーの仲間たちと、岐阜で行われた『ど真ん中ミーティング』に参加したのは良い思い出です(笑)」
当時から現在まで、流行を追うだけではなく、自分が格好いいと思うスタイルを追求し続けている。
“被らない”ために選んだワンオフという答え
近年のカスタムシーンでは、車種専用エアロや人気ホイールによる完成度の高いスタイルが数多く存在する。しかし、“よしま”さんが長年大切にしているのは、そこから一歩踏み込んだ「自分だけのオリジナル」だ。
「国産車でカスタムすると、車種専用で出ているエアロを付けて、ホイールも被るとなると個性が……。自分だけのオリジナルっていうのをずっと心掛けてきました。もちろん全体的にはシンプルで。時代の変化に合わせてスタンスなどの要素も多少取り入れながら楽しんでいます(笑)」
その考え方は、このCX-8にもはっきり表れている。
メルセデス・ベンツ純正バンパーという意外性のある素材を使いながら、派手さよりも自然な一体感を重視した。純正デザインの持つ質感を活かしながら、自分だけのCX-8へと昇華させている。
カールソン22インチとブレンボで完成度を高める
外装の大きな特徴となるのが、足元に装着されたカールソン「1/10X」の22インチホイール(22×9 インセット44)だ。ヨーロピアンスタイルとの相性が高いカップ系デザインを選択し、大径ホイールながら落ち着いた雰囲気を演出している。
さらに22インチ化に合わせてブレーキシステムも強化した。ブレンボ製キャリパーを投入し、大型ブレーキによる機能性と視覚的なインパクトを両立している。キャリパーやベルハットのカラーリング、ロゴデザインまで細部にこだわり、単なる大径ホイール装着では終わらない足元へ仕上げた。
車高はタナベの「サステックプロZT40」によってローダウン。フロントリップとサイド部分のつながり、フォグ周辺の処理など、メルセデス・ベンツ由来のパーツを使っていることを感じさせない自然なライン作りも見どころだ。
AMGマフラー移植など細部まで抜かりなし
リアビューもフロント同様、純正パーツを巧みに組み合わせている。W205型Cクラス用リアバンパーは、オークションで入手したものをベースに加工した。ディフューザーやサイドダクトまわりまで調整し、CX-8のボディラインへ違和感なく収めている。
マフラーにはAMG用を移植した。リアバンパーとの組み合わせによって、SUVでありながら欧州プレミアムモデルのような雰囲気を漂わせている。また、オーバーフェンダー部分にはボディ同色のホワイト処理を施し、小振りのフラップを自作した。フォージドカーボン風のアクセントを加えることで、シンプルな中にも個性をプラスしている。
DIYの域を超えたカーボン加工と塗装職人の技
このCX-8の魅力は外装だけではない。インテリアにもリアルカーボン加工が随所に施されている。シフトまわりやドアパネル、ドリンクホルダーなどは、純正パネルを型取りし、カーボンと樹脂を組み合わせて施工した。表面の艶や角部分の処理まで丁寧に仕上げられており、専門ショップ製品と思わせるほどの完成度を見せる。
さらにスカッフプレートにはアクリルとLEDを組み合わせた加工を施し、夜間にはインテリアを彩るアクセントとなっている。この高いDIY技術を支えているのが、“よしま”さんの本職である建築塗装職人としての経験だ。
「苦戦したところもありますが、サイズ感的に合っているかなと思って挑戦しました」
塗装や表面仕上げに関する豊富な経験があるからこそ、素材の加工や質感作りにも妥協がない。
30年続けてきたスタイルはCX-8でも変わらない
CE1型アコードワゴンから始まり、オデッセイ、ホンダ「エリシオン」を経て現在のCX-8へ。クルマは変わっても、ヨーロピアンスタイルを追求するという軸は変わっていない。流行のパーツを取り付けるだけではなく、自分が好きな世界観をどう現代のクルマへ落とし込むか。メルセデス・ベンツ純正バンパー移植という大胆な挑戦も、その答えのひとつだ。
最新の運転支援システムを備えたCX-8だからこそ、昔ながらの加工技術と現代的な発想を融合させることで、新しいカスタムの可能性を示している。30年近く磨き続けてきたヨーロピアンスタイル。その進化形が、この唯一無二のCX-8なのだ。
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