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『アガリの1台』と暮らす幸せに気づいた、BMW Z3とオーナーの“旋回カーライフ”

筆者には10年来の友人がいます。いつも自然体で接してくれるあたたかい友人です。

ハッスルジェットさん(ハンドルネーム)と久々に会ったのは、2020年暮れのことでした。

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知り合った当時は日産 スカイラインGT-R(BCNR33)が愛車でしたが、いつのまにかBMW Z3(E-CH19)に乗り換えていました。『エストリルブルー』のボディが鮮やかなこの個体は1.9前期型の最終モデルであり、BMWジャパンによって台数限定で販売されたモデルでもあります。筆者は、このZ3との馴れ初めを尋ねてみました。

「GT-Rを手放したあと、中古車サイトをチェックしていて見つけたんです。1999年式なのに、走行距離がわずか1万5000キロでフルノーマル。しかも法人ワンオーナーでディーラー物。価格は相場の2倍超えでした。こんな個体は二度と出ないことを確信したので即決しました。さらにクラッチ、後期フロントバンパー、新品ナビなどを装着していたら、結局は相場の3倍出費する羽目になってしまいました(笑)。2014年7月から乗っているので、早いもので7年が経ちますね」

クルマを眺めながらしばし雑談。相場以上の個体を即決で手に入れたことに『アガリの1台』の匂いを感じた筆者は、ハッスルジェットさんに話を振ってみました。すると、こんな返答が。

「アガリの1台って何?」

『アガリの1台』。つまり『人生最後(仕上げ)の愛車』という概念は、ハッスルジェットさんの中に存在していませんでした。さらにこう続けます。

「一般的には『憧れのクルマ』のことかもしれないですが、自分にとっての『アガリの1台』は、このZ3がそうなのかな。初めて乗り換えたくない気持ちが湧いています。心地良いから乗り続けたい。乗り続ければ、カラダに馴染んで自分の一部のようになる。それが『人生最後の愛車』であるなら、最高かもしれません」

その言葉は筆者の心を揺さぶりました。同時に、野暮なことを訊ねてしまったとも思いました。心地良く付き合っていける1台があるなら、それが人生最後の愛車であっても自然なことです。しかし「Z3を人生最後の1台と思う理由を深く知りたい」という気持ちも湧いていました。

「最愛の1台と暮らしているオーナーの物語として、記事にさせてください」

筆者はハッスルジェットさんに取材を申し込み、このたびオーナーインタビューが実現しました。ひとりのオーナーが『アガリの1台と暮らすカーライフ』を紐解いていきます。

■これまでのカーライフ

ここからインタビューに移ります。

今回の主人公、ハッスルジェットさんは現在48歳。ハンドルネームの由来は漫画『湘南爆走族』から。これまで複数の国産・輸入車のFRスポーツを乗り継いできたハッスルジェットさん。現在の愛車BMW Z3は、2014年に手に入れて所有7年目を迎えたそうです。

まずは、これまでのカーライフを伺いました。

「20歳の頃にドリフトに魅了されてから、3年間はドリフト一筋でした。旋回中の“アンバランスをバランスさせる”おもしろさに夢中だったんです。そのうち、グリップの上手いドライバーがドリフトに混じるようになったのをきっかけに、グリップにも挑戦するようになり、ステージ別で走り分けるようになりました。クルマは最初のCR-X以外は駆動方式がFRであれば、そのときショップの在庫や下取りなどで目の前にあった個体に乗り換えてきました。わざわざ探したのは今のZ3が初めてです」

そんなハッスルジェットさんの愛車遍歴。

運転免許取得後にホンダ CR-X(EF6)。ドリフトに目覚めてからは日産 シルビア k's(S13)、トヨタ チェイサー ツアラーV(JZX100)を乗り継ぎます。そしてBMW 325クーペ(E36)、318ti(E36)、318セダン(E46)、 Z3 (E-CH19)とBMWが続きます。さらに日産 スカイラインタイプM(ECR33)、GT-R(BCNR33)を経て現在の Z3 (E-CH19)に至ります。

「Z3は2台とも、あえて初期型4気筒の1900ccを選んでいます。2代目は特にアンダーパワーなクルマが欲しいという気持ちも強かったんです」

■オーナーが感じるZ3の魅力

現愛車のZ3は『2代目』。『初代』は、走行距離やボディのヤレ、オーバーヒートなどが重なり廃車となったそうです。愛車遍歴ではBMWを乗り継いだ時期がありますが、その理由は?

「2004年ごろまでディーラー営業職に就いていたからです。その時に縁のあったモデルを乗り継いだんですが、BMWの持つ普遍的なドライブフィールは、モデルが変わっても共通していたんですね。どのモデルに乗り換えても『ああこの感じ』みたいな安心感がありました」

BMWの普遍的な魅力は、例えばどんな点に感じましたか?

「前ストラット・後セミトレーリングアームという、古典的なFRのサスペンション形式である点です。BMWが長年熟成させてきた最終型、世界一理想的なジオメトリーのストラットだと思います。特別な味つけはありませんが、ステアリングの入力に対してフィードバックに抵抗がなく、クルマがどう動きたいのかがよくわかります。雰囲気は同世代のE30型3シリーズですが、 Z3のほうが約100mm短いホイールベースの分、素直に曲がる感じがしますね。アクセルワークで旋回と加速を同時進行させて、力強く曲がり込んでいけるんです」

『Z3』というクルマを“自分流”に表現すると?

「とにかく素直に曲がってくれるので『旋回が最高に気持ちいいクルマ』だと思います。Z3の生い立ちは、決して恵まれたものではありません。ユーノスロードスターの世界的成功に影響を受け急ピッチで開発されたため、シャシー設計、エンジン、駆動系などのほとんどは既存モデルの流用です。設計も性能も新しくないZ3が、自分にとっては最も旋回が気持ちいいクルマなんです」

■乗り換えの動機

筆者がハッスルジェットさんと知り合ったのは、GT-Rに乗っている頃でした。

走行会で豪快にドリフトする姿は本当に楽しそうでしたし、このまま乗り続けるのだろうと思っていました。なぜGT-Rを降りる心境に至ったのでしょうか。

「すばらしいクルマでしたが、この先所有するイメージができなくなっていたんです。年齢を重ねて『楽しく走り続けられるか?』と自分に問いかけたとき、答えが出てこなかった。年齢を重ねるほど、ハイパワー車を走らせる気力と体力は衰退していくでしょう。自分のカーライフに残された時間が、長くないことに気づいたんですね(笑)」

売却の決め手を尋ねてみました。

「降りる気持ちが固まりつつあったとき、GT-Rの脚を社外品からノーマルに戻しました。それまでの『攻め込み型』から『旋回特性を生かす乗り方』に変え、GT-R本来の旋回特性を確認したくなったんです。そこで気づいたのは『重心が高いのにロールセンターが低いかもしれない』ということでした。確かによく曲がるんですが、高い重心位置に車重も相まって“よっこらしょ”と旋回する感じが、自分にとっては気持ち良くなかったことが決め手となりました」

■Z3にしかない“シンクロ感”をもう一度

再びZ3を手に入れた動機を伺いました。

「GT-Rを手放すと決め、次に乗りたいクルマを考えました。消去法ですが、所有歴があって旋回性能が高く、少し古めの輸入車が良いと思ったとき、Z3が頭の中にあったんです」

“ハンドリングマシン”であれば、日本車にも優秀なスポーツモデルが数多くあると思いますが、候補にならなかったのでしょうか?

「過去にS2000、ロードスター、RX-7をじっくりドライブする機会があり、共通して感じたのですが、自分には操舵感が刺激的すぎました。機敏さやダイレクト感は“武器”に近い感覚です。それよりも、自分はクルマに“相棒のようなシンクロ”を感じていたい。操作しながらクルマの声を聴くことができて、お互いに気持ち良い方向に向かえる感覚に惹かれます。だから味つけは平凡でも、シンクロできるZ3を選びました」

■Z3に再び乗って変化したカーライフ

再びZ3オーナーとなったことで、自身のカーライフに変化はありましたか?

「長く乗り続けたいと思ったので、ボディの寿命を縮めてしまう改造は避け、ノーマルパーツの交換は早めを心がけるようになりました。壊れる箇所や劣化具合は把握できているので、可能なかぎり自分で交換しています。それから、晴れた休日にしか乗らなくなりましたね。そのぶん『明日晴れたら乗れる!』とワクワクできます。友人から『(カーライフが)お前らしい』と言われることも増えました(笑)」

ドライビングスタイルに変化はありましたか?

「GT-Rを手放す直前に意識した『旋回特性を生かす乗り方』が、自然とメインになりました。そして、過去に乗ってきたBMWの乗り味や旋回姿勢などが、やはり自分に合っていたことも再確認できた気がします。今後はZ3と『加減速を少なくして高い旋回速度でキレイに曲がる走り』にこだわってみたいです」



■モディファイのポイント

納車後に加えられた、ハッスルジェットさんの“色”。現在のモディファイについて伺います。

「外観は国産旧車のイメージです。オーバーフェンダーとディープリムが好きなんです。自分好みであれば満足なので、他人の目は気にしていません。リアトレッドを拡大し、好みの旋回特性に調整しています。求める速さに到達するよりも、Z3の素性をどう引き出していくかを重視しています。そのほうが“パートナー感”を強く感じるからです」

■アガリの1台と暮らす幸せとは

あらためてオーナーとして、これから愛車とどうありたいかを尋ねてみました。

「Z3とは、いつかシンクロ度を100%にしたいです。その領域には絶対に辿り着けないこともわかっていますが、そこを求め続けていけることこそ、自分にとっての幸せなカーライフなのだと思います」

最後に、インタビューを終えた今の気持ちを伺います。

「『アガリの1台』という存在に気づいただけでなく、こうして話すことで、自分の考えや好みを多角的に見ることができました。カーライフも再発見した気持ちですね。免許返納まで乗り続けたいですが、もし何らかの事情でZ3を降りるとき、この“旋回カーライフ”は終わるのではないでしょうか」

インタビューを終え、まるでZ3は着心地の良い服のような存在だと筆者は思いました。『アガリのクルマ』と呼べる人生に馴染む1台と出逢い、心地良いカーライフを愉しんでいるハッスルジェットさん。それは『理想のカーライフ』の、ひとつのカタチなのかもしれません。

[画像提供/ハッスルジェット] [ライター・カメラ/野鶴美和]

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