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小さくたってアウディ・クオリティ! 2代目に進化した新型「A1スポーツバック」35TFSIの実力とは

■先代よりホイールベースが95mm拡大し室内空間が広がった

アウディ「A1スポーツバック」が8年ぶりのモデルチェンジによって2代目に進化しました。

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 プレミアムコンパクト市場において外せない位置にいるA1は、世界で約90万台、日本では約3万台の累計販売実績があります。

 生まれ変わった新型A1は、世の中のトレンドを読み込み、多様化やデジタル化に対応し、ADAS(先進運転者支援システム)を搭載、さらにコネクテッドで外との繋がりを深くし、洗練された快適性も実現したということです。

 新しいA1の外観デザインは、1980年代の伝説の名車「スポーツクワトロ」からインスパイアされたものです。ボンネットの先端に3つの薄いエアスクープ(A1のものは塞がっています)がありますが、知っている人は往年のスポーツクワトロを思い出します。

 また前方に傾いた太めのCピラーも、スポーツクワトロのイメージそのものです。ラリーで大活躍したスポーツクワトロの力強さを、30年経って引き継ぎたいということなのでしょう。そのため、先代の丸くてコロリンとしたイメージから、かなり精悍な感じになりました。これは、フルLEDのヘッドライトの目力の強さの影響もあるかもしれません。

 ボディサイズのなかで一番大きく変わったのはホイールベースです。先代よりも95mm伸びて2560mmになったので、そのまま室内空間が広がっています。

 とくに後席のレッグスペースが広がりました。筆者のポジションに合わせた運転席の後ろに座っても、足元には外観からは予想できないゆとりができました。またヘッドクリアランスも握りこぶし1個入る余裕があります。後席の快適性はコンパクトカーとしては満足できるレベルになりました。

 ホイールベースの延長に従って全長は60mmほど伸びていますが、「アドバンスト」グレードが4040mm、「Sライン」グレードが4045mmと、Bセグメントコンパクトカーとカテゴライズできる、ほぼ4メートルカーに抑えられています。

 また先代にあった3ドアモデルは廃止され、新型は5ドアのみになりました。さらに荷室容量は65リッター増え、通常時で335リッターになりました。

※ ※ ※

最初に試乗したのはA1スポーツバック「35 TFSIアドバンスド」です。車両価格は365万円(消費税込。以下同様)になります。

 前輪の前に横置きされたエンジンは、1.5リッター直列4気筒のターボチャージャー付きです。最高出力150馬力、最大トルクは250Nmを発生します。

 7速Sトロニックトランスミッション(DCT)を介して前輪を駆動します。このエンジンは筒内直噴で、気筒休止システムも盛り込まれ、ハイレベルな低燃費と低排出ガスを実現しています。

 先代に搭載されていた1.4リッターターボから、少しだけ排気量が上がりました。タコメーターは6200回転からレッドゾーンが始まりますが、最新のターボエンジンらしく低回転から力があります。

 それほどパンチがあるわけではないのですが、高回転までの伸びも良いので、市街地走行でも山道のワインディングロードでも気持ちよく走れます。ちなみに2020年第2四半期に登場予定のA1スポーツバック「25 TFSI」は1.0リッターターボエンジンで、こちらが最量販車種になる見込みです。

内装は外観と同様、シャープなイメージのデザインに仕上がっています。とくに広い面積を確保したエアアウトレットとモニター画面を上下から挟むように、ダッシュボードが横に伸びています。モニター画面とエアコンのコントロールスイッチ類はドライバー側に向いているので、スポーティなコクピットをつくりだしています。

■尖ったところがなく、どんな人でも付き合いやすいクルマ

 新型アウディA1の走りは、そのコクピットのイメージほどスポーティではありません。とはいっても、すっきりしてクセのないハンドリングは誰にでも扱いやすく好感が持てます。

 操舵力はアウディらしく軽めです。それでも過敏なところはなく、ハンドル角に比例した反応で、直進付近の微小操舵からカーブで深く切り込んだところまで扱いやすいです。それはリアのグリップがしっかりしていて常時高い安定感を出しているからです。

 剛性感の高いボディ骨格を持ち、しっかりしたサスペンションとタイヤによって、ワインディングロードでもふらつきを感じない安定したコーナリングが可能です。リアはシンプルなトレーリングアームのサスペンションですが、十分によい仕事をしています。

今回は、箱根の山道をメインに試乗しましたが、室内に侵入してくる走行音は、コンパクトカーとして静かな部類に属すると思いました。タイヤのパターンノイズや低音のロードノイズなども気になりませんでした。

なお、今回試乗したモデルが履いていたタイヤは、ブリヂストン・トランザT005の215/45R17 91W XLです。

左右に白線がある車線を走ると、白線に近づくとはみ出さないようにADASが働き、ハンドルを自動修正します。最新のシステムを搭載したモデルでは標準的な作動ですが、白線から跳ね返るように反発するように動くクルマが多いなか、A1のこの作動は優しい動きで、ドライバーを脅かさないので感心しました。

もう一台アドバンスドより26万円高い、A1「35 TFSI Sライン」にも乗ることができました。

Sラインはバネ/ダンパー/アンチロールバーを強化した「スポーツサスペンション」を組み込んでいます。ただし車高はアドバンスドと同じです。

 また、Sラインはスポーツシートになっています。Sラインにインテリアプラスパッケージのオプションを選ぶと、そのスポーツシートの表皮も変わります。つまり35 TFSIには3種類のシートがあることになります。このパッケージの目玉は、ハンドルの裏側にパドルシフトが付くことです。ワインディングロードを気持ちよく走るときには必要なアイテムです。

 Sラインでは、ハンドルの応答性がさらにリニアになりました。とくに微小舵で速めの操舵をするとよくわかります。サスペンションが固められたことにより、ロール角が抑えられダイレクトな反応になったためです。アドバンスドよりもSラインのほうがスポーティといえます。

※ ※ ※

新型A1スポーツバックに乗って意外だったのは、パーキングブレーキが昔ながらのレバー式ハンドブレーキだったことです。

 バーチャルコクピットを採用するなど、アウディの上級車種と同等の装備を持っているのに、ここだけは惜しい、という印象です。ACCなど全速度域のコントロールをしようとすると電動パーキングブレーキにするモデルが多いなか、ここだけはモダンになりきれなかったようです。

新しいA1は、良い意味で尖ったところがないクルマです。悪いクセがないということで優等生なのですが、誰にでも付き合いやすいクルマといえます。ビギナーやベテラン、男性、女性、そしてゆっくり走る人や速く走る人からも文句が出ないでしょう。

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