TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの2期生である小暮ひかると山本雄紀は、6月26日から29日にかけて、ギリシャで開催されたWRC世界ラリー選手権第7戦『アクロポリス・ラリー・ギリシャ』にトヨタGRヤリス・ラリー2で出場した。
荒れた路面でのサバイバルとなったこのラリーを、山本はWRC2クラス20位で完走。小暮はコースオフによってデイ3にリタイアを喫する結果となっている。
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非常に長い歴史を誇るグラベル(未舗装路)ラリーであるアクロポリスは、WRCでもっとも荒れたコンデションを走行する、非常に過酷なラリーのひとつ。近年は主催者による路面整備などによって以前よりコンデションが改善されていたが、今季2025年のアクロポリスは厳しさを取り戻した大会となった。
小暮と山本は今回がアクロポリス初挑戦となったが、とくに開催時期が9月から6月へ変更となった今大会は40℃前後という高い気温も重なり、クルマやタイヤ、そして選手にとっても非常に過酷な一戦に。
フルデイ初日の金曜、小暮はパンクでタイムを失いながらも所々で速さを発揮。一方の山本は前走車によって掘り起こされた大きな石にヒットしたことでサスペンションを破損し、自力での修理も間に合わずデイリタイアとなってしまう。
土曜のデイ3は1本目のSS8で小暮がコースオフ。小暮とコドライバーのトピ・ルフティネンに怪我はなかったものの、マシンのダメージは大きくリタイアを余儀なくされた。
一方、リペアされたマシンで再出走を果たした山本は、ラフなステージを堅実に走行し、SS12ではクラス9番手タイムも記録するなど、経験豊富なライバルたちを相手に高い競争力を発揮しながら競技3日目を走り切った。山本は最終日もスピードと安定性のバランスをうまくとり、クラス20位まで順位を挽回。自身初のアクロポリスで見事に完走を果たすことに成功している。
チーフインストラクターとしてふたりを指導するユホ・ハンニネンは今回の経験を次のように振り返った。
「金曜日、小暮は安定した走りを披露し、パフォーマンスも前のラリーから改善が見られた。しかし、土曜日の朝、彼は大きなミスを犯し、リスタートできなくなってしまった。前回も走行距離が限られてしまっていただけに、非常に残念な結果だ」
「山本は金曜日の朝にミスを犯し、その日の走行機会の大半を逃してしまったが、土曜日に見事にカムバックした。彼がGRヤリス・ラリー2で戦ってきたなかで、スピードに関してはベストな一日だった」
「このあと我々はエストニアとフィンランドへ進むが、これらのラリーには少し馴染みがあるので、より強力なパフォーマンスを発揮してくれることを期待している」
その言葉どおり、小暮と山本の次なる挑戦は7月17日から20日かけて開催されるWRC第8戦『ラリー・エストニア』となる。このラリーには、チャレンジプログラム3期生の後藤正太郎と松下拓未もラリー3車両で出場予定だ。
フラットでスムースな路面が特徴のハイスピードグラベルラリーであるエストニアは、南ヨーロッパで3戦続いたラフグラベルラリーとはキャラクターが大きく異なり、限界までスピードを追求するスプリント的な戦い方が求められる。
■TGR WRCチャレンジプログラム2期生ドライバーコメント
●小暮ひかる(GRヤリス・ラリー2/リタイア)
「ポルトガルとサルディニアの前2戦と比べると、このイベントははるかに過酷で、各ラリーの難しい部分がひとつに凝縮されていました。アクロポリスに向けてオンボード映像を分析したところ、改善できる点を発見し、それを今回試しました」
「金曜日の最初のステージではタイヤ交換を余儀なくされ、その後はタイヤの本数が限られているため慎重に走行しました。金曜日の最後のステージでも同様の問題が発生しましたが、幸いにもフィニッシュまで5kmという地点でした」
「パフォーマンスは前の数戦よりも良かったのですが、残念ながら土曜日最初のステージでコースアウトしました。外側に何もない難しいコーナーで、その前の左コーナーに少し高い速度で入り過ぎたため、続くタイトな右コーナーに速すぎるスピードで進入してしまいました。次のラリーではより良い結果を出せることを願っています」
●山本雄紀(GRヤリス・ラリー2/WRC2クラス20位)
「このラリーをフィニッシュすることができて本当に嬉しかったです。これまで出場してきたなかで、おそらくもっとも過酷で厳しいラリーだったと思います。ラリー中は多くのことが起こりました」
「SS3は最初の区間で最速でしたが、道に大きな岩があり、道幅がとても狭かったため避けられず、サスペンションにダメージを負いクルマを止めなくてはなりませんでした」
「土曜日は道が本当に荒れていて、何度もタイヤに問題が生じ、サスペンションアームも損傷したので、ステージとステージの間に交換しなくてはなりませんでした。それでも、良いフィーリングが掴めた時はペースも良かったですし、いくつかの区間ではトップ3、4位のドライバーと競うこともできました」
「ここまでの3戦は、それぞれ前のラリーよりも過酷でしたが、ラリーを重ねるごとにペースも改善されていったので、進歩には誇りを持つことができます。今後の課題は、速いステージタイムを出すことと、トラブル回避のバランスを見つけることですが、この後出場するハイスピードなグラベルイベントに関しては自信を持っています」
[オートスポーツweb 2025年07月01日]
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