ABB FIA フォーミュラE選手権の第6戦と第7戦がモナコで5月3日(土)、4日(日)に開催された。コースはF1で使うコースと全く同じ場所で、そこにFEならではなのアタックゾーンを設けてダブルヘッダーが行なわれた。
最もフォーミュラEの特徴を表すシーンだ。大混戦の展開がマイラップ展開する初日の第6戦の予選では、今季大ブレークしているマクラーレンのテイラー・バーナードがポールポジションを獲得した。すでに今季2回目のポール獲得の20歳だ。グループ予選で気になるのは、やはりジャガー勢だ。シーズン10で大活躍したニック・キャシディが絶不調でグループ予選の上位に顔を出さない。
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また同じPTを使用しているミッチ・エバンスはようやく速さを取り戻したようで、グループ予選B組では2番手だった。しかしデュエルスでは初戦敗退するなど本調子とまではいかないようだ。同じジャガーPTのエンビジョンも同様で、フラインスがデュエルスに進出するも初戦敗退。一方、ブエミはグループ予選の下位に沈んでいる。
シーズン7のチャンピオンのニック・デ・フリースは不調続きだったが、ここにきて調子を取り戻したようだ調子を上げてきているのが今季からマヒンドラで走っているニック・デ・フリースだ。デュエルスでもセミファイナルまで勝ち上がり、2列目を獲得している。またERTを買収し今季クプラ・キロレースで走っているダン・ティクタムがグループ予選をトップ通過し、セミファイナルに進出している。このキロレーシングはシーズン10で使用したポルシェのPTを搭載して参戦しているが、パフォーマンスは高そうだ。
そして現在チャンピオンシップをリードするオリバーローランドは絶好調で、モナコでも速くデュエルス決勝に進出している。その決勝では愛弟子のバーナードとの師弟対決、さらに日産PT同士の戦いとなったが、なんとローランドはアタック中にウォールにヒットし敗退するアクシデントがあった。
20歳の新人テイラー・バーナードがポールポジションからレースを引っ張る 第6戦決勝での注目はやはり、バーナードの初優勝への期待だ。今季からのフル参戦で20歳の若者は今回2回目のポールポジションを獲得しており、表彰台にも乗っているが優勝はまだない。優勝は時間の問題だろうが注目しておきたい。
それと日産のローランドだ。5戦で2勝している好調ぶりで、2番手からのスタート。教え子のバーナードをどう攻略すのか、そして3勝目を獲得するのか注目された。
29周で争われたモナコのE-Prixは、1分35秒台での展開で始まった。グループ予選は1分28秒台、350kW+AWDのデュエルスでは1分26秒台で競っているわけで、決勝の35秒台はエネルギー温存モードだ。したがって、ブロックラインを外さず走れば順位は入れ替われないという展開。実際トレイン状態で幕開けした。
その後アタックモードとピットブーストがあるため、10周したあたりから激しく順位が入れ替わり、いつもどおりカオスになる。ピットブーストはバッテリー残量が60%以下、40%以上の状態にならないとピットインできない。そこでキャシディは19位スタートもあり、即座にアタックモードを使いバッテリーを消費。同時に順位も一気に6位へ浮上してピットブーストを行なった。果たしてこの作戦はどう転ぶのか。
そして終盤24周目になんと期待のバーナードがホテルヘアピンで押し出されガードレールにヒット。優勝争いから脱落してしまったのだ。一方、ローランドはピットブーストを済ませ5位。最後にアタックモードを使って、みるみるトップに浮上。
日産のオリバー・ローランドが今季3勝目を上げた。後続を引き離す余裕がる優勝を獲得した。なんと6戦で3勝という日産の強さは凄みすらある。また、3位にアンドレッティのジェイク・デニスが入ったが、じつは5秒ペナルティがレース中に課せられていた。チームメイトのニコ・ミュラーが3位を走行中、デニスとポジションを入れ替わり、3位デニス、4位ミュラーで終盤を迎えた。
終盤トップにたったローランド/日産と2位デ・フリース/マヒンドラそして取った作戦はミュラーが後続を抑え4位キープしつつ、ヒューズとの間隔を5秒以上広げる作戦だった。この結果、デニスは5秒ペナルティを課せられても3位フィニッシュができたのだ。これほどのチームプレイをみたのはフォーミュラEでは初めてだった。
左から2位デ・フリース/マヒンドラ、優勝ローランド/日産、3位デニス/アンドレッティ・ポルシェPT第7戦
そして翌日のモナコは雨。予選は大混乱で、クラッシュが続出した予選になった。デュエルスではローランド、デ・フリースが揃ってコースアウトやDSの2台ヴェルニューとヴァンドーンも揃ってコースアウトするなど、デュエルス決勝は初のキャンセルとなったのだ。
結果、予選1位はローランド、2位、デ・フリース、3位ギュンター、4位ヴェルニュー、5位ヴァンドーン、6位ダ・コスタという順で決勝を迎えた。
雨は止んだものの完全なウエット路面でスタート。ポールは絶好調男のオリバー・ローランド/日産決勝も雨は止んだものの、路面は完全なウエット。そのためか全車慎重になったのか、オープニングラップですでにトレイン状態となり、クラッシュやコースアウトは一台もなく静かな展開で始まった。
そして第7戦ではピットブーストはないため、通常の29周レースとなったが、3周目には早くもアタックモードを5台のマシンが使い順位を入れ替えていく。10周目になると上位10台はアタックモードを使っているが、未使用のローランドは2位を死守している。
18周目にようやくローランドが最初のアタックモードを使い、トップに浮上。22周目になると上位8台がアタックモードを使い、2位のデ・フリースのみ未使用の状況になる。この時の順位はブエミ、デ・フリース、ヴェルニュー、ローランド、キャシディヴェアラインとなった。
今季不調のジャガーPT勢だったが、ブエミは2019年以来の優勝を果たしたブエミ、キャシディというジャガーPTを使う二人が上位に来たのも久しぶりで、特に今季これまでジャガー、エンビジョンともに苦しんでいるシーズンだけに期待される。一方でエバンス、フラインスの二人はやはり下位に沈んでいる不思議はある。もっともローランドの大活躍の裏でナトーも上位に進出できない状況があるので、一概にマシン性能とも言い難いのだが。
さて、25周目になると全車がアタックモードを使い切り、順位が落ち着く。トップはブエミで、以下、ローランド、キャシディ、ダ・コスタ、デ・フリース、ヴェアラインという順。1ラップ追加され30周レースとなっtが、全車のバッテリー残量は似たようなもので、ジャガーのキャシディとエバンスの2台だけは周囲が7~8%の残量に対して14%残っている状態だった。
左から2位のローランド/日産、優勝ブエミ/エンビジョン・ジャガーPT、3位キャシディ/ジャガーしかし、順位は変わらず、ブエミが2019年以来の優勝を飾り、2位にローランド、3位キャシディとなった。心配されてたジャガーPTが1位、3位を占める結果となり、好調のローランドも手堅く2位に入る第7戦だった。
次戦は5月17日(土)、18日(日)東京ラウンドだ。
【シリーズランキング】
順位ドライバーチームポイント1オリバー・ローランドニッサン115pt2アントニオ・フェニックス・ダ・コスタポルシェ67pt3パスカル・ヴェアラインポルシェ66pt4テイラー・バーナードマクラーレン/ニッサン54pt5ニック・デ・フリースマヒンドラ52pt6ジェイク・デニスアンドレッティ/ポルシェ44pt■【シーズン11】レースレポート
★第1戦 サンパウロ
★第2戦 メキシコシティ
★第3戦 ジェッダ
★第4戦 ジェッダ
★第5戦マイアミ
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