■俊敏性が向上したフライングスパーのV8モデル
2020年10月14日、ベントレー「フライングスパー」に新型のV8モデルが登場した。ショーファーカーとしてだけでなくドライバーズカーとしての需要が伸びているフライングスパーだが、V8モデルはさらにその傾向を強めるモデルになるかもしれない。
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●最新の高効率V8パワートレイン
W12に代わって搭載されるのは、4.0リッターV8ツインターボエンジンだ。最高出力550ps、ツインスクロールターボの恩恵を活かし、2000rpmに達する直前に770Nmという最大トルクを発生すると、その分厚いトルクを4500rpmまで維持する。
ツインスクロールターボは、タービンハウジング内に独立する2つのパラレルフローチャンネルを備えており、低速域から強大なトルクを発生させることが可能だ。ツインスクロールターボをエンジンのV字内側に搭載し、エンジンからターボチャージャーへの排ガスの移動距離を最小限に抑えることで、素早いレスポンスと高効率を実現している。
スロットル開度が小さいときは、ダムに水を蓄えるかのように、ターボチャージャーが過給圧を蓄え、アクセルを踏み込むと即座にその過給圧を利用する。これによってスロットルレスポンスが格段に向上し、エンジンが持つポテンシャルが最大限に引き出されるというわけだ。
シリンダーボア内部には応力と摩耗への耐性を高めるために、大気プラズマ溶射を用いて、耐久性に優れたわずか150ミクロンの薄さの鉄の膜を生成している。
90度のバンク角、クロスプレーンクランクシャフト、完璧なバランスの8気筒によってV8エンジン特有のサウンドが生まれ、0-100km/h加速4.1秒、最高速318km/hという文句なしのパワーを発揮。
また、このV8エンジンでは燃費性能を最大限に引き出すため、エンジン低負荷時、つまりトルクが235Nm未満かつエンジン回転数が3000rpm未満の場合、8気筒のうち4気筒が休止する。この気筒休止は約20ミリ秒という瞬きの10分の1の時間でおこなわれるため、乗員が気づくことはまずない。
さらに燃費が最大16%向上した結果、航続距離が延びたことで給油回数が減り、より環境に優しくなったことも、カスタマーにとっては歓迎すべき点であろう。
●ドライバー目線で俊敏性を向上
W12モデルより100kg軽量なフライングスパーV8は、俊敏性と応答性が一段と向上し、V8ならではの走り味がもたらされている。
V8モデルには最新のパワートレインとシャシが採用され、アダプティブエアサスペンション、トルクベクタリング・バイ・ブレーキ、ドライブダイナミクスコントロール、電動ステアリングなどが標準装備される。
フライングスパーV8は卓越したハンドリングを実現するために、中空で軽量タイプのアンチロールバーを前後に搭載。また、最先端のアダプティブシャシには、ベントレーがいち早く採用した48V電動アクティブ・アンチロール・コントロール・システム(ベントレーダイナミックライド)や、エレクトロニック・オールホイール・ステアリングをオプションで搭載することも可能だ。
このベントレーダイナミックライドは、乗り心地と横方向のロールを調整するシステムである。各車軸両端のホイールをデカップリングすることによって過度の振動を和らげ、コーナリング時には0.3秒で最大1300Nmのアンチロールトルクを加えてボディの安定性を維持する。
エアサスペンションには、先代フライングスパーと比べて空気量を60%多く確保できる3チャンバーエアスプリングが採用されている。このエアスプリングは、ドライバーが選択したモードに応じ、スポーツ走行向きの硬めのバネ設定からリムジンのような贅沢な乗り心地まで、幅広く対応している。
さらにフライングスパーに初導入されるオプションのエレクトロニック・オールホイール・ステアリングは、高速走行時の安定性と市街地走行時の操縦性を向上させるものだ。
高速走行時には前輪と同じ方向に後輪が操舵され、追い越しや車線変更の際の安定性が確保される。また低速走行時は、後輪が前輪と逆方向に操舵されることによりホイールベースの短縮効果が生まれ、回転半径を小さくすることで敏捷性が向上し、驚くほど楽に駐車が可能となる。
■フライングスパーの魅力的な内外装の装備とは
新型フライングスパーの大胆なエクステリアデザインには、一目でベントレーと分かる新たなビジョンが息づいている。第2世代よりもホイールベースが130mm長くなった新型フライングスパーは存在感が向上し、側面全体の流れるようなラインが骨太な逞しさを醸し出しているのが特徴的だ。
●デザイン、クラフトマンシップ、最高の素材の競演
エクステリアカラーには、フライングスパーV8のキャラクターとボディラインを引き立てるために選び抜かれた7色が標準設定される。さらに60色以上の豊富なオプションカラーから選択することもでき、マリナーに自分だけのエクステリアカラーをオーダーすることも可能だ。
ブラックラインスペシフィケーションを選択すると、エクステリアのブライトウェアがモダンな雰囲気のブラックに統一され、新しくなったスタイリングスペシフィケーションを選択した場合は、エクステリアのスポーティ度がさらに高まり、フライングスパーV8の比類なき走行性能が一段と向上。
エクステリア装備としてはペイント仕上げの20インチ10本スポークアロイホイール、V8ウィングバッジ、クワッドエキゾーストパイプなどが標準設定され、インパクトのあるリアデザインを演出している。
●前後とも快適な車内空間
ベントレーの職人技が惜しみなく注ぎ込まれたインテリアは、極上のラグジュアリーとイノベーションが盛り込まれたモダンな空間となっている。
シートレザーは5色から選択可能だが、カラースペシフィケーションを指定すれば、レザーがさらに10色と、インテリアのデュオトーンカラーが2種類追加される。
広々としたインテリア空間を演出するのは、ダッシュボードからドアへとなだらかに続くウッドパネルだ。標準設定のクラウンカット・ウォールナットはストレートカットを用い、モダンな雰囲気に仕上げられている。ウッドパネルはこのほかに7種類用意されており、「ハイグロスカーボンファイバー」というテクニカルフィニッシュを選択することも可能だ。
好みのウッドパネルでデュアルヴェニアを指定したり、フロントセンターコンソールにコート・ド・ジュネーブの装飾をプラスすれば、キャビンのオーダーメイド感がさらにアップする。
また、新型フライングスパーV8にも、業界初となったベントレーローテーションディスプレイを搭載することが可能だ。エンジンスタートボタンを押すと、ダッシュボード中央のウッドパネルが回転して12.3インチのタッチスクリーンが現れ、カスタマイズ可能な3種類のウィンドウがタイル表示される。
ローテーションディスプレイをさらに回転させると、2つ目の面にはエレガントなアナログメーター(外気温計/コンパス/クロノメーター)が現れる。3つ目の面はシンプルかつシームレスなウッドパネルとなり、デジタル表示が一切なくなるため、周囲との一体感が増した落ち着いたインテリアを演出することが可能となる。
後席には、優美な素材で彩られた新設計のタッチスクリーンリモートが装備される。ボタンひとつで簡単に取り外し可能なタッチスクリーンリモートを使い、ブラインド、リアシートのマッサージ機能、リアのクライメートコントロールなど、様々な機能を操作することができる。
新しくなった冷蔵機能付きボトルクーラーは、左右後席の間のセンターアームレスト後方に装着される。+6度から-6度の2段階の冷蔵機能があり、330mlのソフトドリンクなら6本、500mlのボトルなら4本、750mlのシャンパンボトルなら2本収納可能。
このボトルクーラーはデザインが一新されてコンパクトになり、先代フライングスパーのときよりもトランクスペースへの張り出しが少ないため、トランク容量は420リットルを確保している。
* * *
日本での車両価格は、2212万1000円(消費税込)。すでにオーダー受付中で、納車開始は欧州および英国で2020年末頃、日本では2021年第2四半期頃を予定している。
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