■カリフォルニア州のZEVクレジットで稼ぐことができなくなる?
日本時間の9月18日時点で正式発表はされていませんが、アメリカ政府が州ごとに認めている自動車の環境(排ガス)規制&燃費規制の権利を撤廃すると報道されています。おそらくメインターゲットとなっているのはカリフォルニア州であり、アメリカにおける環境&燃費規制に影響を及ぼすCARB(The California Air Resources Board)の弱体化ではないでしょうか。
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アメリカがトランプ大統領になって以来、自動車の環境や燃費に対する規制を緩くする方向に向かっています。欧州でのEVシフトに大きな影響を与えているパリ協定から脱退しています。わかりやすい表現を使うと「地球温暖化はでっち上げ」というのがトランプ政権のスタンスです。その中で、CARBによるZEV(ゼロエミッションビークル、燃料電池車やバッテリー電気自動車のこと)の推進はトランプ政権の目指すところと真逆の政策といえます。しかし、これまでは州ごとに環境規制をかける権利があったので、そうした動きを止めることはできませんでした。さらにいえば、CARBの行動がCO2排出量削減を目指す団体や環境規制を重視するクラスタのシンボルとなっていた面も否めません。
それはアメリカの自動車産業においてマイナスばかりではなかったといえます。自動車の一大マーケットであるカリフォルニア州でクルマを売るためにはZEVを推進する必要があり、そうしたインセンティブは技術発展にもつながっています。また、現実的なZEVの解といえるBEV(バッテリー電気自動車)の普及にも一役買っています。具体的にいえば、テスラの成長にはカリフォルニア州の規制が生むトレンドが追い風になっていたはずです。
単にBEVが売れるマーケットトレンドを生み出したということだけではありません。規制を満たしていないメーカーは、規制をクリアしているメーカーから排出権(ZEVクレジット)を購入する必要があり、テスラはZEVクレジットの売却により多額の利益を得ていることで知られています。しかし、カリフォルニア州独自の規制が撤廃されると、このZEVクレジットという考え方そのものが消えてしまう可能性もあります。テスラに限った話ではありませんが、ZEVクレジットを売れる立場にある企業にとっては、これまで濡れ手で粟とばかりに利益を生んでいたZEVクレジットがなくなることは経営に与える影響が少なくないと予想されます。
逆にいえば、排出権取引が消滅したほうがエンジン車を中心とする既存メーカーには有利なのです。ZEVクレジットを購入しているのはGMやフォードといったアメリカの自動車メーカーだけではありません。北米をメイン市場としている日本のメーカーも多くのクレジットを購入しているといわれています。つまり、アメリカにおいて自動車のエミッション規制が統一され、とくにカリフォルニア州の厳しい規制が事実上撤廃されるとなると、トヨタなど日本のメーカーにとっても有利になる可能性があるのです。
世界的なトレンドに逆行するようにも思いますが、アメリカはルールを作るだけの力を持っています。果たして、報道の通りであれば、自動車の環境&燃費規制はこれからどのようになっていくのでしょうか。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
写真:アフロ
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