この記事をまとめると
■日産GT-Rの2022年モデルの価格が1082万8400円~と発表された
5世代すべてが絶対王者のスカイラインGT-Rに挑み続けたライバル車たち
■日産GT-Rのデビュー時の価格は777万円であり300万円以上値上がりしたことになる
■それでも性能を考えれば日産GT-Rはバーゲンプライスだと思う
進化し続けるスーパースポーツの大幅値上げは珍しいことではない
日産GT-Rの2022年モデルの価格が9月に発表された。いきなり下世話な話題から入って申し訳ないが、価格はもっとも安いピュアエディションでも1082万8400円となった。
2007年10月の市販型デビュー当時の最低価格は777万円だったので、14年で300万円以上も上がったことになる。ただし、ベースモデルが1000万円を超えたのは今回が初ではなく、2018年モデルの1023万840円が最初だった。そう考えると、最近は上げ幅が少なくなっているとも言える。
しかもこの価格帯のスポーツカーにとって、この程度の上昇幅は珍しくはない。たとえば価格的に近いポルシェ911カレラは、GT-Rが市販開始した時期の2008年モデルが1115万円、現在が1429万円で、やはり300万円ぐらいアップしている。
それでも「GT-Rに1000万円超の価値があるのか?」と思う人がいるかもしれないが、そもそもGT-Rは昔から高価だった。最初のGT-Rとして1969年に登場した4ドアセダンのスカイライン2000GT-Rは150万円もした。普通のスカイライン2000GTが80万円ぐらいだった頃の話だ。
1000万円超でもGT-Rはバーゲンプライスだ
現在のスカイラインのベースグレードである、3リッターV6ツインターボエンジンを積んだGTの価格は435万3800円なので、GT-Rは倍以上の価格になっている。ただ、昔のGT-Rは後輪駆動のままで、装備はラジオやヒーターさえつかないほどスパルタンだったことを頭に入れておく必要もあるだろう。
それに性能を考えれば、GT-Rはバーゲンプライスだと思う人も多いはず。3.8リッターV6ツインターボエンジンの最高出力は570馬力で、欧州仕様の最高速度は315km/h。加速タイムは現在は非公表のようだが、以前は0-100km/h3秒としていた。
911カレラは385馬力・4.2秒・293km/hなのでお話にならず、GT3でも上まわるのは最高速度だけ。すべてで圧倒するには911ターボにご登場願うことになる。とはいえその価格は2500万円。つまり、GT-Rは半分のプライスで911ターボとほぼ同じ性能が手に入ることになる。
じつはこれ、現行GT-Rのコンセプトでもあった。それを実現するためにエンジンは手作業で組み上げ、凝りに凝ったトランスアクスル4WDシステムを用いつつ、スカイラインやフェアレディZなどと同じラインで生産できるように設計したのだ。
ほかのスポーツカーとは明らかに異なるスタイリングは、スカイライン2000GT-Rからの伝統とも言えるが、この生産体制が生み出したものでもある。
逆にデザインで選ぶなら911のほうが魅力的という声もありそうだし、日本車にはレクサスLCという美形がいることも忘れてはいけない。そして操る楽しさでは、価格が4分の1程度のマツダ・ロードスターに軍配を上げる人も多いはず。
でも、クルマ選びというのはそういうものだと思う。すべてを平均的に作った車種はつまらなくなりがち。一芸に秀でているモデルこそ輝くわけで、パフォーマンスに特化したGT-Rには1000万円以上の価値があると思っている。
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