人気のSUVのなかでも、特に熾烈な争いが繰り広げられるミッドサイズモデルは、BMWにとっても重要な重要なカテゴリーだ。その中核的モデルである「X3」と、基本を共有するクーペSUV「X4」が、フェイスリフトを含む改良を受けた。
新モデルのビジュアル的特徴や機能の進化、ラインナップなど、磨き上げられた新X3とX4の魅力をお届けしよう!
エッ! 新型ディフェンダーの中古車が新車価格なみでも人気なワケ
文/大音安弘、写真/BMW
【画像ギャラリー】マイチェン版BMWミドルSUV「X3」と「X4」の改良ポイント
■電動化や先進機能など時代に合わせたアップデートを……
BMWは2021年10月28日、BMWのミッドサイズSUVであるSAVの「X3」とSACの「X4」のマイナーチェンジモデルを発表し、同日より販売を開始した。新価格は、X3が699万円~1311万円。X4が776万円~1338万円となる。
BMWのミッドサイズSUVの中核的モデルであるX3とX4がマイナーチェンジを実施した
BMWでは、スタンダードなSUVをSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)、クーペSUVをSAC(スポーツ・アクティビティ・クーペ)とそれぞれ呼んでいる。
改良のポイントは、前後バンパーデザインやキドニーグリルなどのエクステリアの変更、先進の安全運転支援機能の強化やプラグインハイブリッド(PHEV)の追加などが挙げられる。
■よりゴージャスとなったフロントマスク
エクステリアの変更のポイントは、X3とX4が持つラグジュアリーな雰囲気を高めたことにある。新デザインで最もインパクトがあるのが、新キドニーグリルだ。独立した左右のグリルを一体化させ、グリルをより押し出した立体感のあるデザインに変更。標準車のフロントバンパーをプレーンな仕上げとし、メリハリが与えられた。
標準車のフロントバンパーは、開口部を絞り込み、プレーンな形状とすることで、新キドニーグリルを強調する
一方、人気のMスポーツはフロントバンパーの開口部を絞り込みながら、より立体的なデザインとすることで、躍動感を増している。左右のダクトはL字デザインとすることで幅広さや安定感も強調しているようだ。新型M4に関しては、標準車がすべてMスポーツに集約されている。
X4 M40iのエクステリア。フロントバンパーデザインを変更。Mパフォーマンスモデルなので、グリルはブラック化
リアスタイルでは、X3が立体感のある新デザインのテールランプに変更。また、リアバンパー内蔵タイプのエキゾーストフィニッシャーが新デザインとなっているのが大きな変更点となる。
立体的なデザインのテールランプが印象的なX3。リアバンパーデザインも変更し、テールフィニッシャーの形状も改められた
■デジタル化を強化したコックピット
インテリアデザインでは、コックピットのデジタル化の強化が大きなハイライトとなる。BMWオペレーティング・システム7.0にアップデートされ、インフォテイメントディスプレイが12.3インチと大型化され、メーターパネルもフル液晶ディスプレイに変更されている。
同時に、先進の安全運転支援機能も最新世代にアップデート。高性能3眼カメラ&レーダー、および高性能プロセッサーを備えるものとなり、高速道路渋滞時に手放し運転が可能となる「ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能」も標準搭載されている。
X3のコックピット。デジタル機能が強化され、音声認識機能やコネクテッド機能が進化している
■ニーズを読み解いた充実のパワーユニット
新型X3とX4は全車が4WDとなり、仕様は右ハンドルのATのみ。パワートレーンは、ガソリンとクリーンディーゼルに加え、X3ではプラグインハイブリッドも用意。エントリーとなるX3 xDrive20iは、184ps/300Nmの2L直列4気筒ターボエンジンを搭載。X3とX4で選択可能なクリーンディーゼルxDrive 20dは、X3が190ps/400Nmに対してX4が184ps/400Nmとチューニングが異なる。
X3のみに設定されるPHEVのxDrive 30eは、xDrive 20iと同じスペックの2L直列4気筒ターボエンジンに、電気モーターと34Ahのリチウムイオン電池を組み合わせたもの。EVモードの航続距離は49.5kmとし、システム最高出力は292ps、システム最大トルクは420Nmとパワフルなものだ。
また、X4には専用グレードとなるxDrive30iがあり、こちらはハイチューン仕様の2L直列4気筒ターボエンジンを搭載。最高出力252ps、最大トルク350Nmを発揮する。
最強のMハイパフォーマンスモデルに収まる3L直列6気筒ターボエンジン。
■走り屋を魅了する個性豊かなMラインナップも用意
もちろん、BMW M社が手がけるMパフォーマンスモデルとMハイパフォーマンスモデルも用意。X3については、M40iとM40dの燃料の異なるふたつのMパフォーマンスモデルを設定。X4ではガソリン仕様のM40iのみに。さらにトップモデルには、MハイパフォーマンスモデルであるMコンペティションを各々に用意する。
MパフォーマンスモデルであるM40iは、最高出力388ps、最大トルク500Nmを発揮する3L直列4気筒ターボエンジンを搭載。X3のみとなるM40dは、最高出力340ps、最大トルク700Nmを発揮する3L直列6気筒クリーンディーゼルターボを搭載する。驚異的な700Nmのトルクは、ディーゼルのスポーツモデルとしても、かなり面白く刺激も強そうだ。
頂点となるMハイパフォーマンスモデル「Mコンペティション」には、最高出力510ps、最大トルク620Nmを発揮する3L直列4気筒ターボエンジンを搭載。SUVながら0-100km/h加速3.8秒を誇る。エンジンも鍛造ピストンや高効率な吸気ダクト、専用チューンのツインターボチャージャーなどで武装するなど、モータースポーツのフィードバックをしっかりと受けたもの。
もちろん、足回りも強化され、アダクティブMサスペンションや6ポッドMコンパウンドブレーキなどを標準で備えて、そのパワーを活かす走りを実現させている。
迫力満点のX3Mコンペティションは、俊足のSUVに鍛え上げられている
デリバリーに関し、標準車となるX3は2021年11月以降と早めだが、X4とX3及びX4のMモデル群に関しては、2022年の春以降を予定している。
【画像ギャラリー】マイチェン版BMWミドルSUV「X3」と「X4」の改良ポイント
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高級感が無かったのが常だけど、写真を
見る限りそれほどの物には感じない。