現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > トヨタ・ヤリスが月販1万台でも「微妙な空気」の販売現場! ヴィッツからの「車名変更」が落とす影

ここから本文です

トヨタ・ヤリスが月販1万台でも「微妙な空気」の販売現場! ヴィッツからの「車名変更」が落とす影

掲載 更新 44
トヨタ・ヤリスが月販1万台でも「微妙な空気」の販売現場! ヴィッツからの「車名変更」が落とす影

 約20年続いたヴィッツの名は偉大だった

 2020年2月にそれまでのヴィッツがフルモデルチェンジのタイミングで、日本国内でもそれまでのヴィッツのグローバル車名であるヤリスとなって登場した。自販連(日本自動車販売協会連合会)統計によると、2月のデビューから8月までの累計販売台数は7万3989台、月販平均販売台数は約1万569台となり、月販目標台数7800台を大きく上まわっている。しかも4月からは6月を除き8月まで、登録車のみの販売ランキングで1位となっている。

トヨタ・ライズが爆発的ヒットも喜べない新車セールスマンの複雑な胸中

 販売台数統計を見ると確かによく売れているのだが、販売現場にいる複数のセールスマンからは、「販売統計ほど売れているというという実感は販売現場にはない」という感想が聞けた。さらに新車販売の事情通によると、「『わ』ナンバー、つまりレンタカーとして、フリート販売で販売実績の上乗せをしているようだ」という話を聞くこともできる。確かに、街なかを歩いていると、見かけるヤリスのうち結構な割合が『わ』ナンバーだということは、新車販売業界に詳しいひとたちの間では話題になっている。

 また販売現場では車名をヴィッツからヤリスに変更したことへの違和感も大きい様子が伺える。あるセールスマンは「車名がヤリスになったのは結構きついですね。メーカーとしては、『もともとグローバル車名はヤリスだった』というロジックで今回変更しているようです。また、ラリーへの参戦の関係でもヤリスにする必要があったようです。ただヴィッツという車名を捨てるのはもったいなかったように思えます」と語ってくれた。

 初代ヴィッツは、それまでのスターレットの後継モデルとして1999年に登場している。ギリシャ人デザイナーが手掛けたデザインや、センターメーターレイアウトを採用するなど、斬新なモデルとして評価が高いだけでなく、人気も高いものであった。

 その後2005年に2代目、2010年に3代目がデビューし、今回4代目ともいえるモデルが日本国内でもヤリスの車名でデビューしている。ヴィッツとして20年ほど販売が続けられたこともあり、ヴィッツという車名が定着してきたなかでの改名は販売現場から見れば、悩ましいところともいえるだろう。

 親しまれた車名という安心感は販売面でも重要

 似たようなケースでは、2019年にマツダ・デミオが改良のタイミングでグローバル車名の“マツダ2”へ改名。初代デミオは1996年にデビューしているので、状況は今回のヤリスへの改名と似ている。

 ちなみにこのときフルモデルチェンジは行われていなかったので、同じ形でデミオとマツダ2が存在し市場はやや混乱した。さらに車名変更でデミオというモデルは絶版車となったので、リセールバリューの落ち込みも顕著となったとされている。

 長い期間同じ車名で販売していることを購入時に消費者が重要視するかといわれれば、それが購入する決断を大きく左右するともいえない。しかし、聞き慣れない車名に対し、“聞いたことがある車名”や、親戚や知人が乗っているクルマということに安心感を得るひとは多いようだ。商談時にも「ヴィッツの海外名に日本でもなりました」といちいち説明する必要もない。ただ歴代ヴィッツに乗っている人にとってみれば、自分の愛車が絶版となってしまうことに凹んでしまうひとも少なくない。

 “ヴィッツ時代より走りなどの基本性能が段違いに良い”と大きくイメージチェンジを図ろうとしたのかもしれないので、メーカーの判断を全否定するつもりはない。さらにわれわれが車名といっているものは、あくまで“通称名”であり、正式車名は型式番号になるので、メーカーにとってみれば、車名(通称名)変更は大したことではないのかもしれないが、販売現場では車名変更についてはたいしたことではないとは考えていないようだ。

こんな記事も読まれています

GTワールドチャレンジ・アジアがセパンで開幕。8台参加の日本勢はDステーションが総合6位入賞
GTワールドチャレンジ・アジアがセパンで開幕。8台参加の日本勢はDステーションが総合6位入賞
AUTOSPORT web
キャンプにオススメ!野外での“トイレ事情”を解決する「キャンパートイレ」発売
キャンプにオススメ!野外での“トイレ事情”を解決する「キャンパートイレ」発売
グーネット
三菱 コンパクトSUV「ASX」改良モデル発表 “ダイナミックシールド”強調した新デザイン
三菱 コンパクトSUV「ASX」改良モデル発表 “ダイナミックシールド”強調した新デザイン
グーネット
「ランクル250販売前線」悲喜こもごも?? 意外に多い「辞退客」とは? ディーラーごとに対応は千差万別だった
「ランクル250販売前線」悲喜こもごも?? 意外に多い「辞退客」とは? ディーラーごとに対応は千差万別だった
ベストカーWeb
テスラ「モデル3」 最高速262キロ!専用デザインの新グレード「パフォーマンス」追加
テスラ「モデル3」 最高速262キロ!専用デザインの新グレード「パフォーマンス」追加
グーネット
ヒョンデ、高性能EV「IONIC 5 N」の国内仕様車の概要を発表 4月25日から期間限定モデル「First Edition」の購入予約受付を開始
ヒョンデ、高性能EV「IONIC 5 N」の国内仕様車の概要を発表 4月25日から期間限定モデル「First Edition」の購入予約受付を開始
月刊自家用車WEB
「サーキット以外の場所でやることにも意味があったと思う」盛り上がりを見せた岩佐歩夢発案のSFキャラバンが成功裏に終了
「サーキット以外の場所でやることにも意味があったと思う」盛り上がりを見せた岩佐歩夢発案のSFキャラバンが成功裏に終了
AUTOSPORT web
新型スイフトスポーツも新型ワゴンRも24年夏に登場予定か!? スズキは計5台の新型を投入で戦力アップなるか
新型スイフトスポーツも新型ワゴンRも24年夏に登場予定か!? スズキは計5台の新型を投入で戦力アップなるか
ベストカーWeb
「SLS AMG」の偉大さをメカニズムから検証。速さだけでないメルセデスの安全思想も注ぎ込まれた最高傑作の1台でした
「SLS AMG」の偉大さをメカニズムから検証。速さだけでないメルセデスの安全思想も注ぎ込まれた最高傑作の1台でした
Auto Messe Web
スーパーカーオーナーさん、いらっしゃい──新型ヒョンデ アイオニック5 N試乗記
スーパーカーオーナーさん、いらっしゃい──新型ヒョンデ アイオニック5 N試乗記
GQ JAPAN
愛犬家は要チェック!?ルノー「カングー」最長1年間貸与!モニターキャンペーン実施
愛犬家は要チェック!?ルノー「カングー」最長1年間貸与!モニターキャンペーン実施
グーネット
軽からミニバンまで!車中泊にぴったりの厚さ8cmマット、新デザイン登場 ベアーズロック
軽からミニバンまで!車中泊にぴったりの厚さ8cmマット、新デザイン登場 ベアーズロック
グーネット
BMW 燃料電池車「iX5 ハイドロジェン」 日本での実証実験を2024年も継続
BMW 燃料電池車「iX5 ハイドロジェン」 日本での実証実験を2024年も継続
グーネット
【24’ 4/22最新】レギュラーガソリン平均価格、再び175.0円に値上がり
【24’ 4/22最新】レギュラーガソリン平均価格、再び175.0円に値上がり
グーネット
代役スピネッリ、SBK初陣でギャンブル大成功「これがレース!信じられないような勝利で嬉しい」/第3戦オランダ
代役スピネッリ、SBK初陣でギャンブル大成功「これがレース!信じられないような勝利で嬉しい」/第3戦オランダ
AUTOSPORT web
「盗まれた」県が怒りの声明 県道の工事現場から“かなり重い資材”が複数 被害総額300万円超
「盗まれた」県が怒りの声明 県道の工事現場から“かなり重い資材”が複数 被害総額300万円超
乗りものニュース
さよなら「ゾエ」! ルノーのEV先駆者を振り返る 後継は「5」 楽しい走りで電費は優秀
さよなら「ゾエ」! ルノーのEV先駆者を振り返る 後継は「5」 楽しい走りで電費は優秀
AUTOCAR JAPAN
「911ターボ」登場から50年! 「911ダカール」と「タイカンGTS」と並んでポルシェの過去・現在・未来を表現したブースがおしゃれ
「911ターボ」登場から50年! 「911ダカール」と「タイカンGTS」と並んでポルシェの過去・現在・未来を表現したブースがおしゃれ
Auto Messe Web

みんなのコメント

44件
  • ネガキャンですな。
  • 出ました、小林氏得意の「焦り」「陰り」「憂鬱」「微妙」シリーズ
    何年もこんな記事書いてきて、結果、現在はトヨタ一人勝ち状態。
    2~3年前に、中国で「日本車はトレンドが古い」とジャパンパッシングが起きている、などと書いていたが、現状、中国市場で日本車は好調。
    ほんといい加減なことばかり言ってる。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

150.1235.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

93.5274.8万円

中古車を検索
ヤリスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

150.1235.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

93.5274.8万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村