4月19日(金)、2024年WRC世界ラリー選手権の第4戦となる『クロアチア・ラリー』が開幕。デイ1は8本のスペシャルステージが行われ、ティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)とエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)が同タイムで総合首位タイとなっている。TGR-WRTから参戦する日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、総合6番手で大会初日を終えた。
前日のシェイクダウンでは、ワン・ツーのタイムを記録したトヨタ勢と、ヒョンデのエース格ふたりが同タイムで続く拮抗が明らかになった2024年のクロアチア・ラリー。大会初日が幕を開けると、その争いは一気に白熱していった。
【順位結果】2024年WRC第4戦クロアチア・ラリー SS8後
■ランキングの上位ふたりがタイムバトル
SS1~8(スペシャルステージ)までの8本を走行したデイ1は、早くも一本目のステージから、路肩を走ることでタイム短縮を図る“インカット走方”によって撒かれた砂利や土の影響が現われた。
走順の遅いクルマほど難しいアタックとなった各ステージでは、ドライバーズ選手権の首位として最初にコースに入ったティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)と、次いでコースインしたエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)が好タイムをマークする。
SS1ではヌービルが首位タイムでリードを築くと、SS2ではエバンスがステージウインをあげて差を詰める。路肩には雪も残るSS3、SS4では、ヌービルがさらにペースを上げて連続でトップタイムをマークするも、エバンスも大きく離されることなく続いて午前中を終える。
開幕早々のトップ争いを繰り広げるふたりに続いて、3番手を争ったのはセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)とオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)。こちらは、走順が遅いながらも好ペースで攻め続けるオジエがリードを広げていく展開となった。
一方、前戦サファリ・ラリー・ケニアで2位表彰台を獲得した勝田は、5番目のコースインが影響したか慎重な走りが続き、総合6番手からラリーを開始する。目前のライバルはMスポーツ・フォードWRTのアドリアン・フルモー(フォード・プーマ・ラリー1)だ。
■雨到来でさらに難しいコンディションへ
午前中のステージを逆順に再走する午後になると、雹が混じりの雨が降り始めた。舗装の割れた路面や撒かれた土に加えて、雨が路面を濡らしたことによってさらに滑りやすい状況で午後のステージが行われた。
午後の一本目となるSS5は、同ステージでの自身のタイムを0.1秒更新する精密な走りでヌービルがトップタイムをマークする。
しかし続くSS6には、路肩の岩に触れた影響でタイヤがホイールリムから落ちてしまうトラブルが発生し、約10秒のタイムロス。2度目のステージウインをあげたエバンスが総合順位で0.1秒差にまで接近した。
この日も残るステージが2本となったところでペースを上げてきたのはオジエだ。SS7にて今大会最初のステージウインをあげ、さらにチームメイトのエバンスは0.3秒差で続いて総合首位に浮上する。
デイ1最後のSS8は、SS1の地に戻って1日を締めくくる。日差しも徐々に戻りはじめたステージを最速で駆け抜けたのは、連続の快速アタックを見せたオジエ。そして注目の総合首位争いはここでまさかのタイム差ゼロとなり、エバンスとヌービルのふたりがデイ1を首位タイで終えた。
そして勝田は、総合首位と1分37秒8差、前のフルモーとは45.1秒差の総合6番手で大会初日を終えた。ステージ後のインタビューでも、スピード不足に悩むコメントが続いており、デイ2以降のペースアップに期待したい。
WRC2クラスは、シトロエンC3ラリー2を駆るニコライ・グリアジンとヨアン・ロッセルのふたりが好走を披露する。デイ1すべてのステージでワン・ツーのタイムを記録し、グリアジンが31.1秒リードでクラス首位につけている。
大会の折り返しを迎えるデイ2は、SS9~16までの8本で争われ、ステージの総距離は108.76kmとなる。すこしずつ崩れ始めた天気にも不安が残る大会2日目、最初のSS9は現地時間20日(土)の7時31分(日本時間で同日14時31分)より開始される予定だ。
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