早くもSUV時代の3戦目を迎えたアルゼンチン最高峰のFFツーリングカー選手権TC2000の第3戦が6月7~8日にサンタフェ州アウトドローモ・ロサリオで争われ、予選ではシボレー陣営YPFエライオン・オーロ・プロ・レーシングのフランコ・ヴィヴィアン(シボレー・トラッカー)が今季初のポールポジションを獲得。決勝でも開幕から席巻する盟主TOYOTA GAZOO Racing YPFインフィニアの『カローラクロス』に一矢報いるかと思われたが、ここで思わぬ“伏兵”が出現することに。
昨季までそのTGR陣営に所属したマルセロ・チャロッキ(ATレーシング/フィアット・クロノスTC2000)が、リバースグリッドの好機も活かして新生SUV軍団を撃破。チームにとってもシリーズ初の勝利を飾っている。
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今季より直列5気筒のターボエンジンを搭載したSUVモデルを導入するTC2000では、開幕2戦でエミリアーノ・スタン(トヨタ・カローラクロス)が連勝を飾り、隣国ブラジルでは復帰のミツビシが猛威を振るう後輪駆動ストックカーとは異なり、アルゼンチンで長年モータースポーツ活動を継続するトヨタが新規定の主導権を握っている。
「開幕2戦で優勝できたことで選手権は良いスタートが切れたね。引き続きTOYOTA GAZOO Racing YPFインフィニアとしてロサリオでも主役であり続けたいと思っている」と、週末を前に意気込みを語ったSUV時代唯一のウイナーであるスタン。
「ここは大好きなサーキットで(現地でツーリスモ・カレテッラと人気を二分する)トップレースでも表彰台を獲得し、いつも観客の応援を受けているんだ」
迎えたアウトドローモ・ファン・マヌエル・ファンジオでの走り出しは、父であるエルネスト“ティト”ベッソーネ(ハルコン・モータースポーツ/フォルクスワーゲン・ニーヴァス)とともに、この第3戦よりシリーズに復帰したフィゴ・ベッソーネ(PMOレーシング/シボレー・クルーズ)が最速タイムを記録。いきなり新型SUVの前に旧規定のセダン車両が立ち塞がる。
「特別な週末になるだろうね」とセッション開始前に語っていた21歳のベッソーネ。「セダンでレースをし、チームの体制が強化されて準備が整えば新型SUVでレースをするのが目標だ。でも、将来のことを考えるよりも今この瞬間を楽しみたいと考えているよ」
しかしFP2からはやはり新規定モデルが真価を発揮し、最初のシェイクダウンでもトップとしていたヴィヴィアンのシボレー・トラッカーがFP2で最速となり、続く予選でも僚友ファクンド・アルドリゲッティを撃破してのポールポジションを獲得した。
「ロサリオではいつも好成績を収めてきた。大好きなサーキットだし、このSUVで走れるのが楽しみだったんだ」と語ったヴィヴィアン。「課題は、毎年変化するバンク角やアンジュレーションのあるカーブをうまく攻略し、セットアップをうまく決めることだった。昨季までは6速で236km/hで走っていたセクションだからね」
そのヴィヴィアンは今季初ポール獲得に加え、ロサリオでの歴代最速記録も樹立。アルドリゲッティを0.001秒差、3番手のマティアス・ロッシ(トヨタ・カローラクロス)に0.706秒差で勝利したが、決勝レースではトップ6リバースにより3列目からスタートを切る。
「正直に言って、僕らは非常に速いマシンをドライブしている。新型TC2000のSUVを乗りこなすのは非常にチャレンジングだが、同時にとても楽しい。冷間は難しかったものの、クルマへの絶大な信頼のおかげで素晴らしいラップを刻むことができた。今はただとても幸せだとしか言いようがないね」
その予選では新生“ホンダYPFレーシング”として参戦する『ZR-V』のティアゴ・ペーニャが、左コーナーの途中でリヤサスペンションを破損し、限界速度で旋回しながらアクシデントを回避する巧みなマシンをコントロールを披露する場面も。この点で予選3番手に甘んじたシリーズ“5冠”の大エースことトヨタのロッシも「コーナー区間が非常に急勾配で、とくにSUVは車重が重いからジャンプ(荷重抜け)からの着地でバラストの影響を大きく受ける」との懸念を示す。
「信頼性について少し懸念している。リバースグリッドで良い戦いができればと思っているが、個人としては完走してポイントを獲得し、明日の決勝が良い結果になることを願っている」と今季未勝利のロッシ。
迎えた決勝は、シボレー陣営のアルドリゲッティや、セダン型のクルーズに乗るフランコ・モリーロらがウォールや看板に激突。マシン大破のクラッシュを喫するなか、序盤で3番手発進から首位に立ったチャロッキが快走する展開に。そのままトヨタのロッシ、シボレーのヴィヴィアンを抑え切り、下馬評とは異なる結果でSUV台頭を覆す好成績を収めた。
「激しいレースだった。スタートが勝敗を分けることは分かっていたから、大きなリスクを負って、大きな賭けに出ようとしたんだ」と明かした勝者チャロッキ。「マティアス・ロッシが来たとき、自分のクルマは防御できると確信した。そして彼に決定的なチャンスを与えないよう、できる限り賢く行動しなければならなかった。マティアスはチャンスを巧みに利用してくるからね」
これでシリーズ通算4勝目を挙げたチャロッキが、チームに初の勝利をもたらしたTC2000シリーズ。続く第4戦は6月27~29日に同国東部メソポタミア地方に位置するアウトドローモ・シウダード・デ・コンコルディアで開催される。
[オートスポーツweb 2025年06月13日]
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