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ロータス・エランの直接的な影響ナシ? マツダMX-5(ロードスター)誕生秘話(2)

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ロータス・エランの直接的な影響ナシ? マツダMX-5(ロードスター)誕生秘話(2)

4気筒ユニットで史上最高のサウンド

今回ご登場願ったロータス・エラン・タイプ26は、ゴードン・モリソン氏の1965年式。このツインカムは、4気筒ユニットで史上最高のサウンドを放つと筆者は思う。勇ましくも洗練され、図太くはない。変速するたびに、エッジーな響きが充満する。

【画像】マツダMX-5(ロードスター)へ影響を与えた英国スポーツたち 現行の4代目も 全117枚

カーブへ飛び込めば、スケートボードのようにフラットでシャープ。乗り手との一体感は見事で、乗り心地はしなやか。コリン・チャップマンの魔法が、ここにも掛けられている。60年物だがシャシーの剛性感は驚くほど高く、粗野な振動は伝わらない。

ボブ・ホール氏も含めて、当時のマツダの技術者はエラン・タイプ26のシャシーが持つ能力へ着目。エマ・ピール仕様のレプリカを購入し、レストアされるに至った。それは社用車としてアメリカへ届けられ、2年後に払い下げられる予定も組まれた。

「エンジニアリングの評価へ使用しました。フィーリングを理解するため、何度も試乗しましたよ」。と振り返るボブは、補強フレーム付きのバックボーン・シャシーをマツダも採用するよう、日本側へ打診したという。

今でも印象的な実力 優れた人間工学

細身のビキニ姿の女性がエランを運転する映像を用意し、車内の広さと揺れの小ささを伝えたと、ボブは振り返る。それでも、衝突安全性を理由に採用は見送られた。さらに、そのエランは上層部の要望で日本へ。彼が買い取ることは、結局叶わなかった。

それでも、5速MTとリアアクスルを結合する補強構造は、エランからのヒントといえた。ウィル・ウィリアムズ氏が所有する1992年式の内側にも、ちゃんと備わる。

カーブでの軽快な身のこなしに、しなやかな乗り心地、機敏なアクセルレスポンスなど、実力の高さは今でも印象的。優れた人間工学も、エランと共通する。ステアリングホイールやペダル、シフトレバーの位置は、完璧に整えられている。

トランスミッションには金属製エンドストップが備わり、変速感は機械的。それでも、シャシー剛性はさほど高くない。滑らかな路面では気にならなくても、グレートブリテン島の傷んだ路面では、ダッシュボードやピラーが左右に揺れる。

スタイリングは、様々な要素の融合

ボブは、エランからも刺激を受けたと認める。だがツインカムエンジンは、そこから着想を得たものではないとも話す。「ミアータ(ロードスター)のアイデア以前から、日本側はツインカムの4バルブエンジンに夢中でしたから」

エランと似たスタイリングは、様々な要素の融合による結果だと振り返る。「意図的な結果ではないと断言できます。信じ難いかもしれませんが、エランを見たことがない技術者などは大勢いました。電車通勤の人が多かったと聞いても、驚きませんよ」

「マーク・ジョーダンさんの初期のスケッチを見ると、フロントグリルはフェラーリ風。250 GTOのデザインを気に入っていて、活かそうとしていました」。だが、アメリカの衝突安全規制へ合わせるため、フロントグリルはバンパーと一体になった。

「そこで、エランっぽさを得たんです。同じ課題に対する、望ましいソリューションだったのかもしれませんね」。同様に、カリフォルニアの規制へ準じたヘッドライト高を得るため、リトラクタブル式が採用されたという。

名車へ再び光を当て、継承したロードスター

MG TDにトライアンフTR2、オースチン・ヒーレー100と一緒に、子どもの頃を過ごしたボブ。MGAで英国製スポーツカーの能力を知り、ヒーレー3000では、充実した基本装備が普段使いの親和性へ影響することを理解した。

エラン・タイプ26は、スポーツカーへ相応しい操縦性と音響体験の指標を与えた。だが、多くの人が想像するような直接的な影響はなかったと、彼は繰り返す。

同時にボブは、過去の傑作が踏み台になったことを恥じていない。MGやロータスといった名車の精神へ再び光を当て、現在への継承を叶えたのだから。

ロードスターの成功は、英国ブランドの衰退と優れた信頼性が生んだものだと、考える人はいるだろう。だが、BMW Z3をはじめとする多数の追従者を生み、100万台以上の生産を達成したという事実は、それ以上のクルマだったことを証明している。

協力:ボブ・ホール氏、コリン・マンリー氏、ゴードン・モリソン氏、ウィル・ウィリアムズ氏、ポール・マティ氏

傑作ロードスター 3台のスペック

MGA ツインカム(1958~1960年/英国仕様)

英国価格:1027ポンド(新車時)/6万ポンド(約1188万円/現在)以下
生産数:2111台
全長:3962mm
全幅:1473mm
全高:1270mm
最高速度:185km/h
0-97km/h加速:13.3秒
燃費:7.7km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:977kg
パワートレイン:直列4気筒1588cc 自然吸気DOHC
使用燃料:ガソリン
最高出力:109ps/6700rpm
最大トルク:14.3kg-m/4500rpm
ギアボックス:4速マニュアル/後輪駆動

ロータス・エラン・タイプ26 S2(1962~1973年/英国仕様)

英国価格:1436ポンド(新車時)/4万5000ポンド(約891万円/現在)以下
生産数:約8650台
全長:3683mm
全幅:1422mm
全高:1143mm
最高速度:185km/h
0-97km/h加速:8.7秒
燃費:9.9km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:549kg
パワートレイン:直列4気筒1558cc 自然吸気DOHC
使用燃料:ガソリン
最高出力:106ps/5500rpm
最大トルク:14.9kg-m/4000rpm
ギアボックス:4速マニュアル/後輪駆動

マツダMX-5 1.6i(ロータスター/初代/1989~97年/英国仕様)

英国価格:1万4429ポンド(新車時)/1万5000ポンド(約297万円/現在)以下
生産数:43万1506台(初代合計)
全長:3950mm
全幅:1675mm
全高:1225mm
最高速度:183km/h
0-97km/h加速:9.1秒
燃費:10.3km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:955kg
パワートレイン:直列4気筒1598cc 自然吸気DOHC
使用燃料:ガソリン
最高出力:115ps/6500rpm
最大トルク:13.8kg-m/5500rpm
ギアボックス:5速マニュアル/後輪駆動

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
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みんなのコメント

2件
  • ぼよよん
    NA6を15年以上前に底値のゲロ安で買って以来、毎日の通勤と休日のツーリングと八面六臂の活躍で現在も稼働中...w

    こんな良い子はいない!
    \(//∇//)\
  • BRUNO
    日本にはマツダロードスターやホンダNSXみたいに欧米に多大な影響を与えたスポーツカーがある事が誇らしい
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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