日本屈指のアートコレクターである高橋龍太郎に学ぶ、アートの買い方と飾り方。
──アートの買い方アートフェア、ギャラリー、オークション、オンライン、作品の購入先としての利点と懸念点は?アートフェアは玉石混交で、実にさまざまな出会いがあり、集団お見合いみたいなもの。しかし元気がないとフルに見て回れない。疲れきった状態で見るアートは自分の中での評価が悲しいほど下がってしまいます。だから購入の場というよりも自分の目を養う場として考えたほうがいい。アートはそもそもギャラリーで買うんですよ。気に入ったギャラリーを5つぐらい、手持ちのカードとしておく。すると毎月そのうちのどこかで見たい作家が個展をやるでしょうから、いい作品に巡りあえます。ギャラリストのアシスタント的な人が実に丁寧に説明してくれますから、そういう人と仲良くなると勉強になります。一方、オークションに関しては、そもそも持ち主が手放した作品が出ているわけですからピカイチではない場合が多い。だから限定的に見ましょう。老舗オークションには教科書に載るような近代画家の良作が非常に低い価格で出ることがあるので、それを狙ってもいいのでは。オンラインで選ぶなんて論外です。作品は肌理(きめ)が大事で、よほどの眼力でない限り、実物を見ないと判断できません。
日本屈指のアートコレクターである高橋龍太郎に学ぶコレクター道
アートを見る目はどうやって養う?日本は美術館がたくさんある国で、しかも質の高い企画展が多く開催されています。欧米のアーティストや日本の作家、時代問わず、いろんな展覧会をたくさん見たほうがいい。それもただ漫然と見るよりは、「この中で自分が5点買うとしたらどれにするか?」などテーマを決めて鑑賞するといいでしょう。家に帰ってから、その5点のどこに自分は惹かれたのか、メタ視線で考察してみる。それを繰り返していくと、自分の目が養われていきます。
アートの情報はどこから得る?まずは付き合いのあるギャラリーからどしどし個展のお知らせが来ますよね。それから『美術手帖』を読む。あれほど細かく情報をさらっていて、いろんな特集を組む美術雑誌は他国にもあまりないと思いますよ。あとはネットの「ARTnews」に目を通せば十分でしょう。『美術手帖』はオンライン記事もありますが、やはり紙ベースで手元に置いておくことをお勧めします。ネットの情報は頭の中で体系化されないけれど、紙ベースなら何度も見返して確認することができますから。
作品を手放さざるを得なくなった場合は?オークションに出すしかないでしょうね。というのは、売った値段で引き取ってくれるギャラリーはまず皆無だから。売り値以上で売却できる相手が見つかれば初めて引き取ってくれますが、売り先があるかどうかわからない作品をギャラリーは買い戻したりしません。オークションはその場の雰囲気で価格が決まってしまうことがあるから、下手すると価格が3分の1以下になることも。最悪の場合、オークションでさえも引き受けず、というパターンの現代作家はたくさんいます。
──アートの飾り方作品を自宅に飾る際の注意点は?そもそも僕は作品を飾ることを念頭において買っているわけではないので、僕に聞かれてもしょうがない(笑)。飾ることが前提なら、自分の部屋の雰囲気と作品がマッチするのかどうか、よく考えたほうがいいですね。あとは作品を複数飾る場合、両者のバランスを大事にすること。展示するまでは作品自体の魅力は不透明のままだけれど、美しく見えるかどうかは飾り方にかかっています。絵画なら、僕は高めの位置に飾るのが好きです。
作品のメンテナンスはどうすればいい?温度と湿度と光に気をつけることです。昔は蛍光灯がほとんどでしたが、蛍光灯は最悪の紫外線源なので、作品には悪影響を及ぼします。今はLEDだからそれほど心配する必要はないでしょう。太陽光には気をつけたほうがいいけれど、紫外線防止のガラスにすれば99%はカットできるので、それほど神経質にならなくても大丈夫。大体、人間が快適な場所は作品にとってもそれほど悪い環境ではないので、倉庫の中で箱にしまっておくよりも、飾ったほうがいい場合もあります。
飾るスペースがない作品の保管法は?倉庫に預けるのがベターでしょうね。最近では、「寺田倉庫」のように、アート作品を預けるだけでなく、有料オプションとしてビューイングルームが使える権利があったりします。あらかじめスペースを予約して、お客さんの顔ぶれに合わせて見せたい作品を指定し展示しておいてもらうのです。お酒を飲めるサービスまでついていたりします。お金さえ許せば、こうしたサービス付きの倉庫に預け、友人を集めてワイワイ楽しんだりできますよ。
高橋龍太/Ryutaro Takahashi1946年山形県生まれ。精神科医。東邦大学医学部卒業。1990年タカハシクリニック開設。2004~2008年、東京・神楽坂に「高橋コレクション神楽坂」を設立。2024年東京都現代美術館で「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」展を開催。
PHOTOGRAPH BY SATOSHI NAGARE
WORDS BY MARI MATSUBARA
EDITED BY KEITA TAKADA (GQ)
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