■いまだに市販化を望む声も
国内外のモーターショーでは、市販予定の新型モデルだけでなく、メーカーの未来を示す様々なコンセプトカーが発表されます。
【画像】超カッコイイ! これが日産「新型シルビア!?」と話題になったモデルです! 画像で見る
これらのコンセプトカーは、最新技術やデザインコンセプト、挑戦的な精神を具現化したものであり、中には時を経てもなお市販化を望む声が上がるモデルも少なくありません。
そうした中の一台が、日産が2011年に公開した「エスフロー(ESFLOW)」です。
このクルマは、同年3月の「ジュネーブモーターショー」で世界に披露され、日本の「第42回 東京モーターショー」にも出展されました。
電気自動車(EV)のスポーツカーというコンセプトを掲げ、環境性能と走行性能の両立を目指して開発されたモデルです。当時、日産はすでに「リーフ」を市場に投入していましたが、EVはまだ普及の途上にあり、環境性能を重視したクルマという認識が一般的でした。エスフローは、そうしたイメージを払拭し、EVであっても走る喜びを追求できることを示すために、ゼロから企画されたのです。
エスフローのボディサイズは全長3780mm×全幅1780mm×全高1245mmで、乗車定員は2名です。
パワートレインにはリチウムイオンバッテリーとモーターを組み合わせた純EVシステムを採用していますが、その構成はユニークでした。車体の中央付近に、左右のリアホイールをそれぞれ独立して駆動・制御できる高性能モーターを搭載。さらに、リチウムイオンバッテリーを車体内に分散して配置することで、理想的な前後重量配分を実現しました。
この構造により、純粋なスポーツカーに匹敵するハンドリング性能と操縦性を確保し、0-100km/h加速は5秒以下という俊足ぶりを発揮しました。航続距離も、当時としては十分な240km以上を達成しています。
エクステリアは、低く伸びやかなシルエットと重心近くに配置されたコンパクトなキャビンが、スポーツカーらしいプロポーションを強調しています。ボンネットまで伸びる縦型のヘッドランプや、ブルーカーボンで装飾されたホイールが未来的な印象を与えます。
インテリアも同様に先進的で、D型ステアリングやブルーのバックライトを持つメーター類、曲線を描くダッシュボードが特徴です。また、シートを固定式とし、代わりにハンドルとペダルを動かして最適なドライビングポジションを構築する方式を採用することで、軽量化にも貢献しています。
非常に注目を集めたエスフローは、同年11月の東京モーターショーで日本初公開されると、国内のスポーツカーファンから大きな期待を寄せられました。特に、次世代の「シルビア」ではないかという憶測を呼び、話題の中心となりました。しかし、残念ながらその登場から10年以上が経過した現在に至るまで、エスフローを直接的に市販化したモデルは登場していません。
とはいえ、エスフローが示した「EVでも走る楽しさを追求する」という精神は、その後の日産のクルマづくりに受け継がれています。日産はEVに注力し続け、リーフや上級モデルのアリアにスポーティな「NISMO」グレードを設定するなど、EVの新たな可能性を追求しています。
現在の経営状況を考えると、エスフローのような純粋なスポーツカーを新たに開発・販売するのは簡単ではないかもしれませんが、このコンセプトカーが提示した挑戦的なスピリットは、形を変えて日産のモデルの中に生き続けていると言えるでしょう。
同モデルに対し、ネット上やSNSでは、「ミニ・フェアレディZのようで美しい」「リアビューが良い」といったデザインを称賛する声や、全長3.8m以下というコンパクトなサイズ(現行ロードスターより短い)に対し、「今の車は大きくなりすぎたので、このサイズ感は魅力的」「取り回しが良さそう」と歓迎する意見が見られます。
また、「次期シルビアとして出してほしい」「新社長もシルビア復活に言及していたし期待したい」といった、日産スポーツカーの復権を願う声や、「EVならではの加速感に期待」「重心が低くて楽しそう」といった、新しいスポーツカー像として受け入れる意見も寄せられています。
一方、「コンセプトは良いのに市販化されない」「日産は出す出す詐欺が多い」「早く市販車でワクワクさせてくれ」といった、日産の現状(新型車の投入ペースなど)に対する厳しい叱咤激励も多いようです。(くるまのニュース編集部)
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