2019年シーズンにレッドブルへと昇格したピエール・ガスリー。しかし彼はチームメイトのマックス・フェルスタッペンに比べると遅れを取ってしまい、前半戦で表彰台を獲得することもできなかった。
苦戦の続くガスリーに対し、レッドブルの首脳陣は後半戦からドライバーを交代させることを決断。2019年にトロロッソへ加入したルーキーである、アレクサンダー・アルボンとの入れ替え人事を実行した。
■ガスリー復活は“計画通り”? マルコ博士「レッドブル残留で復調はなかった」
この時、ガスリーのF1キャリアは終わりという推察もあった。しかし彼はトロロッソに戻ったあと、素晴らしい形で批判に反撃してみせた……ブラジルGPでルイス・ハミルトン(メルセデス)を抑えきって2位表彰台を獲得したのだ。
シーズン途中でレッドブルのシートを失って失望を味わった後、どのように立ち直り、“強さ”を維持したのかを訊かれたガスリーは、これまでのキャリアで学んできた教訓を生かしたと答えた。
「それは僕がこれまでに教育を受けてきた形であり、育ってきた形でもある。僕は人生で望むモノ全てのために戦う必要があった」と、ガスリーはmotorsport.comの独占インタビューに語った。
「誰も僕にはそれをくれなかったし、僕も貰えて当たり前だと思ったことはない。なぜなら1年後も(レースを)続けているかは分からなかったからね。将来、シートがあるかは不確実だったんだ。だから1日1日を正確に過ごし、(パフォーマンスを)示すことが必要だ。さもなければ、何も起こらない。僕は常にこういうメンタルを持っているんだ」
「だから僕は自分自身に集中する必要があった。それが最終的に物事を実現させるんだ」
「そして、あの入れ替え人事があったけど、今は大丈夫だ。あれはアンフェアな状況だった。でもそれが適切なやり方じゃなかったと証明できるかは、僕次第なんだ」
ガスリーはレッドブル加入後の数レースで苦戦した後、周囲から聞こえてくる批判に特にイライラしていたと話す。
「(トロロッソに戻ってからの)あの9レースは、僕のスキルや速さを証明するための期間だったと思っている」
「もちろん、僕はシングルシーターでのレースを始めてから、常に競争力があった。そしてこの半年で、誰もがこう聞いてきた。『彼には才能があるのか?』『速さはあるのか?』『ドライビングの仕方を忘れてないか?』『ブレーキングのやり方を忘れてないか?』とね」
「でもそれは2~3週間で忘れるようなものじゃない。知ってるだろう。僕にとってはそれが重要なことだった。よく知らない人たちが、くだらないことを話していたんだ」
「だから僕としては、110%を示すことが本当に重要だった。9レースで、そういったくだらない戯言を止めるために、スピードを示すことが大事だったんだ」
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