愛車よ永遠に……。プロが作るオリジナルミニカーの完成度が高すぎた件

　相棒に乗り続けるのも無理、保管しておける場所などないとなった時、いたたまれない思いを胸に閉じ込めるなら、いっそのこと相棒のミニチュアを作ってみてほしい。過去の愛車のミニチュアを多数所有している筆者が、大切な相棒の分身づくりをお手伝いします。

文／画像：佐々木 亘

【画像ギャラリー】マジで出来がレベチすぎる……!!　実写と見比べてみよう!!（8枚）

型式とボディカラーが同じなら既製品を確保しておけ！

チョロQは幼少期に集めていた人も多いのではないだろうか

　愛車のミニチュアを求める時、まず車両型式（モデル）とボディカラーが同じものを見つけたら、愛車を愛でているうちから確保しておくことをおススメする。幸いにもこの日本には、様々な種類のミニカーが販売されており、現行モデルであれば愛車と同じ色の同じクルマを見つけることは難しくない。

　超王道はトミカだし、ちょっとデフォルメのかかったチョロＱもかわいい。輸入車ならミニチャンプスもいいし、精密なディテールを求めるなら京商もおススメだ。また、EBBROやONE MODELも良いミニカーが揃っている。

　思い出のクルマのミニチュアを手に入れるのに、最も手っ取り早いのは既製品を買うこと。愛車が手元にあるうちに、ミニチュアも手に入れることが出来れば、実車と並べて写真に収めることも可能だ。

既製品に同色が無ければ実際の塗装色で塗ってみる

白の上からペイントを施したプリウスのミニカー。なかなかうまくいったと思う

　既製品ミニカーで、愛車と同じボディカラーが出るかは運次第。ただそれを待っていては、相棒の分身を作れなくなってしまうので、色だけが違うという場合は個体を確保し、自分で塗ってみよう。

　例えば筆者の手元にある30系プリウスG’sのミニカーは、元々ボディカラーが白のカラーサンプルだった。

　このカラーサンプルは、シャシーとボディはネジを外すだけで分かれたが、ウィンドウやバンパー部分は外すことが出来なかったので、塗りたくないところには細かくマスキングテープを貼り付ける。

　あとは、実車の塗装色（今回はトヨタのレッドマイカメタリック〈3R3〉）の補修用スプレーを用意して、ミニカーのボディを塗ってしまえばいい。

　プラモデル用の似た色を探して吹き付けるのも良いのだが、せっかくだったら全く同じ色で分身を作りたいもの。カー用品店にはタッチアップペイントのボトルをスプレーに変身させるキットもある。こういうものを有効に使い、愛車そっくりの相棒を作り出すのも良いと思う。

細部のディテールがエグイ！　プロの作る愛車の分身がスゴイ

プロの作る愛車のミニカーは出来が格別。ぜひ皆さんにも利用していただきたい

　既製品も既製品の色違いも見つからず手詰まり。しかし思い出のクルマだから一生手元に残しておきたい（でも叶わない）となったら、もうプロの手を借りるしかない。

　筆者も妻との思い出のクルマ（P100系ラクティス）を、結婚を機に手放さなければならなくなった際、プロの手を借りたことがある。ミニカー製作を依頼したのは「北風舎（ほくふうしゃ）」という北海道の模型製作の工房。

　オーダーメイド模型を多数制作していて、愛車の再現性は100％、製作の土台となるミニカーが無いゼロからの製作も受けてくれるのだ。

　愛車の前後左右・斜め、ナンバーやエンブレム、エアロパーツ・ステッカーといった外装から、ステアリング・メーター・シートなどの内装まで、愛車の細部まで撮影した写真を50枚近く送り、こだわりの部分などを伝えて製作に入ってもらえる。

　三か月から半年ほどで仕上がり、1/24くらいの大きさのプラモデルなら約10万円で分身が生み出されるのだ。

　既製品とは違い、エアロの細かなディテールやアルミホイールのデザイン、サイドバイザーや車検ステッカーにメーター内部やナビ画面まで、そっくりそのまま愛車が縮尺された仕上がりには驚かされた。

　結婚や出産のタイミングや、昔父親が乗っていた家族の思い出のクルマをミニチュアにして還暦祝いにサプライズプレゼントという製作依頼が多いようだ。ただ残念なことに、製作依頼が多すぎて、2024年6月から当面の間、新規の製作依頼はオーダーストップの状態が続いている。復活を待ちたい。

　北風舎ホームページのユーザーの感想欄には、これまで製作された数多くのミニカーが、依頼者の感想と共に載っている。これを見ているだけでも魂が揺さぶられるのは、筆者だけではないはずだ。是非、色々な人の想いの詰まったミニカーの数々を見てほしい。

　クルマは人を愛し、人に愛されるもの。だかこそ「愛車」と呼ぶ。造り物である限り寿命はあるから、別れは必ずやってくる。その時、ミニカーで寂しさを少し和らげることができるなら、どんなに素敵なことだろう。

　子供のアルバムを作るように、愛車のミニチュアを作ってみませんか。

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