トヨタ ミライが切り拓いた電動化への道、プリウスがもたらしたハイブリッドという発明、そしてヤリスがもたらす燃費の新しい地平線…。新しい技術はユーザーの役に立つとともに気持ちもワクワクさせてくれる。
あなたがこれまでに最もワクワクしたクルマの革新的な技術はなんだろうか?
なんでそんな風に動けるの?? 運動性能の高さに驚愕しほれぼれした日本車たち 10選
トヨタを筆頭に、メーカー各社が気の遠くなるほどの努力を重ね生み出した渾身の技術とクルマたちとを振り返る。
【画像ギャラリー】リーフ レガシィ アウトランダーPHEV… もちろんトヨタ車だけじゃない!! 「革新」をもたらした名車たちをギャラリーでチェック!!!
※本稿は2020年5月のものです
選出・本文:国沢光宏/写真:ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』 2020年6月26日号
■FCV、PHEV、HV…日本車は新技術の宝庫!!!
技術の新しさという点からすれば、ダントツに燃料電池だろう。未だに市販され好き勝手に使うことができる燃料電池車ってミライしかない。
トヨタ MIRAI(2014年)…2013年11月の第43回東京モーターショー2013で出展され、そのちょうど1年後、2014年11月に正式発表されたMIRAI。「技術の新しさ」でいえば、燃料電池を超えるものはまだほかにない!
そのミライ、納車された日にロールバー入れるためバラバラにしてしまった。後で聞いたのだけれどトヨタは想定外の事態に焦ったそうな!
結果、デビューして3カ月後にはWRCのステージで暴れ回ることに! 新しい技術ながら信頼性の高さに驚く。
同じく初代リーフも最先端の技術が使われていた。世界市場に向けて作られた初めての量販電気自動車です。国沢光宏は徹底的にイジッてしまいましたね。
日産 初代リーフ(2010年)…世界初の量産EVであるリーフも、当然このテーマで選ばれるべき1台。順調に進化し、現在は2代目を販売中
日産のなかでも限られた場所でしか下ろせない走行用電池まで脱着しちゃいましたから。
ミライにも共通することながら、新しい技術を使うパワーユニットだけじゃなく車体技術まで凝りに凝っていた。
新しいモノ好きの私とあり、初代プリウスは発売の半年前に購入を決めた。実車に乗ったらホンキでたまげた!
トヨタ 初代プリウス(1997年)…今では普通になったハイブリッドだが、初めて乗った時には経験したことのないドライブフィールが新鮮だった! もちろん燃費のよさにも驚いた
だってモーターで走り出すワ、ブレーキは電気で総合制御してるワ、普通に走って20km/Lくらい走っちゃうワで、すべてが新しかったことを思い出す。
未だに世界中のメーカーがプリウスのハイブリッドシステムを超えられないという点もスゴイ。
新しい技術好きが止まらず、世界初の本格的プラグインハイブリッドであるアウトランダーPHEVも買いました!
三菱 アウトランダーPHEV(2013年)…ちょっとした移動なら電気だけで走れるプラグインハイブリッドは、電欠の心配がないのがいいところ。プリウスに続き、2013年にデビューしたアウトランダーは今完成の域にある
40kmくらいの移動なら電気だけで走ってしまう。電気代100円以下。加えて乗っていてなんの違和感やストレスを感じないのだから素晴らしい。
普通、最新の技術を使ったクルマはなんらかの“不便さ”があるのだけれど、このクルマについていえば便利なだけ。タイしたもん!
真剣に購入を考えた新技術のなかにクリーンディーゼルがある。世界中のメーカーは「ユーロ6」をクリアしようと頑張ったものの(ホンダなども相当努力した)、耐久性の問題をクリアできず難航。
そんななか、突如日産がクリーンディーゼルを出してきたのだった。しかも尿素を使わない触媒タイプ! 日産、客観的に見ると新しい技術をたくさん出している。
日産 2代目エクストレイル 20GT(クリーンディーゼル・2008年)…「感動したパワーユニット」に続く2度目の登場。今ディーゼルはマツダの独壇場だが、「初めて」の印象はやはり深い。後処理なくクリーンな排ガスを実現したエクストレイルの技術レベルは高かった
そのほかヤリスハイブリッドや、マツダ3の圧縮着火エンジン(SKYACTIV-X)も10台に入れておきたい。
ヤリスのハイブリッドは実用燃費のよさに感心しきり! 普通に走って25km/L。少し気を遣えば30km/Lですから!
トヨタ ヤリスハイブリッド(2020年)…ヤリスハイブリッドの実用燃費のよさにはびっくり! ここまでくると「感動の域」となる。渋滞ありの下道で30km/L超えはあたりまえ。WLTCモードは最良で36.0km/Lだ
実燃費でいえばお話にならないレベルだけれど、マツダの圧縮着火エンジンは技術レベルが凄く高い。徒花にならないことを祈っておく。
マツダ MAZDA3 SKYACTIV-X(2019年)…ガソリンエンジンで世界初の圧縮着火を実現したマツダも凄い。コンプレッサー+マイルドハイブリッドの凝ったシステムを採用し、2Lで180ps/22.8kgmを発生。今後の発展に期待
車体関係の技術で「ホントかよ!」を3本。
筆頭は日産インフィニティQ45の「アクティブサス」だ。
インフィニティQ45(1989年)…セルシオの対抗として登場したQ45はV8、4.5Lエンジン以上にアクティブサスペンションが凄かった。高級セダン離れしたハンドリングで巨大なボディを軽快に走らせた!
日産栃木のハンドリング路にはコーナーに意地悪な3連続ギャップが設定されていた。ここを普通のクルマで走ると、2個目で破綻。よくできたクルマすら3個目でトッ散らかるため速度落とす。
ところがアクティブサスのQ45だと全開でいけちゃう! 復活を考えていいサスペンションです。
初代フォレスターの4WD性能も強烈でしたね!
スバル 5代目レガシィ(2010年)…自動ブレーキの先駆けとなったアイサイトを装着した先代レガシィも「感動の10台」にランクイン。世界のクルマの安全性能を進化させた立役者
乗ると少し背が高い乗用車と同じようなハンドリングなのに、階段は登るし片輪浮いてもトラクションかかる。はたまた雪道を意のままに走れちゃうのだった。
それまで雪道最強の4WDはパルサーのトリプルビスカスだと思っていたが、フォレスターときたら平気でその上をいっていた。
アイサイトを初めて装備した5代目レガシィは間違いなく新技術採用の10台に入ってくる。
スバル 初代フォレスター(1997年)…武骨なスタイルながら「強さとたくましさ」を感じさせて人気のあった初代フォレスター。2Lターボのパワフルさとともに、4WD性能の高さが印象深い
最初に体験した時は手品のようだと思いましたね(今でも人間の判断の上をいくため手品にしか思えない)。よくぞあんな早いタイミングで実用化できたモンだと思う。
未だに10年前になる最初のアイサイトを超えていない自動ブレーキだってありますから。そんなスバルの自動ブレーキ性能、今や遅れ気味。
【番外コラム】 編集部が選ぶ もう1台 マツダ 6代目ファミリア4WDターボ(1985年)
マツダ 6代目ファミリア4WDターボ(1985年)
日本初の量産フルタイム4WD車となった5代目ファミリアも感動の日本車。WRCでも3勝を挙げている。
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